Last Updated on 2025年12月19日 by 菅間 大樹
出資の背景とシーアイ・パートナーズの挑戦
日本における障がい者支援は、支援を担う人材の不足や運営の適正化といった構造的な課題に直面しています。特に小規模事業者の経営難や、質の高いサービス提供が地域で継続しにくい状況が喫緊の課題となっています。
このような状況の中、シーアイ・パートナーズは「障がい者という言葉をこの国からなくす」というミッションを掲げ、活動しています。同社は、障がい児通所支援事業において、本部機能の集約と現場の最適化を両立させる「ロールアップ戦略」により効率的に事業所数を拡大。さらに、就労支援事業では、自社運営施設に加え、企業内に支援事業所を設置する独自のモデルを展開し、利用者と企業双方にメリットを提供しながら社会的な自立支援を推進しています。
HIRAC FUNDは、このM&Aを通じた本部機能の集約と現場の最適化を両立させるシーアイ・パートナーズの独自モデルが、社会課題の根本的な解決と事業の持続可能性を両立させている点を高く評価し、今回の出資を決定しました。
今後、HIRAC FUNDは、地域金融機関や事業会社のネットワーク、そしてマネーフォワードグループの知見を活かし、シーアイ・パートナーズのロールアップ戦略の加速と本部機能の拡充をサポートする予定です。特に、事業者や後継者が不足する地方への展開支援や、中長期で事業が持続可能な資本政策のデザイン支援などを通じ、同社の全国展開を強力に後押ししていくとしています。
参考資料:
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福祉医療機構(WAM)「2023年度 障害福祉サービス等の人材確保に関する調査」
シーアイ・パートナーズ代表のコメント
株式会社シーアイ・パートナーズ 代表取締役社長CEOの家住 教志氏は、今回の出資について、「弊社事業にご理解いただき、出資を決めていただきましたこと、誠にありがとうございます。HIRAC FUND様に出会い、資金のみならず、仕組みやパートナーを繋いでいただくなどのハンズオンも数多くシェアいただき、早くも事業推進が加速しております。これまで着手できなかったところへのアプローチが進み、ギアチェンジできたことを実感しております。障がい福祉の業界は、民間事業者の参入により施設数は多くなれど、中身はまだまだ途上段階にあり、未解決課題が山積しております。弊社はその課題に真正面から取り組み、『障がい者という言葉をこの国からなくす』を実現して参ります。」と述べています。
各社の概要
株式会社シーアイ・パートナーズ
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代表者:代表取締役社長CEO 家住 教志
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事業内容:障がい児通所支援事業(児童発達支援/放課後等デイサービス)および就労支援事業所の運営
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設立:2015年11月25日
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本社:大阪府大阪市中央区南船場4-10-3 ナガホリ大阪ビル 5F
HIRAC FUND
HIRAC FUNDは、テクノロジーによる社会課題解決を目指すシード・アーリーステージのスタートアップを中心に投資するVCファンドです。マネーフォワードグループの強みである「スタートアップの立ち上げ・IPO経験」、「Fintech/SaaSへの知見」、「起業家とのネットワーク・コミュニティ」、「地域金融機関との連携」を活かし、スタートアップ業界に貢献すべく、出資・支援活動をおこなっています。
マネーフォワードベンチャーパートナーズ株式会社
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所在地:東京都港区芝浦 3-1-21 msb Tamachi 田町ステーションタワーS 21F
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代表者:金坂直哉
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事業内容:ファンドの募集・運営
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設立:2020年5月25日
この出資は、日本の障がい者支援が抱える課題に対し、持続可能で質の高いサービス提供を全国に広げる一歩となるでしょう。障がいのある方々がより豊かな選択肢を持てる社会の実現に向けて、今後の展開が期待されます。

