Last Updated on 2025年12月24日 by 菅間 大樹

障がい者就労の新たな地平を拓く

障がい者手帳の所持者数は増加傾向にあり、就労継続支援B型事業所へのニーズも高まっています。しかし、従来のB型事業所では、単純作業が中心となり、社会とのつながりを感じにくいという課題がありました。

この課題に対し、品川CCはスポーツ運営の一端を担うという新しい役割を設け、参加者がクラブスタッフ業務に携わることで、自身の仕事がチームの成果につながることを実感できる環境を提供します。勝利を目指すチームの一員として同じ目標を共有し、スポーツクラブならではの緊張感と一体感の中で、社会参加と自立を支援していきます。

スポーツチームを支える多彩な業務内容

品川CCはサッカー、3人制バスケットボール、チア、アメリカンフットボール、ブラインドサッカーなど、5競技もの多種多様なスポーツに関わっています。この経験を基に、障がいのある方の特性や希望に応じた「スポーツに関わる仕事」が委託されます。

バスケットボール、ハンドボール、チアリーディング、アメリカンフットボール、ブラインドスポーツなど、様々なスポーツに取り組む若者たち

具体的な生産活動内容は以下の通りです。

  • クラブチームの備品管理・用具整備(ホペイロ業務)

  • クリエイティブ・グッズ制作

  • 試合会場やイベントでの運営サポート

また、レクリエーション活動として、地域イベントへの参加やスポーツ観戦も予定されています。

サッカー選手がスパイクを丁寧に手入れし、ユニフォームをたたむ一連の様子

缶バッジ作成機と、同じカラフルなロゴデザインが施されたコーヒーカップ、Tシャツ、紙袋などのブランドグッズ

晴れた屋外で、青いテントの下に設置されたサッカークラブの物販ブース

これらの活動は、スポーツの現場を「支える」実践的な内容ばかりです。参加者は「自分の仕事がクラブの一部を担っている」という実感を持つことができます。作成したグッズをファンが身に着けて応援する姿や、整備した用具で選手がプレーする様子、記念撮影で笑顔を見せる観客の姿など、自分の仕事が誰かの喜びや感動につながっていることを目の前で実感できる環境が整っています。

夜の街中で、法被を着た男性たちが豪華な装飾が施された神輿を担いでいる様子

品川CCは、このような就労環境を通じて、障がいのある方一人ひとりの「やってみたい」という意欲に寄り添い、可能性を尊重しながら社会参加と自立を後押ししていきます。

地域に根ざした「BRIDGES」の理念

今回の取り組みは、品川CCが掲げるクラブコンセプト「BRIDGES~橋をかけよう~」に基づいています。スポーツチーム運営に関わる就労機会を提供することで、「人と人」「人と街」「街と企業」「スポーツとビジネス」など、様々なものの架け橋となることを目指します。障がいの有無に関わらず誰もが活躍できる「架け橋」としての役割を果たしていきます。

「ワークアリーナ天王洲」開設に向けて

株式会社ハシカケが運営する就労継続支援B型事業所「ワークアリーナ天王洲」は、令和8年春頃に東京都品川区に開設予定です。利用定員は20名で、一般企業での就労が困難になった方、心身に不調があり未就労の方、年齢や体力面で一般就労が難しい方などを対象としています。ご自身の状況が該当するか不明な場合でも、気軽に相談できます。

2026年春頃の開所に向けて、興味をお持ちの方はぜひお問い合わせください。利用を検討されている方だけでなく、オープニングスタッフとして関わりたい方も歓迎されています。

【就労継続支援B型事業所に関するお問い合わせ先】
株式会社ハシカケ
Email:contact@hashi-kake.com
公式SNS:https://www.instagram.com/hashikake_official/

【本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先】
株式会社品川カルチャークラブ
Email:scc_football@shinagawa.cc
公式サイト:https://www.shinagawacc.jp/

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77