Last Updated on 2023年8月1日 by 菅間 大樹
生涯で2人に1人ががんを経験する現代。通院による治療や治療による寛解も望めるため、多くの方が病気と上手く付き合いながら働いています。
がんと言っても病状や治療方針はさまざま。がんと診断された場合、仕事を続けながら治療を受ける方や、入院や手術を機に治療に専念し仕事をやめる選択をする方、治療が落ち着いてこれから再就職を目指す方など、仕事をめぐる環境も違います。
このコラムでは、同じ病気をお持ちの方から寄せられた仕事に対するアンケートをもとに、 治療を続けながら働くために大切なこと、治療と仕事を両立するの必要な条件、オススメの職場を具体的な企業名を交えながら紹介していきます。
同じ境遇の方のリアルな声が、これから復職や転職活動を考えている方のお役に立てたら幸いです。
目次
- がんとは?がん治療とは?
- ガン患者が経験した2つの気持ち「辛さ」と「充実感」
- 面接でがんのことを打ち明けるべき?
- がん患者にオススメの働き方
- 自分に合う仕事の探し方
- 入社後に心がけたこと
- 最後に
1.がんとは?がん治療とは?
現在日本人は、一生のうちに、2人に1人は何らかのがんにかかるといわれています。がんは、すべての人にとって身近な病気です。 がんは、禁煙や食生活の見直し、運動不足の解消などによって、「なりにくくする(予防する)」ことができる病気です。しかし、それらを心がけていても、がんに「ならないようにする」ことはできません。 がんの治療は、技術の進歩や医学研究の成果とともに変化します。現時点で得られている科学的な根拠に基づいた最もよい治療のことを「標準治療」といいます。標準治療は、手術、薬物療法、放射線治療をそれぞれ単独で、あるいはいくつかを組み合わせた方法で行われます。 また、がんそのものに対する治療に加えて、がんに伴う体と心のつらさを和らげる緩和ケアを同時に行います。 |
がんはとても身近な病気で、予防できても完全になくすことはできません。また、がんの種類は様々で、症状や治療法も異なります。
治療の内容によっては、今までの生活や仕事が一変することもあります。また治療を行った後も、すぐに職場復帰するのは難しいかもしれません。
まずは治療に専念し、専門家に相談しながら今後の生活について考えてみましょう。そして仕事について考えることになったら、同じ境遇の方の意見に耳を傾けてみても良いかもしれませんね。
ここからは、がん患者が仕事に復帰する際、どのようなことを感じたのか、リアルな声を聞いてみましょう。
2.ガン患者が経験した2つの気持ち「辛さ」と「充実感」
2-1 「職場の配慮のなさ」が辛く、メンタルに不調が現れることも
繰り返しになりますが、がんは種類も病状もさまざ、ひとくくりにはできません。それでも、がん患者が仕事をする上で直面している問題や、辛く感じた点には共通するものが多くありました。
“ 「在職中に発覚したので、退職や休職の勧めが凄かったです。」 「乳がんの化学治療中です。手・足先のしびれ、痛みがあるので、立ち仕事や手先を使う仕事は長時間できません。」 「病気に対して理解はしてもらえましたが、本来の職務から負担と責任の少ないポジションになり、社内での立場に疑問を持っています。」 ” |
この記事を読んでいる方にも、似た経験があるかもしれません。仕事で苦労することやストレスを感じることはあると思いますが、がんを患ったことでそれまでとは違う辛さが加わります。
・がんを患う前には問題なくできていたことができなくなった。
・職場の人に配慮してもらえない。
こうした苦労が重なり、心身ともに辛い状況に苦しんでいる方も少なくないようです。
“ 「乳がんから、気分の落ち込みと不眠です。心身ともに不安定で短時間勤務もできなくなりました。」 「癌がきっかけでうつ病を発症しました。家から出られなくなったりして、仕事を休んでしまうことがあります。」 「仕事は身体に負担がかかるので、できなくなりました。情緒不安定もあるので休職中です。」 ” |
ただでさえ、肉体的にも精神的にも負担を強いられる闘病中には、最大限、仕事の負担を減らす方法を考える必要があります。
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