地域活性化と多様な働き方を推進するケアフィットファーム

日本ケアフィット共育機構は、山梨県甲州市において障害者就労支援事業所「ケアフィットファーム」を運営しています。ここでは、ぶどう栽培からワイン醸造、加工品の販売までを一貫して行う6次産業化を通じて、障害のある方々をはじめとする多様な人々が共に働き、共に学べる場づくりが進められています。

一方、甲州市では総人口の減少が課題となっており、地域活性化と人口維持が求められています。このような背景から、日本ケアフィット共育機構は、同機構が提供する「インクルーシブ・コミュニケーター」資格の実地研修の場としてケアフィットファームを活用し、「関係人口創出のワーケーションプログラム」を展開してきました。

農業体験と研修を通じた「関係人口創出のワーケーションプログラム」

このワーケーションプログラムは、2024年10月から2025年10月にかけて計5回実施されました。プログラムの柱は以下の2つです。

  • DEIB研修(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン・ビロンギング):農業体験を通じて、多様性、公平性、包括性、帰属意識を学びます。

  • ICA資格取得実地研修:インクルーシブなチームづくりに必要なコミュニケーションを実践的に学びます。

研修後には、資格取得者のコミュニティ「IXラボ」を通じて、参加者と地域との長期的なつながりを形成することを目指しています。

JR東日本新入社員研修でのDEIB研修事例

2025年8月には、JR東日本3統括センターの新入社員を対象に、ケアフィットファームでDEIB研修が実施されました。午前中は障害のあるファームメンバーと協力してワイン用甲州ぶどうの傘掛け作業に取り組み、午後は防災センターで体験を振り返りながらワインラベルづくりを行いました。

研修の担当者からは、「最初は意思疎通が難しかったメンバーが、農業体験やラベルづくりを通じて徐々にコミュニケーションが取れるようになり、お互いを尊重し、相手の立場に立って考えることの重要性を自然と学んだ」という声が寄せられています。

ぶどう園での農作業の様子

ワークショップで議論する参加者

インクルーシブな働き方を実践するICA資格取得実地研修

2025年2月には、ケアフィットファームを舞台に2日間のICA資格取得実地研修が行われました。1日目はファームでの農作業を通じて自己を見つめ直し、2日目には障害のあるインストラクターとの協働作業(IC体験)を通じてインクルーシブなコミュニケーションを実践しました。この体験と振り返りを繰り返すことで、参加者一人ひとりがインクルーシブな働き方の本質を深く理解しました。

ぶどう畑で剪定作業をする人々

ワークショップで意見を出し合う参加者

今後の展望

日本ケアフィット共育機構は、これまでトライアルとして年数回実施してきたこのプログラムを、来年度より月1回以上の定期開催へと拡大する予定です。今後もプログラムを通じてインクルーシブな組織づくりを広めながら、山梨県甲州市の関係人口創出と地域創生に貢献していくことが期待されます。

日本ケアフィット共育機構について

日本ケアフィット共育機構は、1999年11月の設立以来、共生社会の実現に向けて「サービス介助士」の認定を行ってきました。交通、金融、流通など幅広い業界で資格が導入されており、現在21万人がこの資格を取得しています。

2024年からは、多様なチームのコミュニケーションや組織づくりを実践的に学ぶ「インクルーシブ・コミュニケーター」資格と、組織のDE&I推進状況を可視化する「IX診断」の提供も開始しています。

詳細については、以下のリンクをご覧ください。


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findgood

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
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