サービス導入の背景

これまで長崎市の病児・病後児保育事業では、保護者が施設へ直接電話で空き状況を問い合わせる必要がありました。予約やキャンセルも施設の運営時間内に限られていたため、保護者にとっては利用しにくい状況でした。また、施設側も電話対応による業務負担や、紙資料の管理に課題を抱えていました。

長崎市が令和7年度に行った調査では、予約手続きの煩雑さが課題として挙げられ、簡素化を求める声が多く聞かれました。こうした背景から、病児・病後児保育のニーズが高まる中で、保護者の利便性向上と施設職員の負担軽減を目指し、「あずかるこちゃん」の導入が決定されました。

長崎市の病児・病後児保育に関するポスター

デジタル化で変わる病児保育

「あずかるこちゃん」の導入により、保護者はスマートフォン一つで24時間いつでも空き状況の確認や予約申込ができるようになります。これにより、急な子どもの発熱など、予測できない事態にも柔軟に対応できるようになります。また、これまで事前に記入・提出が必要だった紙の登録用紙もデジタル化され、施設への登録がより便利になります。

施設側も、煩雑な電話対応や事務作業から解放され、より保育に集中できる環境が整います。長崎市こども部幼児課からは、「保護者の方にも施設の職員にも、より使いやすい病児保育の仕組みをつくりたい」という思いが語られています。

病児保育予約サービス「あずかるこちゃん」の保護者向け予約画面と施設向け管理画面

長崎市内の全8施設で利用可能に

今回の導入により、長崎市内の全8か所の病児・病後児保育室で「あずかるこちゃん」を通じた予約が可能となります。病気や病み上がりで登園・登校できない子どもを預かる病児保育は、保護者にとって心強いサポートです。この素晴らしい制度を、より多くの人に知ってもらい、利用してもらうため、パンフレットやポスターの制作も予定されています。

病児保育システム「あずかるこちゃん」が保護者・施設・自治体にもたらすメリット

「あずかるこちゃん」は、アプリのダウンロードが不要で、LINEやウェブブラウザーから手軽にアクセスできます。保護者にとっての使いやすさだけでなく、施設のスタッフが保育に集中できる環境を整え、導入自治体は地域の病児保育室の情報を一元管理できるというメリットがあります。現在、全国で362施設、40自治体で導入されており、登録児童数は249,373人、累計予約数は901,814件を突破しています。

病児保育の現状と「あずかるこちゃん」が目指す社会

2018年に全国の子どもを持つ就労女性300人を対象に行われたアンケートでは、「病児保育の利用経験がない」と答えた方が88%にのぼりました。さらに、利用経験がない方の75%が病児保育について「知らない」もしくは「名前しか知らない」と回答しています。この調査からは、手続きの煩雑さが利用を遠ざけていることも明らかになりました。

明るく清潔感のある子供部屋

「あずかるこちゃん」は、このような病児保育利用のハードルを下げ、誰もが使いやすいサービスを提供することを目指しています。病児保育を必要とする保護者と、空きのある病児保育室がスムーズにつながることで、子育て世帯の負担が軽減され、より良い社会の実現に貢献できるでしょう。

株式会社グッドバトンについて

株式会社グッドバトンは、産婦人科医の園田正樹氏により2017年に設立されました。2020年には、病児保育事業を保護者、施設、自治体の三方で支援するサービスとして「あずかるこちゃん」をリリース。「それぞれの子育てを歓迎する社会へ。」をビジョンに掲げ、病児保育事業にとどまらず、「産む」「育てる」「育つ」が関わる領域を包括的に支援することを目指しています。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77