障がい者アートが輝く「くるめる」と「アートアロハシャツ」がソーシャルプロダクツ・アワード2026でW受賞

社会福祉法人征峯会(本部:茨城県筑西市)が開発した焼菓子「くるめる」と、障がい者アートを活用した「アートアロハシャツ」が、持続可能な社会に貢献する商品・サービスを表彰する「ソーシャルプロダクツ・アワード2026(SPA2026)」において、このたびW受賞を果たしました。障がいのある方の「働く」と「表現」を繋ぎ、社会に新しい価値を生み出す「福祉×クリエイティブ」の取り組みが、商品性、社会性ともに高く評価された形です。

ソーシャルプロダクツ・アワードとは

ソーシャルプロダクツ・アワードは、社会性と商品性の両立を評価する日本初の表彰制度として、2012年に創設されました。持続可能な社会の実現に貢献する商品・サービスを表彰するもので、今回のSPA2026で第13回目を迎えました。征峯会のW受賞は、同法人が推進する「福祉×クリエイティブ」による価値創造が、社会的意義と商品力の双方において評価された結果と言えるでしょう。

優秀賞受賞:焼菓子「くるめる」

「くるめる」誕生の背景と受賞理由

征峯会では、「支援のための商品」ではなく、「本当に欲しくなる商品」を追求することで、障がいのある方の工賃向上に繋げる取り組みを進めてきました。「くるめる」は、無添加のくるみと自家製キャラメルを合わせた濃厚な甘みを、香ばしいバター生地で挟んだ焼菓子です。素材と製法にこだわり、贈答用としても選ばれる高品質を目指して開発されました。

パッケージには生活介護利用者様のアート作品が採用され、商品に個性と温かみを加えています。商品名には「地域をやさしく包み込む」という願いが込められています。

審査では、応援の気持ちに依存せず、商品そのものの魅力で支持を集めるプロダクト・デザインとブランド力が高く評価されました。サイトやリーフレット、パッケージを通じて「おしゃれ」「美味しそう」と直感的に伝わり、ギフト用途を含めた具体的な利用シーンが想像しやすい点が特筆されています。支援を前面に出すのではなく、味や見た目の魅力によって「本当に買いたくなる焼菓子」として成立しており、味・見た目・パッケージの品質が高く保たれていることも評価の対象となりました。

衛生的な服装の料理人が、マスクと手袋を着用し、厨房で大きな鍋に入った料理をかき混ぜています。
黒い背景に白地の紙袋が3つ並んでいます。

また、障がいのある人の「働く」と「表現」を一つの商品に結びつけ、工賃向上という具体的な成果を示している点は、社会的インパクトの明確さという観点から高く評価されています。就労継続支援B型および生活介護の双方の利用者様が関わる仕組みも分かりやすく、共生社会のモデルを生活者に伝えている点も特筆すべきです。工賃向上と高品質な商品づくりを両立し、福祉商品のイメージを刷新する取り組みとして評価されました。

「くるめる」の意義と社会課題への挑戦

「くるめる」は、就労継続支援B型の利用者様が製造を担い、生活介護利用者様のアートをパッケージに採用することで、障がいのある方の「働く」と「表現」を一体化させています。これにより、工賃向上と創作活動の社会的評価を同時に実現しています。

広報デザインスタッフが福祉デザイナーと連携し、従来の福祉商品のイメージを刷新。贈答にも選ばれる洗練された商品として展開することで、福祉の現場が地域と共に新しい価値を創出し、社会課題の解決と地域経済の活性化を両立するモデルとして注目を集めています。「くるめる」は、「支援から共創へ」を体現する福祉の新しいかたちと言えるでしょう。

今回の受賞の背景には、依然として低い水準にある就労継続支援B型の平均工賃という社会課題があります。征峯会は、洗練されたビジュアル表現と圧倒的な商品力で「福祉商品のイメージ」を刷新。価値ある商品を適正な価格で届けることで、利用者様の工賃向上と人生の質の改善に直結させています。自分の作品が商品となり、社会に羽ばたく姿は、利用者様自身の誇りと、ご家族の喜びにも繋がっていることでしょう。

ソーシャルプロダクツ賞受賞:オリジナルウェルフェアアートアロハシャツ

「アロハシャツ」誕生の背景と受賞理由

征峯会では「施設らしくない施設」をコンセプトに、スタッフがアロハシャツをユニフォームとして着用する文化があります。以前から「利用者様のアートでアロハシャツをつくりたい」という思いがあり、地元企業であるアダストリアグループとの連携によってプロジェクトが実現しました。

完成したアロハシャツには、20名の障がいのある作家のアート作品が使用されています。現在、約400名のスタッフが日常的に着用しており、「そのシャツ素敵ですね」と声をかけられることも多く、障がい者アートを知るきっかけとなっています。利用者様にとっては、自分の作品が社会に広がる喜びとなり、保護者にとっても誇りとなる取り組みです。

審査コメントでは、福祉施設のスタッフユニフォームとして導入されたアロハシャツが、日々の活動を通じて施設の想いを自然に伝え、販路拡大の可能性も秘めている点が評価されました。征峯会とアダストリアの連携は、地域密着型福祉とファッションの融合という刺激的な挑戦であり、福祉施設のモデルケースとして注目に値すると述べられています。

デザインは地味になりがちな福祉プロジェクトの中でも魅力があり、関わる人々の行動変容が見えるプロダクトであると評価されています。実現に至った背景や思い、そして今後の広がりも期待できるストーリー性の高さ、福祉施設が主体的に取り組む経営努力の成果として、地域社会における新たなモデルケースとして今後の展開に期待が寄せられています。

誰もが自分らしく輝ける社会の実現へ

「支援」から「共創」へ。征峯会は、アートやものづくりを通して、障がいのある方の可能性を信じ、共に生きる社会をデザインしています。今回のW受賞を機に、さらに多くの人へこのストーリーを届け、誰もが自分らしく輝ける日常を広げていくことでしょう。

征峯会では、利用者様一人ひとりが持つ感性や表現が社会とつながることで、新しい価値が生まれると考えています。自分の描いた絵が商品になり、誰かの笑顔を生み出したり、社会の役に立っていると実感できる経験は、利用者様にとって大きな自信となり、笑顔を生み出します。

征峯会の理念は「最高の笑顔をあなたに」。障がいがあっても、高齢になっても、一人ひとりが自分らしく輝ける社会を目指して、これからも活動が続けられていくことでしょう。

法人概要

しらとりウェルフェアグループ
社会福祉法人征峯会
所在地:〒308-0067 茨城県筑西市上平塚590-1
公式サイト:https://seihoukai-group.jp/

茨城県筑西市上平塚地区を拠点に、障がい・高齢・児童・相談といった多領域にわたる福祉サービスを展開し、地域住民の多様なニーズに応えています。法人理念「最高の笑顔をあなたに」のもと、利用者様の自己実現と地域共生社会の実現を目指しています。

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findgood

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77