関節リウマチを抱えている方の中には、症状とうまく付き合いながら仕事をしている方もいらっしゃれば、仕事に悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
例えば、季節や天候により症状が悪化してしまう、疲れやすく体調を崩しやすいなど、関節リウマチ特有の悩みを感じることはありませんか?
そんなときは、同じように関節リウマチを抱えながら仕事をしている方々の声に耳を傾けてみませんか?今回のコラムでは95人の関節リウマチがある方のアンケートをもとに
・何に悩み、どのように解決しているのか
・仕事はどのように探したのか
をご紹介していきます。
また、障害者雇用の専門家 中村旬さん(社会福祉士)にもアドバイスをいただいています。
仕事との向き合い方や職場に悩みや不安がある方は、解決のヒントとしていただけますと幸いです。
*この記事は中村旬さんに監修していただきました 中村旬さん 社会福祉士(ソーシャルワーカー:社会福祉専門職の国家資格)、介護支援専門員。製薬会社にて勤務したのち社会福祉士の資格を取得、専門学校教職員を経て、協同組合にて通所介護事業所の管理者・生活相談員や福祉用具貸与事業所福祉用具専門相談員、生活困窮者支援員を経験。精神障害のある方を対象にした介護職員初任者研修を運営し、講師も務めた。現在はコミュニティ施設運営、放課後等デイサービス運営、介護職員初任者研修講師等。「月刊デイ」への寄稿や社会福祉士全国大会での発表経験あり。 |
目次
- 関節リウマチとは
- 関節リウマチの特性による仕事の悩みと対策
- 関節リウマチがある方が職場で抱える悩みと必要なサポート
- 関節リウマチをオープンにするかクローズにするか
- 関節リウマチのある方におすすめの企業・業界・職種
- 求人の見つけ方
- 企業情報の集め方
- 専門家からのアドバイス
- 最後に
1.関節リウマチとは
最初は両方の手や足の指の関節が対称的に腫れて、とくに朝、こわばるようになります。また、人によっては膝関節や股関節など大きな関節にも病変が進み、水が溜まり、動きにくくなり、痛みのために日常生活に困難をおぼえるようになります。 どの年代でもおこりますが、特に30~40歳代の女性に多く発症します。軽症の人もいれば重症の人もいて症状も多彩です。 早めの診断・治療が必要です。 関節リウマチは、関節だけの病気ではなく全身病ですので、貧血症状がでたり、体がだるくなったり、微熱がでることもあり、こうなると症状が悪化します。 ▼参考:日本整形外科学会「関節リウマチ」より一部抜粋 |
2.関節リウマチの特性による仕事の悩みと対策
2-1.症状が季節や天候に左右される悩みと対策
関節リウマチは、冷えや気圧の変化が症状を悪化させることがあります。口コミにもその様子が詳しく述べられています。
【悩み】
“ 関節リウマチのため天候に左右されやすく疲労が強く、昼休憩はぐったり。 医療・福祉・介護、一般事務、女性 天気によって出社ができなくなるため、会議など大きな仕事の日はとても不安になる。 医療・福祉・介護、女性 冬場は特に手や足の関節が痛んだので、細かい作業をするのが大変でした。院内処方の整形外科ということもあり、薬の用意やお金のやり取りにも痛みを伴いました。移動する際も足が痛く、忙しい時に急ぐことができず、苦労しました。常に痛みとの戦いでした。 医療・福祉・介護、女性 朝や寒い季節になると、とても体が動きにくくなってしまいます。 医療・福祉・介護、男性 ” |
こうした悩みを、工夫や対策で乗り越えている方もいます。
【工夫や対策】
“ 無理しすぎず、負担をカバーできるように筋肉をつけるようにジムへ通いました。 医療・福祉・介護、女性 朝起きた時に、いつも以上にこわばりや痛みを伴うときは、あらかじめ痛み止めの薬をのみ、湿布を貼って準備して出勤していました。 医療・福祉・介護、女性 朝から仕事をする場合は、早くから起きて体を動かして体を慣れさすという行動が必要です。またどうしても体調が悪かったり体が動きにくかったりする日もあるので、そういったときにある程度休みが取れる融通がきく職場でないとなかなか働くのは難しいと思います。 医療・福祉・介護、男性 なるべく体を冷やさないようにする、関節に負担をかけないように太らないようにすること。 コンサルティング・専門サービス系、事務系、女性 遅くに帰ってからも、血液の循環を良くしようと風呂に浸かって体を温めることをしていました。 外食・フード、調理スタッフ、調理補佐、男性 8時30分出勤ですが、5時ごろに起きて体を慣らしてから出勤しました。 医療・福祉・介護、男性 身体が冷えないように厚着をしたりする。 医療・福祉・介護、介護、女性 毎朝、手のこわばりがひどいため、いつもより一時間早く起き、お湯に両手をひたしていた。 環境、管理業務、折衝業務、男性 ” |
季節や気温は自分でコントロールできませんが、工夫や対策を講じることで症状が和らぐこともあります。
症状が重くなりそうだと感じたら、薬を服用する、湿布を貼るなど早めの対応を心がけてみましょう。そのためにも、自分の症状の傾向を掴んでおくことが大切です。
また、冷えを避けるための工夫もありました。厚着を心がける、お風呂に浸かるなど、冷えないための予防策も効果的です。
特に、朝の症状が重い方は、早めに起きてストレッチをしたり、症状のある部分をお湯で温め、こわばりを和らげたりするのも良いでしょう。
さらに、体調管理に気をつけている方もいます。体を適度に動かし調子を整えることや、最適な体重を維持して関節の負担を減らすことも有効です。
しかし、どうしても症状がつらい日はあります。無理せず体を休めるために、職場には自分の症状を説明しておくことも必要な対策の一つです。
2-2.疲れやすく、体調を崩しやすい悩みとその対策
関節リウマチは、免疫に作用する薬を使用することもあり、体調を崩しやすい、重篤化しやすいという、薬の副作用も悩みの1つです。
また、関節リウマチは、関節の痛みだけでなく全身の疲れやだるさも引き起こします。
口コミで詳しい様子をみてみましょう。
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