Last Updated on 2021年2月5日 by 今井 靖之

研究開発の信念「技術は人のためにある」を具現化

本田技研工業株式会社(本社:港区、代表取締役社長:八郷隆弘)は、Hondaの先端科学技術の研究を担う株式会社ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン(HRI-JP)が開発した、聴覚障がい者と健聴者の双方向コミュニケーションをサポートするシステム「ホンダ・コミュニケーション・アシスタンス・システム(Honda CAシステム)」の社内利用を2020年9月から本格的に開始しました。
※Honda CAシステムの開発について:https://www.honda.co.jp/stories/003

Honda CAシステムを導入することにより、聴覚障がい者が会議の流れを把握しやすくなりタイムリーに発言できるようになったことで、チームの一体感や仕事へのモチベーションが向上する(ホンダR&D太陽の聴覚障がいのある従業員6名の調査による)という効果が出ています。また、内容のすべてを筆談する必要がなくなったことで、筆談者の負荷が減り、会議時間が2~3割短縮される効果も確認できました。

Honda CAシステムを使って打ち合わせをする様子

Honda CAシステムの特長

●リアルタイムで正確性の高い音声認識
・Honda独自の技術として、スピード重視型、正確性重視型の2つの音声認識エンジンを使用し、リアルタイム表示と正確性の高いテキスト変換を両立しています。
・発話と同時に自動的に音声認識を開始。発話ボタンや、音声認識を開始するためのウェイクアップワードが不要なので、会議の流れやコミュニケーションを妨げません。
・Hondaの社内業務を考慮したチューニングにより、社内専門用語も高い正確性で変換可能です。
●聴覚障がい者向け双方向コミュニケーションインターフェース
・音声認識に加え、キーボード入力や手書き入力でも簡単に発言可能。入力開始と同時に画面色が変わり、発言の意志を表すなど、聴覚障がい者が議論の輪に入りやすい工夫をしています。
・一つの画面に全員の発言が表示され、会議の流れを把握しやすくなっています。
●オンライン会議に対応
・在宅勤務時にも打ち合わせができるよう、オンライン会議に対応しています。

ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン

Hondaの先端科学技術の研究を担うグローバルな組織として、2003年に設立したホンダ・リサーチ・インスティチュート(日本・北米・欧州)の日本における研究拠点。活動理念は、「Innovation through Science」であり、人々の生活に喜びを与え、新しい価値を提供するための研究に取り組む。人、環境、ロボットがインテリジェントシステムとして調和し、共存するハイブリッド社会を実現するための人工知能と協調知能を中心に、インテリジェントコミュニケーション、ソーシャルインタラクション、人理解を主な研究領域としている。
http://www.jp.honda-ri.com/

ホンダ太陽

中村裕博士と本田宗一郎の「障がいのある人達の社会的自立の促進」と言う理念のもと、1981年に設立された、本田技研工業(株)の特例子会社。働く一人ひとりが、障がいの有無に関係なく持ち味をいかし、仕事を通して社会の役に立つ「世界のモデル企業」となることを目指している。“障がい者”としてではなく「一人の人間」として社会に役立ち、普通に生きてゆく「何より人間~夢・希望・笑顔~」を基本理念とする。

本田技研工業株式会社

代表者:八郷隆弘
所在地:東京都港区南青山2-1-1
URL:https://www.honda.co.jp

Written by

今井 靖之

findgood編集者、ライター。

大手電機メーカーで半導体電子部品のフィールドアプリケーションエンジニア、インターネットサービスプロバイダのプロモーションやマーケティングに従事。以後フリー。

身内に極めて珍しい指定難病者を抱える。

神奈川県川崎市在住。サブカルヲタク。「犬派?猫派?」と聞かれたらネコ派、猫同居中。