【内容情報】(出版社より)

居場所・拠点・交流を生む
福祉施設の計画論と21の実践

福祉施設へのニーズは多様化し、地域包括ケアの視点から地域拠点としての在り方も模索されている。設計者・事業者の手腕が一層求められる中、本書は利用者・支援者・訪問者の交流を促す事例、地域に開放する事例、福祉以外のプログラムと融合を計る事例など、居場所・拠点・交流を促すための計画論を21の実例とともに示す。

【目次】
1章 ケア空間の計画
1-1 ケア空間の変遷
1-2 人口動態と制度から読むこれからの時代
1-3 各種基準
1-4 福祉施設の計画プロセス
1-5 生活視点の計画
1-6 ケア視点の計画理論
1-7 利用者の特性に合わせたケア環境の整備
1-8 ケア施設の地域展開
1-9 ケア環境の災害・感染症対策(BCP)

〈コラム〉時代を拓いたケア空間① テクノ仮設本格型みんなの家──福祉施設を地域と育む・地域住民との協働

2章 ケア空間を行動場面から考える
2-1 行動場面の読み方
2-2 食べる
2-3 静かに過ごす
2-4 交流する
2-5 にぎやかに過ごす
2-6 社会的役割を持つ・働く
2-7 地域に出る

〈コラム〉時代を拓いたケア空間② ぐるんとびー駒寄──団地内住戸を地域医療福祉拠点に

3章 ケア空間の設計事例
事例の読み方

3-1 住まいを開く
・リバービレッジ杉並──公園との繋がりを意図し、地域に開かれた総合福祉拠点
(健康設計+角倉剛建築設計事務所)
・アクラスタウン──街のにぎわいを敷地内に取り込んだ社会型有料老人ホーム
(大井幸次・町田寛之+大久手計画工房)
・わかたけの杜──高齢者が住み続けられる杜、地域包括ケアの拠点
(㈱ヨシダデザインワークショップ・健康設計・日本社会事業大学(企画監修))
・ほっこり家──多様な居場所とコミュニティを生みだす復興住宅
(大月敏雄(東京大学)+齋藤隆太郎(DOG・東北工業大学)+佐藤晴男(佐藤設計))

〈コラム〉時代を拓いたケア空間③ 宅老所──認知症高齢者の介護を変えた実践
〈コラム〉時代を拓いたケア空間④ 富山型デイサービス──共生ケアの原点

3-2 共同での暮らしを育む
・ケアホームはやぶさ──居室の独立性を高めた障がい者の自立生活支援の住処
(金城学院大学 加藤悠介研究室、atelier-fos 一級建築士事務所 青木一実・福井工業大学 藤田大輔研究室)
・レジデンスなさはらもとまち1番館・2番館──自閉症・強度行動障がいの人に落ち着いた生活を提供する
(㈱二井清治建築研究所)
・みずのき──集落のような暮らしの場へ
(竹原義二/無有建築工房)
・生駒学園──多様な居室構成で子どもの成長に対応する
(㈱二井清治建築研究所)
・マリア園──ほど良い距離感で気配を感じ出会える3つの拠点;自動園舎
(㈱二井清治建築研究所)

〈コラム〉時代を拓いたケア空間⑤ こもれびの家──認知症高齢者の暮らしを支えるグループホームの先駆例
〈コラム〉時代を拓いたケア空間⑥ やじろべえ──重度重複障がい者が地域の中で「普通」に暮らすグループホーム

3-3 地域のケア拠点になる
・ぺこぺこのはたけ──レストランと農園を中心に障がい者と地域住民がともに活動する拠点
(泉亭産業㈱)
・みんなのお家岐南──土間で緩やかに繋がれた高齢者と子どもの居場所
(大建met)
・笑和の里──ホームホスピスを中心とした地域の福祉拠点
(島村香子建築設計室)
・あたり前の暮らしサポートセンター──地域で暮らし続けることを支える中規模多機能的な福祉施設
(わくわくデザイン+ ケア・プロデュース RX 組)
・ゆいま~る厚沢部──まちの中心で地域に見守られて暮らす高齢者の住まい
(瀬戸健似・近藤創順/プラスニューオフィス)

〈コラム〉時代を拓いたケア空間⑦ 至誠学園──地域での自立を目指した社会的養護の取り組み
〈コラム〉時代を拓いたケア空間⑧ こどもの里──子どものニーズにその都度応えた複合支援拠点

3-4 異なる種別を掛け合わせる
・アンダンチ ─多世代交流複合施設─ ──地域コミュニティ形成を促す介護福祉施設の新しいかたち
(㈱TRANSIT)
・杉並たかいどいちご保育園・たかいどの里──お互いの距離を保ち気配を感じられる場
(藤木隆男建築研究所+井本佐保里)
・Open Village ノキシタ──震災後の新興地域で「つながり」を担う居場所
(積水ハウス㈱+㈱石森建築設計事務所)
・JOCA東北──地域に開かれた「ごちゃまぜ」の拠点施設
(㈱五井建築研究所)

〈コラム〉時代を拓いたケア空間➈ EPO──ソーシャルファームの取り組み

3-5 まちづくりから福祉を考える
・伝泊+まーぐん広場・赤木名──観光客も受け入れる集落住民のための温かな空間
(山下保博 x(アトリエ・天工人+奄美設計集団))
・ソーネおおぞね──子ども・高齢者・障がい者が集う地域交流拠点
(野田明宏/住まい・まちづくりデザインワークス)
・春日台センターセンター──土間で繋がる高齢者・障がい者・地域住民の住まう・学ぶ・集う場所
(t e c o)

〈コラム〉時代を拓いたケア空間⑩ 三草二木西圓寺──福祉施設が地域コミュニティの拠点になる

  • 出版社 ‏ : ‎学芸出版社
  • 発売日 ‏ : ‎2023/6/30
  • 単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎192ページ

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Written by

今井 靖之

findgood編集者、ライター。

大手電機メーカーで半導体電子部品のフィールドアプリケーションエンジニア、インターネットサービスプロバイダのプロモーションやマーケティングに従事。以後フリー。

身内に極めて珍しい指定難病者を抱える。

神奈川県川崎市在住。サブカルヲタク。「犬派?猫派?」と聞かれたらネコ派、猫同居中。