Last Updated on 2025年12月25日 by 菅間 大樹
厚生労働省の後援決定とコンテストの意義
「ケアテック・イノベーション・コンテスト2025」は、厚生労働省の後援のもと実施されます。これにより、行政、研究、現場、企業、市民が連携し、「ケア」を社会全体で考え、次なる一歩へと繋げる重要な機会となることが期待されます。


しのはら財団は、「労働生産性の向上とWell-beingの最大化」をミッションに掲げ、テクノロジーを人々の生活や尊厳を支える手段として社会に実装することを目指しています。このコンテストは、日常の困りごとを起点に、解決策を考え、形にし、社会に発信する挑戦の場となります。
「ケア」を多角的に捉え、誰もが参加できるコンテスト
本コンテストは、高齢者介護に限定せず、障害、学習支援、ヤングケアラー、メンタルヘルス、就労とケアの両立など、誰もが人生のどこかで「ケアする側」「ケアされる側」になる時代における多様な「ケア」を対象としています。小学生から研究者、スタートアップまで、年齢や専門分野を問わず、誰もが参加できるオープンなイノベーション・コンテストです。
応募部門
- アイデア部門: 構想段階のアイデアを3分以内の動画で募集。小・中学生から参加可能です。
- プロトタイプ部門: 試作品、PoC、研究成果などを5分以内の動画で募集。社会実装を見据えた提案が評価されます。
助成金(上限)
- プロトタイプ部門
- 大学生・一般:最大2,000万円
- 高校生:最大100万円
- 小・中学生:最大80万円
- アイデア部門
- 大学生・一般:最大100万円
- 高校生:最大10万円
- 小・中学生:最大5万円
助成金は、研究・開発・検証などに使用可能です。知的財産権は原則として応募者に帰属します。
第一線の専門家が審査
本コンテストの審査は、「ケアされる人」「ケアする人」双方の未来をどう変えうるかという視点のもと、アカデミア、ベンチャーキャピタル、ケアの現場・事業に携わってきた第一線の専門家6名によって行われます。
【ケアの“現場と生活”に向き合ってきた実践者】
- 大久保 亮氏(株式会社Rehab for JAPAN 代表取締役社長CEO):作業療法士として現場に従事後、起業。テクノロジーの現場定着に取り組んでいます。

- 太原 有理氏(株式会社ケアリッツ・アンド・パートナーズ 取締役):薬剤師としての専門性に加え、コンサルティングファームでの経験を経て、訪問介護事業の経営に携わっています。

- 宮本 隆史氏(株式会社善光総合研究所 代表取締役社長):介護現場とマネジメント双方の経験から、人材育成やテクノロジー導入を通じてケアの質と持続性向上に取り組んでいます。

【アカデミア:ケアを問いに変えてきた研究者】
- 狩野 光伸氏(岡山大学 副理事/教授):医療・健康分野において、文理融合の視点から研究と社会実装を牽引。ケアに関わる課題を多角的に捉えています。

- 真嶋 由貴恵氏(大阪公立大学 教授/前副学長):看護学と情報学を横断する研究を行い、現場の課題意識を起点とした学際的な研究活動を続けています。

【VC・事業化:ケアを社会に“通す”視点】
- 深津 幸紀氏(株式会社ファストトラック イニシアティブ):ヘルスケア・ライフサイエンス領域を専門とするベンチャーキャピタリスト。医療専門職としてのバックグラウンドに加え、弁護士としての知見を活かし、研究や技術の社会実装に携わっています。

しのはら財団副理事長 古市克典氏からは、「テクノロジーの力があれば、かつて『仕方ない』と諦めていた課題を解決し、人々のWell-beingを最大化できると確信しています。私たちが待つのは、現場に深く定着し、ケアする人とされる人、双方を真に笑顔にする『生きたイノベーション』です。あなたの情熱と技術で、日本のケアの常識を覆し、未来に新たな希望を灯す応募をお待ちしています。」と、参加者への熱いメッセージが寄せられています。
今後のスケジュールと応募情報
- 応募締切: 2026年1月16日(金)23:59
- 一次審査結果通知: 2026年2月中旬
- 最終審査・表彰式: 2026年3月22日(日)(京王プラザホテル/東京都新宿区)
詳細は公式サイトをご覧ください。
- 公式サイト: https://ysmf-caretech.jp/
- 応募受付: https://www.service.graain.net/
- 関連記事:日経電子版: https://ps.nikkei.com/ysmf2511/

