Last Updated on 2025年12月26日 by 菅間 大樹

スポーツの力で未来を育む:川崎フロンターレとサギヌマスイミングクラブがベトナムで国際交流・安全教育プログラムを実施

2025年12月19日から20日の2日間、ベトナム・ホーチミン市(旧ビンズン省)の児童養護施設において、Jリーグプロサッカークラブの川崎フロンターレとサギヌマスイミングクラブが共催で、国際交流・安全教育プログラムを実施しました。本プログラムは、スポーツ庁主幹の「Sport for Tomorrow(スポーツ・フォー・トゥモロー)」事業の助成を受けて行われました。

共通の理念と想いが国境を越える

この取り組みは、スポーツに触れる機会が限られている子どもたちに、サギヌマスイミングクラブが長年大切にしてきた「泳ぐ楽しさ」と「自らの命を守る力」を伝えるとともに、川崎フロンターレが推進するスポーツを通じた人材育成や国際交流の理念が合致し、実現しました。両団体は、日本国内で培ってきた指導力と社会貢献の経験を活かし、スポーツの持つ力で子どもたちの健全な成長と未来を支えたいという共通の想いを、国境を越えてベトナムの子どもたちに届けました。

プールイベント後の集合写真

サッカーイベント後の集合写真

笑顔と挑戦があふれたプログラム内容

プログラムでは、川崎フロンターレによるサッカー教室と、サギヌマスイミングクラブによる水泳・安全教育が実施されました。水泳教室では、水に慣れることから始まり、水中での安全な行動や呼吸法、万が一の際に落ち着いて対応するための基本動作が、実演を交えながら丁寧に指導されました。当初は緊張していた子どもたちも、時間が経つにつれて表情が和らぎ、挑戦を重ねるごとに自信を深めていく様子が見られました。この時間は、水を「楽しむ」ことと同時に、「正しく知り、正しく備える」ことの重要性を学ぶ貴重な機会となりました。

また、水辺で起こりうる事故とその防止方法についても伝えられ、「自分の命は自分で守る」という意識を育む安全教育が行われました。今回の体験が、子どもたちの日常生活における自身や周囲の仲間を守る行動につながることが期待されます。

プールでの指導(1)

プールでの指導(2)

未来へつなぐ継続的な取り組み

サギヌマスイミングクラブは、日本国内で培ってきた溺水防止活動の知見を活かし、今後も継続的に、姉妹校であるFuji Swimming Clubと共にベトナム国内における水の安全教育の普及に取り組んでいく予定です。今後は、溺水防止における着衣泳の第一人者である筑波大学名誉教授の椿本昇三先生と結んだ協定に基づき、より実践的で専門性の高い溺水防止教育を展開していくことが計画されています。

スポーツには、楽しさだけでなく、人を育て、命を守り、未来をつなぐ力があります。川崎フロンターレとサギヌマスイミングクラブは、今後もその力を信じ、国内外を問わず、子どもたちの健やかな成長と安全に貢献する活動を続けていくとしています。

現地養護施設での記念撮影

実施概要

  • 実施日:2025年12月19日~12月20日

  • 実施場所:ベトナム社会主義共和国 ホーチミン市(旧ビンズン省)

  • 主催:川崎フロンターレ/サギヌマスイミングクラブ(共催)

関連情報

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77