ケアラー支援の重要性
ケアラーとは、心身に不調のある家族や近親者、友人、知人などを無償でケアする人のことです(一般社団法人日本ケアラー連盟の定義より)。厚生労働省の「国民生活基礎調査(令和4年)」によると、「要介護者・要支援者」がいる世帯は全世帯の約11.4%(約635万世帯)に上ります。要介護認定を受けていない方や、40歳未満の子どもへのケアを含むと、さらに多くのケアラー世帯が存在すると考えられます。
ワーク&ケアバランス研究所は、ケアラー支援を「ケアラー一人ひとりが個人として尊重され、健康で文化的な生活を営む権利を守ること」と定義しています。日本では「家族が介護するのは当たり前」という意識が根強く、ケアラーは社会から認識されにくく、孤立しやすい状況にあります。自身の健康や生活、キャリア、夢を犠牲にしてしまうケースも少なくないため、ケアラーが「自分らしく生きる」ためには、社会全体のサポートが不可欠です。
ケアラー支援の広がり
ケアラー支援の動きは、2001年の介護者サポートネットワークセンター・アラジンの活動開始や、2010年の一般社団法人日本ケアラー連盟発足など、市民活動から始まりました。これらの団体も加盟する全国介護者支援団体連合会は、介護者支援の社会的認知を広めるために活動しています。
2020年には全国初の「埼玉県ケアラー支援条例」が制定され、2025年3月時点で全国34の自治体がケアラー支援に関する条例を制定するまでに広がりました。条例がない自治体でも独自の支援策に取り組む事例が見られます(一般財団法人地方自治研究機構より)。
こうした地方自治体の先進的な動きを受け、2025年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2025」では、ケアラー支援が国の重要課題として明記され、地方から国へと政策課題が広がっています。
受援力 “介護が日常時代”のいますべてのケアラーに届けたい本当に必要なもの 単行本
「ケアラーズ・コンシェル」のリニューアル
「ケアラーズ・コンシェル」は、「あなたの経験が、誰かのためになる」をモットーに、2013年に始まった自助会「働く介護者おひとり様介護ミーティング」を原点としています。活動を通じて、「当事者が本当に求めている情報や声が届いていない」という課題意識から、2015年に「介護者による、介護者のための、介護者支援」を形にする取り組みとしてスタートしました。
今回のリニューアルでは、ケアラー当事者、支援を提供する専門職・事業者、そしてケアラー支援を共に盛り上げる仲間が、それぞれの立場から関わり合い、やさしい循環が生まれる仕組みが導入されました。ケアラーの「発信」は、同じ立場の人の支えとなり、企業や社会にとっては新しい価値を生み出すヒントとなることを目指しています。
新機能の紹介
今回のリニューアルでは、以下の機能が新設されました。
- ログイン時の問いかけ:スキルアップの場
ログイン時に自動で問いかけがあり、回答することで自分に意識を向ける練習ができます。過去のエピソードを掘り下げ、気持ちややり残したことを思い出すきっかけにもなります。内省を非公開記録として残すことも、公開発信して自己表現の場としても活用できる「マイストーリー」機能が設置されました。 - 取材可マーク付き:ケアラー自身が発信できる場
ケアラー(予備軍・ポストケアラー含む)が自身の体験を投稿・発信できるようになりました。投稿は非会員も閲覧可能で、介護記録として非公開設定も、社会貢献として公開設定も選択できます。取材可否を示すマークにより、メディアや関係者が直接ケアラーに取材依頼できる仕組みが整えられました。これにより、副業につながる可能性も生まれます。 - ケアラー支援を応援:事業者によるサービス提供プラットフォーム「チームケアコン」
ケアラーの「ありたい・なりたい・やりたい」を支援するサービスを事業者が提供できるプラットフォームです。自分史作成支援、事業独立支援、結婚支援サービス、カウンセラー相談など、介護によって諦めていた夢やキャリアの実現をサポートします。

ケアラー支援を一緒に盛り上げる募集対象者
「ケアラーズ・コンシェル」では、ケアラー支援の取り組みに共感し、一緒に活動を盛り上げてくれる企業・自治体・個人を広く募集しています。
- 企業の皆さまへ
バナー掲載による相互リンクや、ケアラー向けサービスの提供を通じて、ケアラー支援に取り組む企業姿勢をPRできます。ケアラーズ・コンシェルを訪れる層への認知拡大にもつながります。 - 自治体の皆さまへ
共同イベントの開催や情報連携を通じて、地域のケアラー支援施策を充実させることができます。条例推進や新たな支援策の検討にも活用いただけます。 - 個人の皆さまへ
会員登録により、ご自身の介護体験や介護準備の体験をシェアできます。同じ境遇の仲間とつながりながら、活用すればするほどスキルアップになる仕組みを利用できます。「取材可」マークを付けることで、メディア取材依頼のほか、記事作成依頼や新商品開発のヒアリングなど、副業につながる可能性も広がります。
「ケアラーズ・コンシェル」の詳細や利用案内は、以下の動画で確認できます。
株式会社ワーク&ケアバランス研究所の代表取締役である和氣美枝氏は、「ケアラー支援とは、介護する人の人権を守り、尊重することです。ケアを担う人も、自分らしく生きる権利があります。今こそ、企業・自治体・個人の皆さまと一緒に、ケアラー支援の輪を広げていきたい」とコメントしています。
まずは「ケアラーズ・コンシェル」のサイトをご覧になってみてはいかがでしょうか。
運営会社概要
会社名:株式会社ワーク&ケアバランス研究所
所在地:東京都渋谷区代々木1-25-5 BIZ SMART 代々木407
代表者:代表取締役 和氣美枝
設立:2018年9月
事業内容:ケアラー支援事業
|
|

