講演会の概要

この講演会は、岐阜県立大垣商業高等学校の2年生(簿記部員)を対象に行われました。大塚氏は、自身の経験に基づき、選択の本質、多様性理解、そして進路への向き合い方について語りました。

講演内容のポイント

1. 正解を探すより、「自分で決める」ことの大切さ

大塚氏は17歳で骨肉腫を発症し、33歳で感染症により足の切断という重大な選択を経験しました。その中で得た気づきとして、「人生には、誰も答えを持っていない選択がある」「後悔しても、自分で決めたと言える選択を」というメッセージを高校生に伝え、自分自身で決断することの重要性を強調しました。

2. 多様性は“知ること”から始まる

義足で生活を始めた際に最もつらかったのは「周りの視線」だったと大塚氏は語ります。「かわいそう」という言葉が生む偏見について解説し、講演では義足の体験ワークも実施されました。これにより、生徒たちは「知らないことが偏見を生む」という多様性教育の本質を体感しました。

講演中の大塚氏と生徒たち

3. 選択のあと、すぐに前向きになれなくてもいい

義足になった直後の不安や悔しさについても触れ、「人生は続いていく。少しずつでいい」と高校生に寄り添うメッセージが送られました。どんな選択をしても、人生は続き、間違えたと思ってもまた選び直せばいいという、温かい励ましとなりました。

高校生からの反響

講演後、生徒たちからは多くの前向きな感想が寄せられました。

  • 「選択することの考えがとても参考になった」
  • 「義足や障がいへの見方が変わった」
  • 「自分の気持ちを大切にしたいと思えた」
  • 「困っている人に“お手伝いしましょうか?”と言える人になりたい」
  • 「進路に悩んでいたが前向きになれた」

これらの声は、講演が進路への向き合い方や人生の選択に対するヒントとなり、生徒たちの心の変化を明確に示しています。

大塚一輝氏からのメッセージ

大塚氏は、高校生との時間は自身にとっても大切な学びの場であると述べています。「選択に正解はない」という言葉は、大塚氏自身が困難な選択を経験する中で問い続けてきた言葉であり、迷うことは弱さではなく「自分の人生を大切にしようとしている証拠」だと語ります。また、義足になってから「違い」を隠さず「知ってもらうこと」を選んだ経験から、知らないことが偏見を生み、知ることが理解につながるという信念のもと、今後も全国の学校で義足のリアルや選択の大切さを伝えていきたいと抱負を述べています。

笑顔で座る大塚氏

「義足の未来を変える会」の活動

大塚氏が代表を務める「義足の未来を変える会」は、岐阜県を拠点に以下の活動を行っています。

  • 講演活動・出前授業: 学校や教育機関で、義足のリアルな生活を伝える講演や体験型授業を通じて、共生社会への理解を育んでいます。
  • 情報発信(SNS・ブログ): 義足ユーザーの生活や子育て・転職などの体験を発信し、「義足でも人生を楽しめる」ことを伝えています。
  • 制度改善・社会啓発: 義足ユーザーの声を行政へ届け、制度や環境の改善を推進しています。2025年には県議会議員とともに厚労省へ提言を行いました。

関連情報

大塚氏の活動や日々の思いは、ブログ「義足パパの歩み」でご覧いただけます。

本件に関するお問い合わせ先

義足の未来を変える会(代表:大塚)
メールアドレス: boki630@yahoo.co.jp



Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77