Last Updated on 2025年12月22日 by 菅間 大樹
SYNC25でのパーソルグループの活動
サミット会場では、パーソルグループのブースが出展され、DEI(Diversity, Equity & Inclusion)ポリシーや障害者雇用に関するデータ、これまでの取り組みが紹介されました。特に注目を集めたのは、特例子会社であるパーソルダイバースで製造されたオリジナルクッキー、シルク石鹸、シルクハンカチといった製品の展示です。これらの製品は、障害のある方々が作り出す価値を象徴していました。


CHRO大場氏が語る「人的資本経営におけるDEI」
サミット2日目には、パーソルホールディングス執行役員CHROの大場 竜佳氏がセッションに登壇し、パーソルグループが推進するDEIと障害者雇用への深いコミットメントについて語りました。

大場氏は、パーソルグループが「属性・価値観・能力」の3つの観点からDEIを推進し、一人ひとりの得意・不得意を理解し、受容し、最大限に活かすサイクルを重視していると説明しました。中期経営計画のマテリアリティ(重要課題)にも「多様な人材の活躍」を掲げ、障害者雇用を経営の重要テーマとして位置づけているとのことです。
障害者雇用の具体的な取り組みと成果
パーソルグループは、グループ全体で年間約5,850人もの雇用に貢献しています。特に精神障害者の活躍支援に力を入れており、年間300名を超える採用実績があり、退職率は約5%と低い水準を維持しています。さらに、管理職の3分の1が障害当事者であるというキャリアパスも確立されています。
このような成果の背景には、重層的なフォロー体制、障害当事者に特化したパルスサーベイによる体調・障壁の把握、業務の徹底標準化(マニュアル整備、業務フロー細分化、習熟度設計)といった、安心して力を発揮できる職場づくりがあります。また、勤続表彰や組織表彰を通じて「成果を称える文化」を根付かせ、自己効力感とやりがいを高めている点も特筆すべきでしょう。

未来を見据えた新たな挑戦
大場氏は、生成AIによる代替の影響を見据え、「AIに代替されにくい領域」での就業機会創出にも取り組んでいると述べました。具体的には、援農や企業養蚕といった分野で、世界遺産・富岡製糸場のある富岡市での養蚕事業では、富岡シルクの2割強をパーソルダイバースの取り組みで生産している(2024年度、パーソルダイバース調べ)と紹介されました。
今後は、個々のキャリア志向の多様化に対応し、既存のキャリアパスにとどまらない選択肢を用意してキャリアオーナーシップを支援していく方針です。生成AIを活用して業務効率を高めつつ、AIに代替されにくい仕事の設計を進め、生産性と包摂の両立を図ることで、「はたらいて、笑おう。」を実現できる社会を目指していくとのことです。

SYNC25開催概要
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イベント名: SYNC25 アカウンタビリティ・サミット
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開催日: 2025年12月3日(水)・4日(木) ※12月3日は国際障害者デー
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開催場所: フェアモント東京(BLUE FRONT SHIBAURA内)東京都港区芝浦1-1-1
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共催: Valuable 500、日本財団、日本経済新聞社
パーソルグループについて
パーソルグループは1973年の創業以来、人材派遣、人材紹介、アウトソーシングなど、人と組織に関わる多様な事業を展開しています。「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
https://www.persol-group.co.jp/

