Last Updated on 2025年12月23日 by 菅間 大樹
経済産業省の取り組みで、高齢者の健康寿命延伸へ新たな一歩
株式会社WizWeとNTTドコモビジネス株式会社が、経済産業省が実施する令和6年度補正「予防・健康づくり分野における先端技術を活用した社会課題解決サービス開発促進事業」において、ユースケース創出実証に参画する事業者として採択されました。
近年、日本は少子高齢化・人口減少という大きな課題に直面しています。この中で、個人の健康医療情報(PHR:Personal Health Record)を活用した予防・健康づくりがますます重要視されており、健康寿命の延伸や未病対策への期待が高まっています。政府も医療DX推進本部を設置し、PHRの利活用を含む施策を推進しています。特に、要支援・要介護認定件数の増加は、介護保険費用の増大や、仕事と介護の両立による生産性低下といった社会的な問題を引き起こしています。
このような背景から、PHRやAIなどの先端技術を活用し、個々人に最適化された介護予防サービスの開発と社会実装が求められています。今回の採択は、この社会的なニーズに応えるための重要な一歩となります。
本事業の詳細については、経済産業省の公募サイトをご覧ください。
https://www.meti.go.jp/information/publicoffer/kobo/2025/k250207003.html
『メモリンク(MemoLink)』で、LINEを通じた認知機能サポートがスタート
WizWeとNTTドコモビジネスは、本事業を通じて高齢者の認知機能の維持と健康的な生活習慣づくりをサポートするサービス『認知機能サポートLINE『メモリンク(MemoLink)』』の実証を開始します。このサービスは、高齢者にも広く浸透しているLINEを活用し、利用者がシームレスにデジタル介入を受けられる点が大きな特長です。

日常のデータが、あなただけの健康サポーターに
『メモリンク』では、2025年10月1日に刷新されたNTTドコモビジネス提供の「けんこうマイレージ」に記録された歩数や睡眠データ、フレイルスコアなどのPHRデータが活用されます。スマートフォンを持ち歩くだけで生活習慣データを収集し、個々の状態に応じた改善のためのアドバイスを提供できる仕組みが構築されています。
「けんこうマイレージ」は、運動や睡眠などの記録に応じてポイントがたまるサービスで、ヘルスケアAIによる健康リスク推定を通じて、個別ミッションやポイント付与で健康行動を促進します。高齢者にも使いやすいUIを実現するため、「KOEL DESIGN STUDIO」も参画しています。サービスの詳細はこちらからご覧いただけます。
https://www.ntt.com/business/services/kenko-mileage.html
専門家の知見とAIが、日々の生活を応援
専任の習慣化サポーターが、個々の状態に寄り添った励ましのメッセージや、脳の健康維持に役立つ情報をLINEで配信します。この脳の健康維持に役立つ情報は、認知症予防と治療の第一人者である筑波大学名誉教授の朝田隆先生の知見とも連携した内容となっています。さらに、AI朝田先生との対話機能も提供され、認知症予防に関する相談が可能です。
これらのやり取りは蓄積され、実証参加施設(メモリークリニックお茶の水、北原トータルライフサポート倶楽部、いろどりの丘)とも共有されます。これにより、日々のデジタルサポートと施設でのケアが連携し、より効果的な認知機能維持・介護予防に貢献します。本実証では、PHRデータと双方向サポートを通じて、高齢者の認知機能維持・介護予防行動の継続を促し、認知症発症リスク低減や重症化予防の効果を医学的に検証するとのことです。
フレイルスコアは、ドコモの「ヘルステック(HealthTech)基盤」に実装されたヘルスケアAIの一種であるフレイル推定AIにより、スマートフォンに蓄積された生活習慣情報などから自動的にフレイルリスクを推定し、サービス利用者に通知されるスコアを指します。ヘルスケアAIについての詳細はこちらをご確認ください。
https://www.docomo.ne.jp/binary/pdf/info/news_release/topics_250205_00.pdf
企業連携が生み出す、やさしい未来のヘルスケア
WizWeはNTTドコモビジネス提供のPHRデータを活用し、LINEによる個人の運動状況・健康状態に応じたチャットサポートの設計・運用を担います。一方、NTTドコモビジネスは「けんこうマイレージ」に記録された歩数や睡眠データ、フレイルスコアなどのPHRデータを提供します。
この取り組みは、デジタルデバイドに配慮した高齢者のデジタル・AI活用促進モデルとして位置づけられています。本実証の成果を踏まえ、社会実装とさらなる展開を目指し、介護予防の推進や介護現場における負担軽減に資する未来を築いていくことでしょう。
WizWeの提供する習慣化プラットフォーム「Smart Habit」に関する情報はこちらもご覧ください。
https://www.smarthabit.net/ltv

