サステナブル・ブランド国際会議2026の概要

サステナブル・ブランド国際会議は、2006年に米国で創設されたSustainable Brands®が世界各国で展開する、サステナビリティ領域における国際的なコミュニティ・カンファレンスです。日本では2017年に初開催され、2026年は日本開催10周年の節目となりました。国内最大級のサステナビリティ・カンファレンスとして定着しており、ビジネスリーダーからアカデミック・行政・次世代まで、多様なステークホルダーが一堂に会し、最新の潮流と事例をもとに「これからの価値創造」を学び、議論し、つながる場となっています。2026年の参加者数は3,570名(主催者発表による現地参加のべ人数)に上りました。

イベント詳細

  • イベント名:サステナブル・ブランド国際会議2026 東京・丸の内
  • 開催日:2026年2月18日(水)〜19日(木)
  • 会場:東京国際フォーラム(東京・丸の内)
  • 松本氏登壇:DAY2(2/19)プレナリー Opening Remarks
  • 公式サイト:https://sb-tokyo.com/2026/

配慮ではなく、戦略としてのインクルーシブデザイン

松本氏は登壇で、障害児育児の経験から生まれたインクルーシブブランド「IKOU(イコウ)」の歩みを起点に、「無意識の排除」という社会構造的な課題を指摘しました。障害者と健常者が分断された社会では、多数派が少数派の困りごとや願いに気づけないことを、自身の体験を交えて示しました。

Haluの主力プロダクトである「IKOUポータブルチェア」は、障害児専用の福祉機器ではなく、すべての子どもが使えるインクルーシブな設計が特徴です。障害児向けの福祉機器の椅子がオーダーメイドで平均46万円台であるのに対し、「IKOUポータブルチェア」はターゲットの拡張により量産化を実現し、1台54,000円(税抜)という低価格での提供を可能にしました。現在、全国83の企業・自治体、125か所の施設に導入されており、特に小さな子連れ家族の来訪が期待されるスポーツ施設や商業施設での採用が進んでいます。

スポーツ観戦での共同調査では、70%以上の保護者が「子ども用の座席代金を払ってでもまた利用したい」と回答しており、インクルーシブデザインが利用者の高い満足度と施設側の収益ポテンシャルを同時に示した結果となっています。

さらに、松本氏は世界18.5億人の障害者とその関連購買力13兆ドルに対し、障害者のインサイトを活用している企業はわずか5%という現状を提示しました。そして、「これまで見逃していた人たちの困りごとや願いが、イノベーションの源泉になる」という視点の転換を呼びかけ、マイノリティを「配慮の対象」ではなく「価値共創のパートナー」と捉え直すことを提案しました。

Haluのインクルーシブデザイン推進支援

松本氏は今回の登壇について、「日本開催10周年という節目の会議で、プレナリーのOpening Remarksという大切な役割を担わせていただきましたこと、大変光栄に思います」とコメントしています。Haluは現在、自社ブランドIKOUの展開と並行して、企業や団体との共創や研修・コンサルティングも積極的に展開しています。

Haluは、「DEI推進を具体的な事業やサービスにどう落とし込むべきか」「インクルーシブデザインに関心はあるが、自社にどう取り入れればよいか分からない」といった課題に対し、新たな価値創出とイノベーションに向けて、インクルーシブデザイン導入を支援する以下のサービスを提供しています。

  • 研修・ワークショップ: インクルーシブデザインの考え方から実践までを段階的に学べるプログラムを提供し、各社の課題・目的に応じてカスタマイズします。
  • プロジェクト伴走支援(リサーチ&コ・クリエーション): 障害児家族を中心とした独自コミュニティ「IKOUインクルーシブパートナー」の一次情報を起点に、リサーチからコンセプト立案・プロトタイプ制作まで伴走します。
  • プロダクト開発(社会実装・販売): 障害児育児のリアルな声から生まれた「ともに使える」プロダクトを、企業・施設・一般家庭へ届けています。「IKOUポータブルチェア」は、全国のスポーツ施設・商業施設・飲食店等への導入が進んでおり、顧客満足度向上と収益貢献が実証されています。

研修事例等、詳細はこちら:https://ikoudesign.com/ja/inclusivedesign/works
「IKOUポータブルチェア」導入実績:https://ikoudesign.com/ja/casestudy
お問い合わせはこちら:https://ikoudesign.com/contact

インクルーシブデザインとは

インクルーシブデザインとは、高齢者や障害者など、従来のデザインプロセスでは見過ごされてきた多様な人々のニーズに着目し、当事者を巻き込んで共に創るデザインアプローチのことです。「ユニバーサルデザイン」が一般的にすべての人が使いやすいようデザイナーがユーザーの普遍的な困難を想定し考案するのに対し、「インクルーシブデザイン」では、個々のユーザーの困難を起点に、デザインや製品開発のプロセスを当事者とともに行い、フィードバックを取り入れながら、ともにつくりあげていくことを特徴とします。

Haluでは、障害児育児の課題を起点に、当事者だけでなくより多くの人たちに喜びをもたらし、企業や社会の発展につながる「イノベーション」のアプローチとして、インクルーシブデザインを実践しています。

株式会社Haluについて

2020年4月に創業した株式会社Haluは、「インクルーシブデザインで多様性を価値に変え、分断のない世界をつくる。」をビジョンに掲げています。マイノリティを「配慮の対象」から「イノベーションの源泉へ」と捉え直すインクルーシブデザインの実践に取り組んでおり、障害児も健常児もともに使える「IKOUポータブルチェア」等の自社ブランド「IKOU」製品の開発・販売を軸に活動しています。また、障害児家族との共創から得た知見とモニターネットワークを活かし、企業・自治体向けの研修・リサーチ・共同開発も展開しています。

同社は、令和6年度「バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰」内閣府特命担当大臣奨励賞、2022年度グッドデザイン賞、2024 64th「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」デザイン部門ブロンズなど、多数の受賞歴があります。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社Halu
E-mail : contact@ikoudesign.com
コンタクトフォーム:https://ikoudesign.com/contact

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77