「介護テック研究発表エリア」開設の背景

「介護テックは、実際に触れて・体験して・気づくことでこそ前に進む」という考えに基づき、2025年の開催で好評を博した「介護テック研究発表エリア」が、2026年の大阪展でも継続して開設されます。若手の開発者や研究者を支援するため、出展料は無料で提供されており、資金が限られた研究機関や大学でも試作品を展示し、未来の介護テクノロジーを担う人材を育成する機会となっています。

本エリアでは、神戸市公立大学法人 神戸市立工業高等専門学校による研究成果が発表・展示され、産学連携や現場導入の可能性を広げる場となるでしょう。

注目の研究成果(一部抜粋)

会場では、来場者が研究成果を「実際に手に取って触れて、体験できる」ことが大きな魅力です。研究者と直接意見交換も可能で、技術の実装イメージを深くつかむことができます。

簡易脳波計を用いたBCI

簡易脳波計OpenBCIを用いたBrain-Computer Interface(BCI)技術が紹介されます。運動想起時に生じる脳波信号を取得し、信号処理と特徴抽出により運動意図を推定。機能的電気刺激(FES)装置の制御だけでなく、日常生活における機器操作や意思伝達を支援する生活支援型BCIへの応用も視野に入れています。

スマートグラスを用いた歩行支援システム

パーキンソン病の方の歩行や立ち上がり動作を支援するデバイスが展示されます。歩行時のつまずきや動き出しにくさといった課題に対し、スマートグラスを用いて利用者の視野内に動作の手がかりとなる情報を提示し、日常動作を自然に支援する仕組みが検討されています。実際の利用体験を通じて、生活の質向上につながる支援技術を目指しています。

DIVAに対する穿刺前補助的ケア用具

困難な静脈確保(DIVA)に対する穿刺前の補助的ケアとして、看護学の視点から開発されたセルフケアツールが紹介されます。約45℃の温熱効果と手で握る動作により、末梢血管の血流促進と筋ポンプ作用を促し、血管の視認・触知しやすい状態づくりに寄与します。また、患者の不安や緊張を和らげ、安心感を高めることで、穿刺への協力度を引き出す効果も期待されます。非侵襲的であるため、高齢者や慢性疾患患者、虚弱な患者にも安全に使用可能です。

車椅子の補助ツール

一般的に使用されている車椅子でも、より乗り心地が良くなるような補助ツールが製作されました。車椅子で少しの段差に躓いて前のめりになることを予防するため、膝の部分を少しだけ上げることで、背中の方に重心が移り、安心して車椅子に乗れるようになります。

イベント概要

介護・福祉・健康増進向け製品・サービスが集結し、実際に見て体験ができる展示会です。

  • 名称: 第12回 介護・福祉EXPO 大阪(メディカルジャパン大阪 内)
  • 会期: 2026年3月10日(火)~12日(木)10時~17時
  • 会場: インテックス大阪
  • 主催: RX Japan合同会社
  • 公式WEBページ:

この機会に、未来の介護を支える画期的な技術に触れ、研究者の方々と直接交流してみてはいかがでしょうか。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77