【内容情報】(出版社より)
●向精神薬の処方を見るとドキドキしてしまう人へ
●向精神薬の標的症状、よくある適応外使用の解説も充実。だから処方意図がわかる
●”小説風ケーススタディ”で、どう聞くか、どう伝えるかがみえる
向精神薬の処方意図、患者さんへの対応、副作用の評価など、精神科にまつわるお困りごとを経験したことありませんか? 本書は、知っているようで意外に知らない精神科の疾患や症状、適応外使用などをわかりやすく解説。よくあるケースを小説風に描いた「ものがたり編」では、患者との接し方や副作用への対処法など、明日からの服薬指導に活かせる内容がリアルに描かれています。本書を読めば、精神科はもっと面白くなります!
はじめに(抜粋)
精神科は治療がよくわからないうえに、同じ病名の患者さんであってもその薬物療法は患者さんごとに異なる、という点が難しいといわれるゆえんではないかと思います。しかし、現象には必ず理由があります。一見理解しがたく思える精神症状であっても、その症状が出現するには理由があります。そのうえで処方が組み立てられています。そのことがわかると、精神科という診療科がもつ深さや医師の処方意図がはっきりとみえ、患者さんに自信をもって対応できるようになります。
実際に、精神疾患の方と関わってみると”なんとなく生きづらい”感じをもっておられるように感じます。患者さんは日常生活、就労、結婚や出産など、病気や薬との付き合い方を日々悩んでいることでしょう。それならば医療従事者が! そして薬のプロである薬剤師が! いつでも気兼ねなく、なんでも相談できる相手になることができれば、患者さんの心の負担も軽くなると思います。
本書は、精神科薬物療法の入門から、もう少し深く知りたいと思っている薬剤師を対象としていますが、薬剤師以外の方でも精神科薬物療法に興味がある方なら、十分楽しんで読んでいただけるものと思います。本書によって精神科が「とっつきにくい」「難しい」から、「関わってみよう」「ちょっとおもしろいかも」へと変化するお手伝いになれば嬉しく思います。
中村 友喜 別所 千枝
- 発売日 : 2021/6/3
- 単行本 : 440ページ
- 出版社 : じほう