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知る・障害について

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「障害」ってどういうものなの? 身近な環境にない場合、多くの人が「障害」についてなんとなくの知識しか持ち合わせないのではないでしょうか?

現在の生活や社会活動の中では、障害者にかかわらず、お年寄りや子供、家族関係など、何かしらのサポートが必要な人々に対し、福祉的なサービスを提供するため、法律や定義に基 づき誰にどのくらいの支援をどうやって行うのかが決められます。 障害の場合も、国が定めた基準に沿って、「障害者」として認定を受けることで、様々な福祉サービスや支援を受けることができます。

近年では透析が必要な腎疾患患者や、AIDS などの免疫機能障害が身体障害として認められ るようになったり、自閉症や注意欠陥性多動性障害などの発達障害、脳に損傷を受けたことによる高次脳機能障害など、障害の定義はどんどん拡大されています。 障害者総合支援法の改正によって、障害の定義が広がり、難病と関節リウマチの患者に対しても障害福祉サービスの提供ができるようになり、難病の対象疾患は今後の研究の進歩によって増える可能性もあります。

このように、「障害」とはあくまで国が定めた定義であり、絶対的、普遍的なものではありません。また、現在も障害の定義は見直されつづけています。

障害について聞くことを何となくためらってしまい、わからないままになってしまったり、知らないばかりに誤解したままであったり、多くの人がただ「知らない」だけで、接点を作 れずにいるのではないでしょうか?

「障害」の定義は人によって様々で、人の数だけ違うかもしれません。興味を持ち、特性を知ることは、相手を理解しようとすることです。いろんなありかたを知ることの積み重ねが、いろんな人が社会でふつうに楽しく暮らすためには欠かせないことだと、わたしたちは考えています。

【身体障害】

身体の一部が障害程度に該当すると認定された方で、視力や聴覚、上肢下肢のほか、内臓に関する状態など多岐にわたります。障害の程度は1級~7級の7区分に分けられます。
※手帳が交付されるのは、1級から6級まで

■視覚障害

まったく見えない、もしくは著しく視力が低いというほか、暗い場所において見えにくくな る、色の判別ができないなどの状態を指します。視力障害というと「全盲」や杖(白杖)を ついている人などをイメージしがちですが、多岐にわたります。

■聴覚障害

まったく聞こえない、もしくは聞こえにくい状態です。「聞こえ」は個人差が大きいため、 補聴器などで聞こえをカバーしたり、手話やメモ(筆談)を用いたりしながらコミュニケー ションをとります。

■肢体(上肢、下肢、体幹、脳原性運動機能障害)

上肢は肩関節から先の手の部分を指し、下肢は股下から先の足の指までです。また、体幹の 機能障害により歩行や、立つ、座るなどが困難な状態を指します。ほか、ぼうこう・直腸機能、小腸機能、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能、平衡機能、音声・言語機能、そしゃく機能、なども身体障害にあたります。 難病など先天性(生まれつき)、交通事故などによる欠損や損傷など後天性に分かれますが、いずれにせよ日常生活等で著しく困難を伴うことが障害の判断となります。 身体障害はその範囲がその名の通り身体全体を指しますが、車いすや白杖の使用など比較的把握しやすいものから、一見、そうとはわかりにくい状態まで幅広いのが特徴です。

【精神障害】

精神障害は、統合失調症や気分障害(うつ病、躁うつ病など)、てんかん、高次脳機能障害、発達障害(自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害等)のほか薬物やアルコールによる急性中毒又はその依存症などが原因で、日常生活・社会生活に制約がある方が対象となります。

■統合失調症

その名の通り、“統合を失う”ことで、考えを一つにまとめることが困難になり、その症状が長く続くことを指します。特徴的な症状として、幻聴や幻覚を発症することも少なくありま せん。

■気分障害

気分や感情が極端に変わり気分の浮き沈みなどが症状として現れます。気分障害は大きく、躁うつ病(双極性感情障害)とうつ病に分かれ、躁うつ病は気分の浮き沈みが激しいのが特徴です。高揚時は気が大きくなり活動的になったり、普段は買わないような高額なものを買ったり、ギャンブルに大金をつぎ込むといったことが見られる一方で、気分が落ち込んだ際 は極端に悲観的になったり生気を失った状態になったりする傾向があります。また、うつ病は気分の高揚がない状態で、悲観や自信のなさ、自責が極端に強い、自死を意 識するなどが特徴としてあります。

■てんかん

「てんかん発作」を繰り返す疾患です。先天性のほか、幼児期や青年期に脳に何らかの障害を負ったことを原因とする場合と、具体的な異常が見つからない原因不明のてんかんもあ ります。症状も意識のある発作から、全身のけいれんを伴うものまで様々です。また、多くの場合は服薬による発作のコントロールが可能です。

