【内容情報】(出版社より)
脳卒中を受症したら、どういう経過をたどり、どのように身体・生活は変わるのか。長いスパンで明らかにしておくことは、当事者、家族、作業療法士をはじめとするセラピストにとって重要な意味をもつ。
本書は、脳卒中の疫学と予防を解説し、脳卒中者とともにつくりあげてきた地域リハの歴史と実践が語られる。また、退院後、長期にわたる心身機能・活動&参加・環境・個人の変化と推移にも言及される。臨床経験のから得られた経験知、文献知、そして調査のなかから得られたエビデンスなどが理解できる。
臨床に関わるリハスタッフは、「身体は今後、よくなるのか」「どのような生き方ができるのか」など、脳卒中者からよく尋ねられる。それに対して、適切な受け答えができる内容が盛り込まれている。
脳卒中人生を生ききる勇者たちと作業療法
編集 澤 俊二
序文 澤 俊二 003
第1章 脳卒中の疫学と予防を考える
脳卒中の疫学と予防・再発予防―日本および世界の疫学研究を通して 有屋田健一/山岸良匡/山海知子 008
第2章 対象者中心の作業療法の実践
対象者中心の作業に焦点を当てた作業療法の展開―脳卒中発病後3 年間におけるかかわりからみえるもの 齋藤さわ子 022
第3章 脳卒中者リハビリテーションと地域リハビリテーション
1.脳卒中のリハビリテーションの変遷とこれからのあり方 伊佐地 隆 034
2.リハビリテーションの本質を教えてくれた脳卒中者の勇者たち 大田仁史 047
第4章 長期にわたる心身機能などの変化とリハビリテーション
1.脳卒中者の総合的追跡調査(茨城県)からみえてきたもの―在宅生活 脳卒中者の10 年 澤 俊二 060
2.脳卒中による身体機能障害の長期にわたる変化と推移およびリハビリテーションプログラム 野上雅史/浅尾章彦 070
3.脳卒中による失語症の人の長期にわたる変化とリハビリテーション 長谷川 幹 077
4.脳卒中における構音障害と摂食嚥下障害―病態とリハビリテーション,発症から予後を見据えて 石山寿子 085
5.脳卒中による高次脳機能障害の長期にわたる変化と推移および就労 栗原良子 095
6.脳卒中者の活動(ADLとAPDL)および参加(社会生活行為)の変化と作業療法内田正剛 107
第5章 脳卒中者と長くかかわる体験を通してみえてきたもの
1.支え,支えられて―かかわりの輪のなかで 稲川利光 120
2.作業療法士として,脳卒中を抱えた人々の人生から学ばせていただいたこと 山本伸一 129
3.脳梗塞発症後約15 年のかかわりから地域生活と看取りを考える 壹岐英正 135
4.認知機能不全と向き合い自分らしく生きようとする勇者たち 浅野有子 140
5.ST(言語聴覚士)を“捨てる”―ある失語症者の8 年目の決断 中西之信 147
6.自身の疾病体験を通して言えること 工藤 亮 153
第 6 章 当事者の声―脳卒中者人生を生きてきて
1.第二の人生を楽しむ 市川洋子 160
2.脳卒中後にみつけた生きがい 木村昭栄 163
一言Essay 石川さんと真のリハビリテーション・マインドを分かち合う 宇田 薫 165
次号予告 166
- 出版社 : 青海社
- 発売日 : 2023/6/15
- 雑誌 : 168ページ