地域と福祉を支える温かい挑戦

B型就労所と連携した「オリーブフリアン」

「教育探求ツアーと地域共創オリーブフリアン」は、B型就労施設の工賃水準の低さという課題に着目し、その解決を目指す取り組みです。このプロジェクトでは、地域資源であるオリーブの未活用材を活かし、B型就労所と連携して焼き菓子「オリーブフリアン」を商品化しました。学生事業部が市場との接点(発信・販売導線づくり)を担い、1個販売ごとに30円を利用者の工賃向上に充てる仕組みを導入。「買うことが地域と福祉を支える」というメッセージを核にクラウドファンディングを実施した結果、142人の支援者から111万円の支援を集めることに成功しました。

現在、リターンの発送準備が進められており、将来的には「福知山といえばオリーブフリアン」と言われる地域のお土産としての定着を目指しています。

クラウドファンディングの画面

“ヒト”と“モノ”にやさしい移動を支援する「HARUEL」

「HARUEL(ハルエル)」は、「身近な存在の多様な移動ニーズに応える支援ツール」をコンセプトにしたブランド事業です。寝たきりの母親の在宅介護で移動介助の限界を感じたことがきっかけで、初代モデルが自作されました。その後、看護師との出会いを機に本格的な開発へと進み、特許(第7580560号)も取得しています。

このプログラムを通じて、事業の基盤となるブランディングが確立され、製品開発では高齢ペットの介護問題や、障がいのある子どもを持つ家族、施設関係者の移動の難しさ、介助時の身体的負担、安全確保の重要性にも着目。今後は、一人介助に特化した移動介助用具を基点に、寝たきりの方が自由に外出できる社会の実現や、高齢ペット介護、防災・運搬・建築など多様な分野への展開を目指しています。「支える人」と「支えられる存在」双方を大切にする移動支援ツールの開発を通じて、福知山から日本発のプロダクトを発信していく計画です。

介助イラスト

その他の注目プロジェクト

業界特化研修事業の社内提案プラン

市場調査会社の知見と自治体の地域課題理解を組み合わせ、地域の産業振興を多角的に捉える研修事業の社内提案プランが発表されました。次世代農業分野を題材に、地域に適した産業施策を考える視点を深める機会として構想されています。

業界特化研修に関するスライド

PHYSIO GOLF Re:Design

理学療法士の医学的知見とバイオメカニクスを融合させ、一般ゴルファーの指導と身体づくりを支援する新規事業。従来の感覚に依存しない指導で、ゴルフを「健康インフラ」と捉え、健康寿命を伸ばす社会実装に挑戦します。

株式会社フィジオ: https://physio-fukuoka.jp/

「PHYSIO GOLF Re:Design」に関する資料

学生記者が届ける、世のため人のための企業

一般社団法人 NEXTE 福知山の学生記者部「StyleNote」は、地域企業を学生目線で取材し、その魅力を発信する活動を行っています。北都信用金庫との連携により、「S認証」を受けた社会課題解決型企業の記事・パンフレット作成を進め、若者と地域企業をつなぐ新たな接点を創出しています。

NEXTE福知山のこれから

一般社団法人NEXTE福知山は、起業家ネットワークを構築し、地域で新たな挑戦が生まれる土壌づくりを目指しています。京都北都信用金庫と連携し、S認証企業への取材を通じて地域の魅力を発信するとともに、福知山公立大学の卒業生と在学生がつながるコミュニティ形成にも取り組んでいます。

福知山発・エシカルブランド「香福ナチュラルGIN」

福知山市発のエシカルブランド「香福ナチュラルGIN」は、福知山市産の和漢素材から香りだけを抽出した透明なノンアルコールGINです。高齢化が進む地域で「ハーブ苗オーナー制度」を導入し、耕作放棄地の活用や高齢者による乾燥工程など、地域資源と人材を活かした持続可能な生産体制を構築しています。クラウドファンディングでは、歴代1位の支援実績を更新し、地域と都市をつなぐ新しい経済循環モデルを目指しています。

GINのボトル

挑戦であふれるまちへ

今回の成果報告会では、学生、企業、行政など多様な立場の参加者が集まり、それぞれの視点から地域の可能性を探る取り組みが行われました。事業アイデアの検討にとどまらず、実際のビジネスや社会実装を見据えた具体的な提案が多く生まれ、地域に新たな挑戦の芽が広がっていることを実感させる内容でした。

福知山市は、今後も福知山公立大学をはじめとする関係機関と連携しながら、新たな産業の創出や起業家人材の育成に取り組んでいくとしています。これらの事業を通じて、新しい挑戦が生まれ続けるまちづくりを進め、「挑戦であふれるまち」として福知山市が発展していくことが期待されます。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77