【内容情報】(出版社より)
ドイツの集団編成の原理である「グループ授業」を参照しながら、特別なニーズのある子どもが集団のなかで学ぶ力を形成できるようにするための授業づくりについて検討する。
【目次】
序 章 研究の目的と意義
1 研究の背景と課題の設定
2 先行研究の整理と本研究の意義
3 本書の構成
第1章 戦後教育におけるグループ学習への着目――グループの形態で学ぶ意味
第1節 グループ学習論の歴史的展開――民主主義を学ぶグループ
第2節 グループ授業の理論と実践――E・マイヤーを中心に
第3節 授業形態におけるグループ授業の位置――一斉授業とグループ授業の関係
第2章 グループ授業から協同学習へ――グループに求められる機能
第1節 ドイツ統一期のグループ授業の再評価――グループ授業の指導の方法
第2節 グループの形態から学び合う意義へ
第3節 協同学習における教師の役割
第3章 インテグレーション教育からインクルーシブ教育への転換におけるグループ――異質な学習グループの組織化
第1節 インテグレーション教育の教授学的検討――異質な学習グループでの学習
第2節 インテグレーション教育からインクルーシブ教育へ――フォイザーを中心に
第3節 インクルーシブ教授学における個別と共同――共に学ぶ意義
第4章 インクルーシブ教育への転換期に見られる授業における集団の指導の論点
第1節 ドイツのインクルーシブ教育時代の授業における集団の指導に関する原理的な視点
第2節 日本におけるインクルーシブ教育の広がりと通常学級の授業改革
第3節 日本の授業における集団の指導の論点
第5章 授業論における個と集団の関係
第1節 わかりやすい授業の誤解――参加の視点からの問い直し
第2節 特別な教育的ニーズのある子どもから見た通常学級における一斉授業の再評価と小集団成立の条件
第3節 特別な教育的ニーズのある子どもから見た学習形態の交互転換
第6章 学級論における学級づくりと授業づくりの関係
第1節 特別な教育的ニーズのある子どもから見た学級づくりの視点と課題
第2節 特別な教育的ニーズのある子どもを支える授業参加の方法――「わからない」子どもを中心にして
第3節 特別な教育的ニーズのある子どもを支える集団のあり方――集団の関係性を手がかりにして
第7章 学校論における授業研究の展開
第1節 教師の専門性を高める授業展開のタクトと教師集団での省察
第2節 校内授業研究と学校づくり――特別な教育的ニーズのある子どもから見た校内授業研究
第3節 ホール・スクール・アプローチから見たインクルーシブな学校づくり
終 章 研究の成果と課題
1 研究の成果
2 残された課題
[著者紹介]※初版刊行時のものです
吉田茂孝(よしだ・しげたか)
大阪教育大学教育学部准教授
広島大学大学院教育学研究科教育人間科学専攻博士課程後期単位修得退学、高松短期大学・高松大学講師、福岡教育大学准教授を経て、現在に至る。
学位:博士(教育学)
専門:教育方法学、特別ニーズ教育
[主な著書・論文]
『子どもとつくる教育方法の展開』(共著、ミネルヴァ書房、2021年)
Pedagogy of Cooperative and Inclusive Learning in Japan(共著、Keisuisha、2021年)
『PISA後のドイツにおける学力向上政策と教育方法改革』(共著、八千代出版、2019年)
『アクティブ・ラーニング時代の実践をひらく「障害児の教授学」』(共編著、福村出版、2019年)
『よくわかるインクルーシブ教育』(共編著、ミネルヴァ書房、2019年)
『学習集団づくりが描く「学びの地図」』(共著、溪水社、2018年)
「ドイツにおけるインクルーシブ教授学の展開」(大阪教育大学大学院学校教育専攻教育学コース編『教育学研究論集』第12巻、2015年)など
- 出版社 : 福村出版
- 発売日 : 2023/3/3
- 単行本 : 276ページ