「近助の力」で命を守るインクルーシブ防災

近年、災害が激甚化する中で、行政による「公助」には限界があると言われています。この状況において、障害のある人や医療的ケアが必要な人が地域で安心して生活を続けるためには、地域住民同士の「近助(近所の助け合い)」が不可欠です。

今回の講演では、「インクルーシブ防災と近助の力:現行制度の基本と当事者支援の実際」と題し、近助の具体的なあり方と、それを支える現行制度の活用方法が、最新の事例を交えて解説されます。

第13回協働型災害訓練

理論から実践へ繋ぐ講演の見どころ

白神氏は、社会福祉士・保育士としての長年の経験から「障害児者の災害準備」を研究してきました。講演では、複雑に感じられがちな障害福祉制度の基本が分かりやすく整理され、実際の避難現場で何が起こりうるのかが具体的に提示されます。

特に注目されるのは、人工呼吸器を装着している方の避難訓練動画など、貴重な視覚資料が用いられる点です。これにより、平時からの「近助」のネットワークがどのように命を繋ぐのか、そして専門職や地域住民がそれぞれどのような役割を果たすべきかが、より明確に理解できるでしょう。

2025年に上梓された著書『図解でわかる災害福祉』のエッセンスも盛り込まれており、参加者は明日から実践できる具体的なヒントを得られる内容となっています。

講師プロフィール:白神 晃子氏

立正大学 社会福祉学部 准教授である白神晃子氏は、社会福祉士および保育士の資格を持ち、福島県いわき市出身です。インクルーシブ防災の視点から、障害児者の災害準備や特別支援学校の防災対策を研究。近著に『図解でわかる災害福祉(2025)』があります。

本講演では、現行の障害と災害対策に関わる制度の枠組みを解説し、人工呼吸器利用児の避難練習会といった防災活動をきっかけに、平時の地域での支え合いにつなげる貴重な事例を紹介します。多様な特性を持つ人々の命と生活を守る「実効性のある防災」を提言する活動を続けています。

開催概要

第13回協働型災害訓練 in 杉戸「防災DX2.0〜コンセプトフリーな世界を考える〜」

  • 日時

    • 2026年2月6日(金) 9:00〜17:00

    • 2026年2月7日(土) 9:30〜17:30

  • 場所

    • 彩の国いきいきセンターすぎとピア(〒345-0024埼玉県北葛飾郡杉戸町堤根4742-1)

    • Zoom(オンライン)

  • 対象

    • 最新の災害支援が知りたい人や団体

    • ICSを学びたい防災担当者、関係者

    • 災害支援の仲間と出会いたい人や団体 など

  • 費用

    • 1人3,000円/日(税込、オンライン・オフラインとも、2日券割引あり)

    • 町内在住・在勤、周辺自主防関係者、彩の国会議メンバーは参加費無料

  • 参加申込

協働型災害訓練の詳細については、以下の公式サイトをご覧ください。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77