Last Updated on 2025年12月17日 by 菅間 大樹
2040年問題への備え:介護・障害福祉現場の外国人材活用を網羅した書籍が登場
日本は現在、「2040年問題」と呼ばれる少子高齢化に伴う社会保障制度の維持や労働力不足といった大きな課題に直面しています。特に介護・福祉業界では、人材不足が深刻化しており、その解決策の一つとして外国人材の活用が注目されています。2025年4月からは訪問系サービスでも外国人材の採用が可能となり、受け入れの需要はますます高まる見込みです。
このような状況の中、株式会社翔泳社は、介護現場における外国人材の採用から定着支援、多文化共生までを体系的に解説した書籍『これならわかる〈スッキリ図解〉介護の外国人材活用』を2025年12月17日に発売します。本書は、介護現場だけでなく、障害福祉分野を含む幅広い福祉事業所の悩みに寄り添い、具体的な解決策を提供します。

現場の課題に寄り添う実践的な内容
外国人材の受け入れ現場では、言語の壁、文化的な誤解、そして定着支援に関するノウハウ不足といった多様な課題が挙げられます。本書は、これらの課題に対し、実際に外国人材を受け入れた事業者の知見や成功事例をもとに、実践的な解決策を紹介しています。
単なる制度や仕組みの解説にとどまらず、多様な人材がいきいきと働き続けられる職場をどのように作っていくかに焦点を当てています。フィリピン、インドネシア、ミャンマー、タイなど、外国人職員の出身国に多い国々について、送り出し制度や文化的配慮を詳しく解説。さらに、ICT・AIを活用した生産性向上の事例も収録されており、施設長や採用担当者が抱える「わからない」「不安だ」という悩みに応える一冊です。

書籍の主な構成
本書は、以下の章立てで、外国人材活用のあらゆる側面を網羅しています。
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第1章:2040年問題と介護人材危機
超高齢社会における人材危機の現状と、外国人材がもたらす可能性について考察します。 -
第2章:受け入れ制度と支援機関
日本の外国人材受け入れ制度や、技能実習制度から移行する育成就労制度、送り出し機関・登録支援機関の選び方と連携方法などを解説します。 -
第3章:各国の送り出し制度と文化
出身国ごとの文化特性や宗教、送り出し制度の違いを理解し、採用時の注意点を把握するための情報を提供します。 -
第4章:外国人職員への支援とその事例
来日後の仕事面・生活面の支援、やさしい日本語の活用、マニュアル作成のポイント、利用者との関係構築、そして障害者グループホームや障害者支援施設における外国人職員への支援事例など、具体的な支援策と成功事例を紹介します。 -
第5章:多文化に合わせた職場づくり
宗教やLGBTQ+への理解、ハラール対応、礼拝スペースの整備、多国籍職場での衝突解決方法、日本人職員の「多文化感受性」の育み方など、多様な文化背景を持つ職員が共生できる職場づくりのヒントを提示します。
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第6章:技能実習生の受け入れ事例から学ぶ「トラブル防止策」
不適切なマッチングやコミュニケーションミスによるトラブルを回避し、定着率を高めるための職場づくりについて考察します。 -
第7章:ICT・AIの導入で生産性を向上させる
翻訳機や音声入力、勤怠・スケジュール管理、記録作成など、ICT・AIを活用して業務効率を向上させる具体的な方法を紹介します。 -
第8章:日本人材の多様化と新戦略
退官自衛官の雇用、LGBTQ+、中高年、定年後人材の採用など、多様な日本人材の活用戦略についても触れます。 -
第9章:これからの制度動向と展望
育成就労制度の詳細や、外国人材の受け入れ拡大に向けた国の施策、介護現場の近未来像を描きます。
書籍概要
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タイトル:『これならわかる〈スッキリ図解〉介護の外国人材活用』
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著者:小濱 道博、三浦 一生、山下 大介、タツタ ジョベリン、井口 健一郎、辻󠄀川 泰史、山村 達夫、山村 樹、光山 誠、竹下 康平、小林 香織
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発売日:2025年12月17日
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定価:3,300円(本体3,000円+税10%)
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仕様:A5・200ページ
全国の書店、ネット書店などで購入できます。
本書は、介護・障害福祉分野で外国人材の活用を検討している事業所にとって、多文化共生社会の実現と持続可能な福祉サービス提供に向けた貴重な羅針盤となるでしょう。

