日本におけるレーシングドローン市場が、今後大きく成長すると予測されています。Research Nesterが実施した調査によると、日本のレーシングドローン市場規模は、2025年の8,730万米ドルから、2035年末には3億240万米ドルに達すると見込まれており、2026年から2035年の予測期間中、年平均成長率(CAGR)は12.2%で成長するとされています。

日本のレーシングドローン市場に関するレポート

市場成長の背景と障害者スポーツへの貢献

この市場成長の背景には、全国的なコンテンツ制作の増加傾向や、日本のコンテンツと文化を促進する「クールジャパン戦略」におけるレーシングドローンやFPVドローンの活用があります。さらに、国土交通省(MLIT)による2024年の航空法改正でドローンの運航規制が緩和され、スタジアムや公園など、ドローンフレンドリーなエリアの形成がレーシングドローンの利用増加につながっています。

特筆すべきは、このレーシングドローンの発展が、障害者スポーツに新たな可能性をもたらしている点です。日本障がい者スポーツ協会(JAPSA)は、東京2020大会のレガシーを障がい者スポーツのさらなる振興につなげるため、「2030ビジョン」を策定し、この分野全体への補助金を増額する方針です。レーシングドローンは、身体に障がいのある人々がこれらのスポーツに参加することを支援するツールとなり得るため、この分野におけるドローン業界へのインセンティブも高まっています。

技術革新と地域活性化の動き

日本のレーシングドローン市場では、複数の企業が技術革新を推進しています。例えば、2024年11月にはJapan Airlines Co., Ltd.が、1人の遠隔操縦者が5機のドローンを同時に操縦する実証に成功しました。また、2025年2月にはJTB Corp.、fly Inc.、Japan AirlinesがAI搭載ドローンを用いた自動無人航空写真撮影サービス「SKYPIX」を開始。これらの先進技術は、将来的な大規模ドローン管理や競争力強化シナリオに大きく貢献すると期待されます。

市場セグメンテーションでは、飛行準備完了(RTF)セグメントが2035年には約44.0%と最大の市場シェアを獲得すると予測されています。デジタル化の急速な進展とSociety 5.0の推進が、RTFドローンにとって大きなビジネスチャンスを生み出しており、日本政府も研究開発や設備投資費用のインセンティブを通じて、RTFドローンメーカーとサプライヤーを支援する方針です。

地域別に見ると、大阪が予測期間中に最大の市場シェアを占めると予想されています。日本の主要スポーツ団体がレーシングドローンを競技スポーツとして採用したことで、体系的なリーグやユースプログラム、プロ競技への道が開かれつつあります。また、地方の県や市では、スポーツツーリズムやテクノロジーを軸とした地域ブランディングの一環として、大規模なドローンレースイベントが開催されており、これも市場の需要を牽引する要因となっています。政府の「デジタル・ガーデン・シティ・ネイション」構想も、地方自治体でのテクノロジーやスポーツイベント開催を後押ししています。

主な市場プレーヤー

日本のレーシングドローン市場における主なプレーヤーは以下の通りです。

  • ACSL Ltd.

  • Prodrone Co., Ltd.

  • Terra Drone Corporation

  • Aerosense Corporation

  • FPV Robotics Inc.

これらの企業が、レーシングドローンの技術革新と市場拡大をけん引していくことでしょう。

 

 

詳細情報

本調査の詳細な洞察は、以下のレポートで確認できます。

レーシングドローンの進化は、単なる技術の進歩だけでなく、障害者スポーツの新たな地平を切り開き、より多くの人々がスポーツに参加できる社会の実現に貢献する可能性を秘めています。今後の市場の動向と、それが社会にもたらすポジティブな影響に注目が集まります。


Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
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