電車内で忘れられた傘が、思いもよらない形で新たな命を吹き込まれています。西日本鉄道株式会社(西鉄)と合同会社ボタンが手を組み、環境保護と障がい者の就労支援を同時に実現するプロジェクトを立ち上げました。
忘れ物傘をエコバッグなどにリメイクして販売
西日本鉄道では、電車内で発生する大量の「忘れ物傘」の有効活用に取り組んでいます。年間約19,000本もの傘が天神大牟田線と貝塚線で忘れ物として集まり、そのうち75%は持ち主に戻ることなく廃棄されているのが現状です。そこで西鉄は、合同会社ボタンとタッグを組み、忘れ物傘をリメイクして新たな製品として蘇らせるプロジェクトを始動しました。このプロジェクトは、環境負荷の低減と障がい者の就労支援を目的としています。
具体的には、西鉄福岡(天神)駅~春日原駅間で拾得された傘の中から、西鉄の所有物となった傘をボタン社に提供。ボタン社では、その傘地部分を活用してエコバッグなどを制作します。傘の引き渡しやリメイク品の制作は2023年7月から開始されており、9月末までに廃棄予定だった傘の約3割が生まれ変わります。
完成したリメイク品は、ボタン社が運営する「ニュースタイルラボ」やリメイクブランド「Nu」の公式サイトで販売される予定です。また、10月20日に西鉄筑紫車両基地で開催される「にしてつ電車まつり」でも販売されることが決定しています。
電車のお忘れ物(傘)を活用したリメイク品制作の概要について
【回収期間】2024年7月1日(月)~
【内容】持ち主が見つからず、法的に保管期間が過ぎた忘れ物の傘をボタン社へ提供し、エコバッグなどにリメイクし、販売するもの
※遺失物法により、お忘れ物は警察に提出後3ヶ月間保管されますが、当社のような「特例施設占有者」は警察に提出せずに自社で保管することができ、傘などの大量・安価な物品は警察へ届出をした翌日から2週間以内に落とし主が見つからない場合、売却・廃棄などの処分ができると規定されています。(遺失物法第20条2項、第21条)
【運用方法】
【 回収・制作 】
合同会社ボタン
【使用本数】
7月 | 8月 | 9月 | 合計 | |
リメイク品に使用する本数 | 249本 | 415本 | 96本 | 760本 |
【制作個数】
エコバッグ:88点
アームカバー:3点
ティッシュケース:8点
ランチバッグ:3点
計102点(2024年10月15日時点)
【制作イメージ】
<その他製作品>
【販売場所】
・「ニュースタイルラボ」店頭
・リメイクブランド「Nu(ヌウ)」の公式サイト(https://nu-remake.com/)
・「にしてつ電車まつり」 販売ブース
【販売価格】※全て税込
エコバッグ:1,100円~1,650円
アームカバー:550円~770円
ティッシュケース:330円
ランチバッグ:1,210円~1,650円
合同会社ボタンについて
【事業形態】就労継続支援A型事業所(https://button.town)
【設立】2022年11月
【所在地】福岡市中央区薬院4-18-26サンビューハイツ浄水 204
【代表者】坂田 知裕
【事業内容】衣類のリフォーム(お直し)、クリーニングサービス
(参考)リメイクブランド「Nu(ヌウ)」について
【概要】株式会社トゥトゥモロウ(本社:福岡市)が運営するリメイク品販売専用サイト
【公式サイト】https://nu-remake.com
(参考)にしてつ電車まつりについて
【日時】2024年10月20日(日)10:00~16:00 (最終入場 15:30)
【場所】西鉄天神大牟田線 筑紫車両基地 (筑紫野市大字下見673-3)
【実施内容】
10月14日の「電車の日」にちなみ、車掌体験、運転シミュレーター体験、車両洗浄乗車体験など西鉄電車の仕事を体験に触れることができるほか、西鉄電車開業100年記念公演やTHE RAIL KITCHEN CHIKUGOの車内見学や沿線各自治体イチ押しの飲食店が集まるフードブースなどを展開します。