【内容情報】(出版社より)
今や「うつ病」は、すり減った貨幣のごとく、ありきたりのものとして世に流通し、それが医療の現場に還流され、臨床概念を侵食している――軽症化と操作的診断により、安易な了解を拒む「病」を語る臨床知は散逸し、患者の中に鬱滞した苦悩は「罪悪感」から「空虚感」へとさまよい出ている。気分障害をめぐる精神医学の静かな危機のなかで、主体の成立に刻印された空虚を追跡し、その核心を再度豊かな言葉で描き出す精神病理学論集。
- 発売日 : 2020/12/1
- 単行本 : 372ページ
- ISBN-10 : 4772417893
- ISBN-13 : 978-4772417891
- 出版社 : 金剛出版
- 言語 : 日本語