作品が描く、過去と現代の社会

2024年の初演で大きな反響を呼んだ『エアスイミング』は、イギリス人劇作家シャーロット・ジョーンズのデビュー作です。舞台は20世紀前半のイギリス。当時、女性が「貞淑な女性らしくふるまわなかった」というだけで自由を奪われ、「精神病」と診断されるケースが数多く存在しました。作者は実在の女性をモデルに、社会からレッテルを貼られ、孤立を強いられた人々の物語を紡ぎ出しています。

企画・演出からのメッセージには、「物を言うことが難しい時代になった」という現代社会への警鐘が込められています。SNSなどで情報が瞬く間に拡散され、些細なことでさえも「レッテルを貼られ、厳しい糾弾に合い、ムラ社会からつまはじきにされる」現状は、まるで過去の「魔女狩り」のようだと指摘されています。このような社会では、人々は自由に意見を表明することを恐れ、時代の空気に流されてしまうかもしれません。

作品に登場する「ドーラ」と「ペルセポネー」は、まさにそのような時代に生きた女性たちです。不屈の闘志を持つドーラは当時の女性の生き方に迎合できず、ペルセポネーは結婚せずに子を産むことを選びました。彼女たちは「触法的精神病」というレッテルを貼られ、理不尽にも聖ディンプナ精神病院に強制収容され、気の遠くなるような年月を監禁されて過ごします。民主的な国家であるイギリスで、わずか100年ほど前に起きたこの出来事は、「人間の尊厳」と「生きる意味」を強く問いかけます。

「物を言うことが難しい」現代だからこそ、この作品を通して「魂の自由」について改めて向き合う機会となるでしょう。

笑顔の2人の女性が手を取り合って立っており、楽しそうな雰囲気です。ベージュのエプロンとカーディガンを着用し、親密な絆を感じさせます。背景は暗く、スタジオのような場所で撮影されたようです。

ストーリー

1924年のイギリス。妻子ある男性と恋に落ち、望まれぬ子を産んだ「ペルセポネー」は、「触法精神病施設」に収監されます。そこで出会ったのは、葉巻を吸い、男性的にふるまった罪で閉じ込められた「ドーラ」でした。社会から隔絶された世界で長い歳月を過ごす二人。家族にも忘れ去られ、孤独と絶望に押しつぶされそうになった彼女たちは、いつしか「ポルフ」と「ドルフ」という想像上の人格をまとい始めます。二人は「狂気」と隣り合わせの閉ざされた空間で、時に互いに支え合いながら、しなやかな意志で生き抜いていきます。

キャスト紹介

Team森

  • 森下知香(ドーラ/ドルフ)
    笑顔でカメラを見つめる日本人女性のポートレートです。彼女はショートヘアで白いノースリーブのトップスを着ており、真珠のようなネックレスをしています。背景にはぼかされた緑の葉とピンクの花が見えます。
    俳優、演出、脚本、制作として活動。2018年に演劇企画イロトリドリノハナを立ち上げ、主催公演を行っています。
  • 神月叶(ペルセポネー/ポルフ)
    白いボウタイブラウスを着用したアジア人女性のポートレート写真です。女性はカメラに向かって穏やかな笑顔を見せており、親しみやすい印象を与えます。
    深川とっくり座に所属後、劇団光希、Yプロダクションなど多数の舞台に出演。イロトリドリノハナ作品への出演は今回で5回目となります。

Team海

  • ましろうみ(ドーラ/ドルフ)
    黒いTシャツを着たアジア人女性のポートレート。長い黒髪で、カメラに向かって優しく微笑んでいます。背景はシンプルな無地です。
    高校で演劇に出会い、舞台芸術学院で芝居を学ぶ。フリーで活動中。Toshizoプロデュース映画『ミックスモダン』などに出演。イロトリドリノハナ作品は3度目の出演です。
  • 室田百恵(ペルセポネー/ポルフ)
    白いシャツを着たアジア人女性が、カメラに向かって笑顔で写っているポートレート写真です。背景はシンプルな無地で、清潔感のある印象を与えます。
    舞台芸術学院演劇部本科を卒業。女子美術大学付属高等学校在学中に初舞台を踏み、Toshizoプロデュースやイロトリドリノハナ作品に出演。今回の再演に際し、自分の中の「普通」と「自由」について深く向き合うとコメントしています。

