【内容情報】(出版社より)
〈私〉を生きるという視点から見えるものは
本書で〈私〉とは、自らの持てる可能性を最大限に発揮して生き、
主体的に他者と深く関わり合いながら、認識を新たにしていき、
常に変化に開かれた主体と考えられている。
〈私〉を生きるとはどのようなありかたなのか、
またそのプロセスを心理臨床家はいかに支えられるのか。
〈私〉と近縁の心理学的概念との比較といった理論的検討に加え、
水平性をめぐる動き、垂直性をめぐる動きという観点から
事例場面の検討をおこない考察する。
【目次】
はじめに
第1部 〈私〉をめぐる理論
第1章 問題提起と本書の構成
1. 心理臨床学における「私」という言葉
2. 本書における〈私〉
3. 本書の目的と方法
第2章 〈私〉に関する心理学的概念からの検討
1. 〈私〉と近縁の心理学的概念との比較
2. 〈私〉独自の特徴
3. 否定性という視点
第3章 「水平性をめぐる動き」「垂直性をめぐる動き」からみた〈私〉
1. 「水平性をめぐる動き」「垂直性をめぐる動き」という観点
2. 「水平性をめぐる動き」「垂直性をめぐる動き」からみた主体の歴史的変遷
3. 本章のまとめ――歴史的な文脈からみた〈私〉を生きるという視点の意味
第2部 〈私〉が生成する心理療法の実際
第4章 自閉症スペクトラム障害の子どもの〈私〉
1. 自閉症スペクトラム障害の子どもにおける〈私〉を生きるという視点
2. 事例場面から
3. 本章のまとめ
第5章 神経症の〈私〉
1. 神経症における〈私〉を生きるという視点
2. 事例場面から
3. 本章のまとめ
第6章 母親面接の〈私〉
1. 母親面接における〈私〉を生きるという視点
2. 母親面接におけるセラピストの役割
3. 事例場面から
4. 本章のまとめ
第3部 〈私〉が生成する心理療法とは
第7章 〈私〉を生きるプロセスを支えるセラピストの姿勢
1. 基本的な姿勢
2. 〈私〉の生成のための関わりの工夫
3. セラピストの関わりに潜む操作性
4. セラピストが〈私〉を生きること
第8章 総合考察
1. 〈私〉とは何か
2. 〈私〉を生きるプロセスにおける否定性の意味
3. 「水平性をめぐる動き」「垂直性をめぐる動き」という観点の意味
4. 〈私〉を生きるという視点の意味
5. 今後の展望と課題
おわりに
文献
索引
あとがき
初出一覧
- 出版社 : 創元社
- 発売日 : 2023/3/15
- 単行本 : 248ページ