一万年の平和が育んだ精神性を現代福祉へ
「まだん」では、約20名のメンバーが土偶制作を通じて自信を取り戻し、社会との接点を見つけるための活動を行っています。合同会社cordmarkの代表である田村健氏は、作業療法士、公認心理師、そして陶芸家としての経験を持ち、障がい者支援の道を歩んできました。2018年に前身となる就労継続支援事業所「いるば28」を立ち上げ、2025年7月には現在の「まだん」として新たに事業所を開設しています。
この事業の核となっているのは、2021年7月に世界遺産登録された北海道・北東北の縄文遺跡群が示す「弱い立場の人も慈しみ、多様な人々が共に生きた社会」という縄文時代の精神です。一万年以上続いたこの時代の知恵を現代に活かし、効率やスピードが重視される現代社会で生きづらさを感じる人々が、自分らしい生き方を取り戻せる場を提供しています。
土に向き合う時間が心を整える仕組み
事業所のメンバーの多くは、統合失調症などの精神疾患による幻聴や妄想に悩まされてきました。しかし、土偶制作に没頭する時間は、心理的な変化をもたらすことが明らかになっています。マインドフルネスの効果により「今、ここ」に集中することで、つらい悩みや不安から一時的に離れ、脳を休ませることができると考えられています。手を動かして形を作ることで気持ちが整理され、落ち着きを取り戻すという心理メカニズムが働いているとのことです。

実際にメンバーからは「自分自身が生き生きしている」「幻聴がほとんど聞こえなくなった」といった声が上がっており、作業が進む喜びや完成による達成感が自信につながり、社会から必要とされる喜びを育んでいます。制作された土偶は百貨店やギャラリーでの販売を通じて、地域や社会との新たな接点を創出し、メンバーが「文化の担い手」として活躍する機会を広げています。


今回の資金調達では、制作環境の整備、地域との縄文ワークショップ開催、全国販売会への出展費用などに充てられる予定です。主な用途として、設備費、人件費、広報宣伝費、リターン仕入れ費、出張販売費が挙げられています。目標金額を超過した場合は、プロジェクトの運営費に充当されます。
プロジェクト概要と未来への展望
クラウドファンディングは2月8日に始まり、4月15日まで実施されます。リターンは1,000円から50,000円までの複数の選択肢があり、土偶グッズ、土偶づくりワークショップ、野焼き体験、受注制作土偶、国宝土偶セットなどが提供されます。特に土偶づくりワークショップはペア参加が基本となっており、メンバーとの交流を通じて縄文文化を直接体験できる企画となっています。

このプロジェクトには、阿部千春氏(一財道南歴史文化振興財団アドバイザー)や小玉俊宏氏(特定非営利法人北海道遺産協議会会長)、戎谷侑男氏(北海道中央バス株式会社観光事業推進副本部長)など、地域の有識者からも応援コメントが寄せられています。彼らは、縄文時代のインクルーシブな思想と、障がいのある方々の居場所・出番づくりを組み合わせた本事業の意義を高く評価しています。
北海道が誇る世界遺産を、単なる過去の遺産としてだけでなく、現代を生きる人々の生きがいへと結びつけるこの試みは、共生社会の実現に向けた新たなモデルとなる可能性を秘めています。障がいの有無に関わらず、誰もが「表現者」として未来とつながる社会を目指す「まだん」の挑戦への支援が呼びかけられています。
クラウドファンディングの詳細はこちらで確認できます。
CAMPFIREプロジェクトページ
合同会社cordmarkについて
- 代表者:田村健(作業療法士、公認心理師、陶芸家)
- 所在地:北海道札幌市中央区北一条東8丁目119-1 湯谷ビル2階5号室
- 事業内容:就労支援事業所「まだん」の運営。精神疾患や発達障害を抱える方々が、縄文文化に基づいた土偶制作を通じて社会参加する環境を整備。制作物の販売およびワークショップ開催。
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