【内容情報】(出版社より)
実際に見たとおりの対象者の様子から認知を捉える、高次脳機能障害における画期的な評価ツール!
認知関連行動アセスメント(Cognitive-related Behavioral Assessment:CBA)とは、「意識」「感情」「注意」「記憶」「判断」「病識」の6項目を、「良好」「軽度」「中等度」「重度」「最重度」の重症度5段階で評価することができる、本邦初の高次脳機能障害の評価法です。
●評価場面を設定しなくても、食事や整容、更衣など日常生活のどの場面でも評価が可能!
●これまで問題となることの多かった職種の壁を超えた共通言語での評価や援助が可能!
●合計点から高次脳機能障害(認知機能障害)の重症度がわかる!
●数値化することで障害を可視化し、継時的な評価や援助が可能!
リハビリテーション領域は、一つの専門職のみの介入で完結することはほとんどなく、患者さん利用者さんの置かれた立場から考えても、多職種による検討を繰り返し、連続的に進めていくことが求められる分野です。なかでも、高次脳機能障害を理解することはとても難しく、様々な専門職が評価を共有し対応していくことで、より理解が深まり、適切な援助へとつながっていきます。
CBAは、実際に見たとおりの対象者の様子を評価に落とし込むため、対象者の生き生きとした「その人らしさ」が窺い知れる情報共有が可能になります。また、他の検査法を妨げることなく並行して導入することができます。
患者さん利用者さんの認知について、「認知能力」という考え方のもと、その人を全人的に捉えることができるという点は臨床場面において画期的でしょう。高次脳機能障害(認知機能障害)を理解するための必携の一冊です。
【目次】 はじめに
執筆者一覧
1章 認知関連行動アセスメントとは
1-1 認知能力の理解
1-2 認知能力と認知機能
1-3 脳の成り立ち
1-4 全般症状のモデル①
1-5 全般症状のモデル②
1-6 個別症状の理解
1-7 認知関連行動アセスメント(CBA)
1-8 CBAの評価方法
1-9 検査とCBA
1-10 臨床とCBA
2章 CBAの評価項目とフローチャート
2-1 意識
2-2 感情
2-3 注意
2-4 記憶
2-5 判断
2-6 病識
3章 CBAと重症度
3-1 ADL
3-2 認知能力とADLの関係
3-3 重症度の基準
3-4 重症度群の特徴と目標
3-5 運動能力による違い
3-6 予後予測
4章 認知関連行動アセスメント&アプローチ
CBA重症度別対応
4-1 最重度群の特徴と援助方法
4-2 重度群の特徴と援助方法
4-3 中等度群の特徴と援助方法
4-4 軽度群の特徴と援助方法
4-5 良好群の特徴と援助方法
4-6 認知能力の回復過程における推移
5章 各職種とCBA
病院におけるCBA
5-1 各職種の理解と連携の在り方
5-2 多職種連携とCBA
5-3 病院でのCBAの使い方
看護師とCBA
5-4 看護師の役割と視点
5-5 看護師と会話
5-6 ADLとCBA
理学療法士とCBA
5-7 理学療法士の役割と視点
5-8 認知能力の捉え方と理学療法
5-9 認知能力に合わせたコミュニケーション
作業療法士とCBA
5-10 作業療法士の役割と視点
5-11 認知能力の捉え方と作業の決定
5-12 認知能力の重症度と作業療法場面
5-13 作業療法の流れとCBA
言語聴覚士とCBA
5-14 言語聴覚士の役割と視点
5-15 食事とCBA
5-16 コミュニケーションとCBA
5-17 失語症者のCBA評価
在宅におけるCBA
5-18 在宅での関わり方
5−19 在宅でのCBAの使い方
5-20 目標設定とCBA
5-21 意思決定支援とCBA
5-22 在宅での重症度別介入
6章 事例で学ぶCBA
6-1 事例の概説
6-2 事例1:病識低下に対して認知能力に応じた関わりで退院後の参加拡大につながった事例
6-3 事例2:日常生活の観察から他者交流を促す糸口をみつけ,生活拡大が図れた事例
6-4 事例3:重度失語を認めたが,独居に向けて退院支援を行った事例
6-5 事例4:全失語でリハ拒否があったが,CBA 評価にて介入の糸口がみえた事例
6-6 事例5:重度運動障害によって ADL 自立は困難だが,社会的な参加拡大を目指した事例
6-7 事例6:CBA を導入したことで,認知能力の状況に合わせた退院支援が行えた事例
6-8 事例7:CBAを軸にした認知能力の共通理解によって多職種連携が深まった事例
付録
表 PT・STによる観察評価の視点
表 OTによる観察評価の視点
表 在宅における観察評価の視点
おわりに
索引
- 出版社 : 三輪書店
- 発売日 : 2023/6/9
- 単行本(ソフトカバー) : 184ページ