Last Updated on 2023年7月21日 by 菅間 大樹
公益社団法人東京都理学療法士協会(会長:森島 健)が公開する小学生向けまんが教材「わけがあってこちら側に止まっています~心のバリアフリー~」が特設サイトにて無料提供されています。
教材作成の経緯 ~エスカレーター、止まって乗りたい人がいる。~
東京都理学療法士協会エスカレーターマナーアップ推進委員会(委員長:齋藤 弘)は、エスカレーターの利用場面を切り口とした障がい理解の活動やインクルーシブな社会に向けた活動を2015年より取り組んでいる団体。同団体が、この活動に取り組むきっかけとなったのは、「エスカレーターの右側に止まって乗りたい。」という、障がいを抱える、ある1人の患者さんの声でとのことです。
「障がいがある」という理由で、できることや選べる道が少なくなってしまう。
もしそんなことがあるとしたら、それは私たちの心がバリアを作っているのかもしれません。
心の中にある、目に見えないバリアを無くすためには、心のバリアフリーについて考え、学ぶ機会が必要です。
それは大人になってから学べば良いものではなく、子どもの頃から自然な形で学べる環境が必要です。
こういった経緯から、2022年にプロジェクトチームを立ち上げ、心のバリアフリーを学ぶまんが教材の作成に取り組むことになりました。
想像力や共感力を育くむ ~10年後、20年後の優しい社会を願って~
特別サイトにて公開されているまんが教材「わけがあってこちら側に止まっています~心のバリアフリー~」作成プロジェクト(プロジェクト統括:野崎 展史)では、単にエスカレーターに止まる・止まらないという答えを示すのではなく、どうしたら特徴の違う他者同士が気持ちよく社会の中で暮らせるかを考える想像力や共感力を育くむことを教材作りの主眼に置きました。
また、エスカレーターを歩きたいと考える人の気持ちを一方的に排除するのではなくて、互いが気持ちよく納得できる考え方や着地点を子供のうちから考えるプロセスを大切にしています。10年先、20年先の未来がもっと優しいものになってほしいと、そんな願いを込めてまんが教材の作成を進めてきました。
なお本教材は、障がいを抱える方、そのご両親、この教材を手に取ってもらいたい小学生の子どもたち、学校の先生、理学療法士、デザイナー、漫画家、その他各分野の有識者など、多くの方の参画のもとに誕生している点も、特徴の1つとなります。
学校現場で求められる人権教育、インクルーシブな社会へ
人権教育の指導方法等に関する調査研究会議は、『人権教育の指導方法等の在り方について(第三次とりまとめ)」の中で、以下の力や技能を各学校での教育活動全体を通じて培い、児童生徒の人権感覚を健全に育んでいくことを掲げています。
〇他の人の立場に立ってその人に必要なことやその人の考えや気持ちなどがわかるような想像力、共感的に理解する力
〇考えや気持ちを適切かつ豊かに表現し、また、的確に理解することができるような、伝え合い、わかり合うためのコミュニケーションの能力やそのための技能
〇自分の要求を一方的に主張するのではなく建設的な手法により他の人との人間関係を調整する能力及び自他の要求を共に満たせる解決方法を見いだしてそれを実現させる能力やそのための技能
今回作成した教材は教育関係者の監修の元、上記人権教育の指針に沿って作成しており、学校現場において広く・安心してご活用できる内容となっています。
本教材が多くの学校現場でご活用いただくことを通じて、心のバリアフリーやインクルーシブな社会の推進に少しでも寄与出来たら幸いです。
公益社団法人東京都理学療法士協会について
【会社概要】
法人名 : 公益社団法人東京都理学療法士協会
所在地 : 東京都渋谷区代々木1-58-7 ヴェラハイツ代々木201号
会長 : 森島 健
設立 : 1969年
ホームページ: http://www.pttokyo.net/