Last Updated on 2025年12月26日 by 菅間 大樹
eスポーツが拓く多様な可能性
人材育成と地域経済への貢献
商学部の中島賢一教授は、eスポーツが単なる「ゲームの競技化」にとどまらず、経済・経営・観光・地域活性化・マーケティング・データ分析など、多様な周辺産業と結びつく成長分野であることを強調しました。福岡市が推進するeスポーツ政策とも合致しており、地域企業との連携や学生が参画するイベントを通じて、地元産業の発展に貢献するモデルを紹介しました。
「リアル×eスポーツ」で地域を元気に
スポーツ科学部の乾真寛教授からは、福岡大学スポーツ・健康まちづくりコンソーシアム（FUスポまち）が展開する「リアル×eスポーツ」の地域貢献モデルが紹介されました。この取り組みでは、公民館や病院、地域イベントでeスポーツ体験を提供し、高齢者向けのフレイル予防活動や世代間交流の機会を創出しています。eスポーツは年齢や身体条件に左右されず参加できるため、幅広い年齢層の方々が一緒に楽しむことができる温かい場を生み出しています。この取り組みは、スポーツ庁の「大学スポーツ資源を活用した地域振興モデル創出支援事業」にも採択されるなど、先進的なモデルとして注目されています。
世界を舞台に広がる交流と成長
理学部応用数学科2年次の吉田舜映さんは、FIFAe World Cup 2025モバイル部門の日本代表に選出された経験を語りました。吉田さんは、試合での大きなプレッシャーを乗り越えた経験が自身の成長につながったこと、そしてeスポーツを通じて国や文化の違いを超えた新しい友人との出会いが、オンライン・オフライン問わず交流の幅を広げる魅力であると述べました。
今回の発表を通じて、eスポーツが単なるゲーム競技ではなく、教育、研究、地域連携を結ぶ新しいスポーツ文化として、多様な人々が共に生きる社会に温かい変化をもたらす可能性を示しました。当日は報道関係者から積極的に質問が寄せられ、eスポーツに対する社会的な関心の高さがうかがえました。
