医療的ケア児を取り巻く現状と和光市の取り組み

医療的ケア児とは、経管栄養やたんの吸引など、日常的に医療的ケアを必要とする子どもを指します。2021年には「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(医療的ケア児支援法)」が成立し、社会全体での支援が求められるようになりました。医療技術の進歩により、在宅で生活する医療的ケア児は増加し、2022年には推計2万人を超えていると厚生労働省は報告しています。

しかし、地域での受け入れ体制は依然として課題を抱えています。厚生労働省の調査では、市区町村が直面する主な課題として、「医療的ケアを実施できる看護師を確保できない」(70.6%)、「施設設備が対応していない」(62.6%)が挙げられています。

埼玉県和光市でも同様の課題が顕在化しており、2024年2月には「和光市医療的ケア児等支援協議会」が設置されるなど、支援体制の整備が進められています。

子供と大人が外で遊んでいる画像

和光市に誕生する「インクルーシブ型保育園」

どろんこ会グループの今回の再編は、和光市駅北口再開発に伴う既存施設「メリー★ポピンズ 和光ルーム」の移転を契機に、医療的ケア児の受け入れ拡充を進める和光市と連携して実現するものです。

移転後の新施設では、医療的ケア児の保育も行う「メリー★ポピンズ 和光ルーム」に加え、障害や発達に気がかりのある子どもを支援する児童発達支援事業所「(仮称)発達支援つむぎ 和光ルーム」を完全に併設する予定です。両施設を隔てる壁は設けず、一つ屋根の下で、すべての子どもと大人が混ざり合い、共に育つフル・インクルーシブ環境が実現されます。

新施設は、現住所からほど近い新築マンション(和光市新倉1丁目11-5 GRANDE杜)の1階に位置し、和光市駅から徒歩3分とアクセスも良好で、働く保護者も利用しやすい環境が整えられます。

園児が別の園児の靴下を履かせるのを手伝っている画像

地域で医療的ケア児と保護者を支える新たな受け皿に

どろんこ会グループはこれまで、年齢や障害の有無に関わらず、すべての子どもが共に育ち合うインクルーシブ保育を実践してきました。多様な子どもが混ざり合う環境の中でこそ、本物の「にんげん力」が育まれるという考えに基づいています。医療的ケア児にとっても、社会から分離されることなく地域の子どもたちと共に生活する経験は、健やかな成長にとって大切な要素です。

今回の再編により、どろんこ会グループが培ってきた医療的ケア児保育の知見が生かされ、これまで選択肢が限られていた和光市在住の医療的ケア児とその家族を支える新たな受け皿が創出されます。

どろんこ会グループは、すでに運営中の認可保育所内のスペースを活用して児童発達支援事業所を設置するなど、常に時代のニーズを先取りした取り組みを実践してきました。この和光市の多機能化モデルも、地域の課題解決に貢献し、日本の子育ての未来を創造する一歩となるでしょう。

公園で幼児と大人が遊んでいる様子

どろんこ会グループについて

どろんこ会グループは「にんげん力。育てます。」を理念に掲げ、遊びや野外体験を通じて“自分で考え、行動する思考”を育み、子どもたちが未来の課題や困難に向き合うたくましい力を育むことを目指しています。

事業内容は、認可保育園、認証保育所、事業所内・院内保育所、学童保育室、地域子育て支援センター、児童発達支援センター、児童発達支援事業所、放課後等デイサービス、就労継続支援B型事業所など多岐にわたります。2025年3月時点で約180施設を運営し、約2,700人の職員が約10,100人の利用者に関わっています。

詳しい情報は、以下のリンクからご覧いただけます。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77