Last Updated on 2023年8月9日 by 菅間 大樹

2024年度から、障害者の法定雇用率が段階的に引き上げられることが決定されました。この変更は、障害者雇用制度の一環として行われるものであり、障害者の雇用を促進するための取り組みとして注目されています。

2024年度からの障害者法定雇用率の段階的引き上げとその背景

障害者雇用制度は、障害者の雇用を促進するために導入された制度であり、法定雇用率はその一環として設定されています。法定雇用率とは、企業が雇用すべき障害者の割合を示すものであり、2024年度からは従来の法定雇用率が引き上げられることとなりました。これにより、企業が積極的に障害者の雇用を進める必要が生じるでしょう。

障害者の法定雇用率の引き上げは、社会的な課題に対する取り組みとして重要な意義を持っています。障害者の雇用機会を増やすことで、彼らが社会で自立し、活躍できる環境を整えることができます。また、障害者の多様な能力や経験を活かすことで、企業の競争力向上にも寄与することが期待されます。

企業は、法定雇用率を達成するために、積極的な取り組みを行う必要があります。障害者の雇用に関する具体的な事例や支援制度の活用方法を参考にしながら、障害者の採用や職場環境の整備に取り組むことが求められます。

2024年度からの法定雇用率の段階的な引き上げは、障害者の雇用機会の拡大と社会的な課題の解決に向けた重要な一歩です。企業は、法定雇用率の引き上げに向けた対策を再確認し、障害者の雇用を積極的に推進していくことが求められます。

障害者雇用制度と法定雇用率の概要

障害者雇用制度は、障害者が就労できる機会を提供するために設けられた制度です。日本では、法定雇用率という指標があり、企業が一定の規模以上であれば、一定の割合の障害者を雇用することが法律で義務付けられています。

現在の法定雇用率は、企業の従業員数に応じて異なりますが、2024年度から段階的に引き上げられることになっています。これは、社会的な課題である障害者の就労機会の不足を解消するための取り組みの一環です。

障害者雇用制度の目的は、障害者が社会参加できる機会を提供し、その自立と生活の質の向上を図ることです。法定雇用率の引き上げは、この目的を達成するための具体的な施策の一つとして位置づけられています。

企業は、法定雇用率を達成するために、積極的に障害者を雇用することが求められます。また、雇用する障害者の能力やニーズに合わせた適切な支援や環境整備も重要です。これにより、障害者が安心して働き、能力を十分に発揮できる環境が整備されることになります。

障害者雇用制度と法定雇用率の概要は、企業が障害者の雇用を考える上で重要な基礎知識です。2024年度からの法定雇用率の段階的引き上げに備え、企業は早めに対策を検討する必要があります。

2024年からの法定雇用率変更の詳細

2024年からの法定雇用率変更では、障害者雇用率の引き上げが行われます。現行の法定雇用率は2.2%ですが、2024年度からは段階的に引き上げられ、2025年度には2.3%、2026年度には2.5%となります。

この変更の背景には、障害者の雇用機会の拡大と社会参加の促進があります。障害者の雇用率は現在でも十分に達成されていないため、政府は法定雇用率の引き上げを通じて、障害者の雇用環境の改善を図ることを目指しています。

具体的な引き上げスケジュールは、2024年度から2026年度までの3年間で行われます。企業は、これに備えて障害者の採用や雇用環境の整備に取り組む必要があります。

引き上げによる影響を最小限に抑えるためには、企業が早めに対策を講じることが重要です。障害者雇用の促進や支援制度の活用など、具体的な手段を検討し、法定雇用率の達成に向けて取り組む必要があります。

法定雇用率の算出方法とそのポイント

法定雇用率の算出方法は、企業の従業員数に対する障害者の雇用数を基準としています。具体的には、企業の従業員数に対して障害者の雇用数を割り、その結果を100で乗じてパーセントで表します。

法定雇用率を達成するためには、以下のポイントに注意する必要があります。

まず、正確な従業員数と障害者の雇用数を把握することが重要です。従業員数は全ての労働者を対象にし、障害者の雇用数は身体的・精神的な障害のある社員を対象にします。

また、障害者の雇用数には、障害者雇用促進法に基づく雇用者控除を受けられる場合があります。控除を検討する際は、雇用者控除を受ける条件を満たしているか確認しておきましょう。

さらに、社内で雇用している障害者に関する記録を正確に管理することも重要です。法定雇用率の算出には、正確なデータが必要となりますので、障害者の雇用に関する情報を適切に管理しておきましょう。