稽古写真

ベレー帽とエプロンドレスを着た女性が、ライトグリーンのバランスボールに座っています。穏やかな表情で前方を見ており、屋内でのリラックスした様子がうかがえます。

エプロンと紫色のショールを身につけた女性が、白いタオルを手に持ちながら楽しそうに笑っている様子です。非常に明るく、ポジティブな雰囲気が伝わってきます。

オレンジ色のショートヘアの女性がエプロンを着用し、アンティーク調のランタンを高く掲げています。明るい室内で横顔を見せており、何かを見つめているような雰囲気です。

エプロンを着用した若い女性が、顔を上に向けて激しく泣き叫んでいる様子。涙が頬を伝い、口を大きく開けており、強い悲しみや絶望といった感情が表現されているドラマチックな瞬間を捉えた画像です。

公演概要

  • 演劇企画イロトリドリノハナvol.6『Airswimming エアスイミング 2026』
  • : シャーロット・ジョーンズ
  • 翻訳: 小川 公代(幻戯書房)
  • 演出: 森下 知香
  • 出演者:
    • <Team森> 森下 知香、神月 叶
    • <Team海> ましろ うみ、室田 百恵
  • スタッフ: 舞台美術・舞台監督:入倉 津、照明:榊原 大輔、音響:余田 崇徳、ダンス振付・指導:濵谷 美奈子、ヘアメイク:緒方 加代子、写真撮影:Hikaru、動画撮影:青春組立式キット、フライヤー絵画:画家 大河原 愛、フライヤー製作:有限会社アナログエンジン、制作協力:J-Stage Navi、企画製作:演劇企画イロトリドリノハナ
  • 助成: 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【東京ライブ・ステージ応援助成】

上演期間

2026年2月5日(木)~8日(日)

  • 5日(木) 森14:00 / 海19:00
  • 6日(金) 海14:00 / 森19:00
  • 7日(土) 森14:00 / 海19:00
  • 8日(日) 海12:00 / 森16:00

※受付開始は開演の45分前、開場は開演の30分前です。
※開演時間を過ぎてのご来場は、指定のお席にご案内できない場合があります。

劇場

シアター風姿花伝(東京都新宿区中落合2-1-10)
アクセスはこちら: https://www.fuusikaden.com/access.html

チケット料金(全席指定)

  • 前売(一般):4,500円
  • 学生(前売当日共):3,500円
    • 学生、演劇関係専門学校含む。ご来場時に受付にて身分証提示が必要です。
  • 森⇔海 通し券(前売当日共):7,000円
    • Team森・Team海チームを1回ずつご覧いただけます。ご予約はJ-Stage Naviのみで受け付けています。
  • リピーター:2,500円
    • 再度ご予約の上、ご来場時に受付にて半券提示が必要です。
  • 当日(一般):4,800円

※未就学児童のご入場はご遠慮ください。

チケット取扱い

お問合せ

  • J-Stage Navi: 03-6672-2421(平日12:00~18:00)
  • 劇場事務所: 03-3954-3355(公演期間中のみ)

エアスイミング2026 特設サイト: https://irohana2018.wixsite.com/airswimming2026
公式X: https://x.com/irotoridori2011

トップハットと蝶ネクタイを身につけ、杖を持った可愛らしい白いキャラクターのロゴマーク。「カンフェティ」という文字が添えられています。
チケットサイト「カンフェティ」でのチケット購入の流れや会員特典についてはこちらをご覧ください。
https://service.confetti-web.com

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Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
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