■高次脳機能障害

事故や病気による脳の損傷に起因する後天性の障害です。記憶障害(物覚えが困難、過去のことを思い出せないなど)や注意障害(集中力の低下、思考に一貫性がないなど)、社会的行動障害(急に怒鳴る、暴れる、泣き出す、無関心になる)などが主な症状です。

■発達障害(自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害等)

発達障害は脳機能の発達による障害です。福祉の分野では発達障害を“不定形発達”と呼ぶことがありますが、健常者の発達過程を「定型発達」(一定の発達)と定義すると、発達障害 のある方は、一部が定型でない発達をしたということになります。発達障害を“デコボコがある”(≒不定形)と例えるのはそのためといえます。

しかし、何らかの欠損があるわけではなく、極端に苦手とする分野がある一方で芸術分野等において高い能力を持つともいわれており、特性を存分に生かし社会的な評価を得ている人も少なくありません。最近では自身の発達障害を公表している著名人も増えています。

発達障害の特徴として、コミュニケーションや対人関係の構築を苦手とします。発達障害は いくつかのタイプに分類されますがここでは、広汎性発達障害(自閉症、アスペルガー症候 群など)、学習障害、注意欠陥多動性障害の特徴を紹介します。

■広汎性発達障害(自閉症、アスペルガー症候群など)

対人コミュニケーションや社会性に関する発達障害の総称をいいます。広汎性発達障害はさらに、自閉症、アスペルガー症候群、レット症候群、小児期崩壊性障害、特定不能の広汎性発達障害に分けられます。

・自閉症
「自閉症スペクトラム」とも呼ばれ、言葉の発達の遅れや、コミュニケーション・対人関係 などにおいて特徴を持ちます。知的障害を伴うこともあります。具体的な特徴としては、相手の目を見て表情から気持ちを読み取ることや、場の空気を読むことを苦手とします。また、言葉がスムーズに出ず返答が遅れたり、理解に時間がかかったり、一部の物事に対し“こだわり”をもっていたりします。ほか、一部の方は、視覚や聴覚などの感覚が過敏になり過ぎ苦痛を感じたりや不快感を覚える「感覚過敏」を伴います。
例:
視覚過敏:様々な情報がいっぺんに視覚に入り過ぎる聴覚過敏:様々な音が騒音に聞こえる、極端に苦手な音があるなど

・アスペルガー症候群
対人関係の構築や社会性などのコミュニケーション面や、パターン化した行動や、一部への興味・関心などを特徴とする、知的障害を伴わない障害です。周囲が止めないとずっと話し続ける、友達付き合いが苦手などの特徴がありますが、コミュニケーション上、返答に遅れ がないことが多く、障害があると認識されないことも少なくありません。また、行動をパターン化することも好み、それと異なる状況を極度に嫌うこともあります。自身の興味・関心の高い分野に関しては専門家顔負けの知識を持つこともある一方で、関心の低い分野に関しては意識が向かない傾向があり、例えば髪型や服装などに無頓着で、周囲の常識感とかい離していることなどがあります。

・学習障害(LD)
学習障害もアスペルガー症候群同様、知的な遅れはなく、そのため周囲から気づかれにくい傾向にあります。代表的な特徴として読字障害(ディスレクシア)があるように、読み書きや計算(小中学生レベルの読みや掛け算、割り算、暗算などができない、書く文字が極端に汚いなど)を苦手とします。

・注意欠如・多動性障害(AD/HD)
集中できない、落ち着きがないなどの特徴がある障害で、知的な遅れは見られず対人コミュニケーションにおいても大きな支障は見られない場合が少なくありません。片づけられない、思ったことをすぐ行動に移す、など一部の特徴が表れることも多く、また物忘れや集中力の欠如などは、障害の有無にかかわらず、程度の差はあれ誰にでも覚えのあることから、他の発達障害同様、周囲から気づかれにくい障害といえます。

以上のように、精神障害は複数に分類され、症状も様々です。なお、精神障害者に交付される手帳は、精神障害者保健福祉手帳といい、1級から3級に区分されます。

【知的障害】

知的障害は、先天性疾患のほか、後天性の場合は出産時の事故や生後の高熱による後遺症などを原因とする障害で、発達期(18歳未満)に明らかに遅滞が認められること、遅滞が生じており、適した行動が困難であることなどがその基準となります。一般的には、発達期において読み書きなどで遅れが見られるほか、学校生活で勉強等の頭を働かす場面において何らかの支障があることを指します。また、知能指数(IQ)において定義される(※)こともあり、その際は、知能指数 70 ない し 75 未満(以下)となります。

なお、障害の程度は以下の4区分になります。
軽度:知能指数は 50-69 程度
中等度:知能指数は 35-49 程度
重度:知能指数は 20-34 程度
最重度:知能指数は 19 以下程度 (※)知能指数は心理検査や知能検査を受けることで分かる

なお、知的障害者に交付される手帳は「療育手帳」「愛の手帳」などと呼ばれ、(自治体により異なる)最重度・重度・中度・軽度の 4 区分となっています。

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