以上が、法定雇用率の算出方法とそのポイントです。企業はこれらのポイントに注意し、2024年度からの法定雇用率引き上げに向けて具体的な対策を講じる必要があります。

法定雇用率を達成するための具体的な手段

2024年度からの障害者法定雇用率の段階的引き上げに向けて、企業は以下の具体的な手段を取ることが求められます。

まず、会社全体での障害者雇用の積極的な推進が重要です。障害者雇用に関する認識や、知識が十分でない企業は、障害者雇用の意識を高めるため、社内での啓発活動や受け入れ研修の実施が必要です。また、障害者採用に関する情報を積極的に社内に発信し、十分な受け入れ準備をしておきましょう。

さらに、障害者の職場環境の整備も欠かせません。求職者の障害特性によりますが、障害者が働きやすい環境を整えるためには、バリアフリーな職場づくりや必要な補助具の提供、職場の配慮やサポート体制の充実が必要です。また、障害者の能力や適性に応じた適切な業務の配置や職務の調整も重要です。

さらに、障害者雇用に関する支援制度の活用も有効です。障害者雇用に関する助成金や税制優遇措置などの制度を活用すれば、企業の負担を軽減できるので検討したいところです。また、必要に応じて受け入れ前に、障害者雇用に関する専門家やコンサルタントの助言や支援を受けることも有効です。

ほかにも、実際に雇用をする前に、数週間や1ヶ月など実習期間を設けるのも良いでしょう。実習を通すことで障害者の特性が把握できたり、社内で受け入れ準備が十分に整っているか、不足しているかなど乗り会が進むでしょう。

以上のような具体的な手段を活用することで、企業は法定雇用率達成のために具体的なイメージができてきます。また、障害者の雇用を進めることで、社内に社会貢献意識に留まらず、ダイバーシティへの意識が高まることも期待できます。

法定雇用率達成に向けた企業の取り組み

障害者雇用の取り組み事例として、企業が障害者雇用を積極的に推進している例があります。障害者雇用の実績を上げるために、企業は障害者採用のための求人広告を積極的に出稿したり、障害者採用のための面接や試験の方法を工夫したりしています。

また、社内に障害者雇用のノウハウが不足している場合は、障害者雇用で実績を上げている企業を見学するなど、他社の取り組みを参考にすると良いでしょう。

法定雇用率未達成時のリスクと対策

2024年度からの障害者法定雇用率の段階的引き上げにおいて、法定雇用率が未達成となった場合には様々なリスクが存在します。まず、企業には納付金の支払いを科される可能性があります。具体的には、未達成分の賃金の支払いが求められたり、労働基準監督署からの指導や是正勧告を受けることがあります。計画的な雇用を推進するためのスケジュールの作成が求められるほか、それでも法定雇用率に達しない場合は、社名を公表されることになります。社名の公表は企業のマイナスイメージになり、ブランドの低下を招くため、避けたい事態です。

法定雇用率未達成時のリスクを回避する方法

このようなリスクを回避するためには、企業は以下の対策を講じる必要があります。まず、障害者雇用を積極的に推進することです。ただし、当然ながら障害者手帳がある人であれば誰でも良いわけではありません。自社の業務に合うか、やりがいのある業務を提供できるか、社内の受け入れ体制は整っているかなど、雇用することだけが目的にならないようにします。ここで一番避けたいのは、雇用したものの、すぐに退職してしまうことです。早期の退職は社内担当者の疲弊を招き、その後の障害者雇用を尻込みしてしまうことになりかねません。

社労士等専門家への相談の重要性

また、障害者雇用については社労士等の専門家への相談も重要です。社労士等の専門家は労働法や障害者雇用制度に詳しいため、法的な観点から適切なアドバイスをしてくれます。障害者雇用を専門にしている社労士もいるので、ぜひ専門家の助言を受け、適切な対策を講じるようにしましょう。

社労士等の専門家に相談することで、企業は法定雇用率引き上げに向けた具体的なアクションプランを作成することができます。さらに、専門家のアドバイスを受けることで、法的なトラブルやリスクを最小限に抑えることができまるでしょう。

まとめ:2024年度からの法定雇用率引き上げに向けた対策は早めに

障害者の法定雇用率は、段階的に引き上げられることが決定しています。現在、法定雇用率が未達成な企業、また将来的に不足することが予想される企業は早めに対策を講じておく必要があります。

自社の障害者雇用に関する知識や社内の環境などに応じ、不足点を洗い出すようにしましょう。必要に応じて社員向けの受け入れ研修をしたり、社労士などの専門家からレクチャーを受けたりすると良いでしょう。雇用する前に支援機関などを通じ受け入れ実習をすることも効果的です。

また、雇用だけを目的にすると、早期退職につながることも珍しくありません。自社が障害者雇用をする意味や重要性について再確認し、整理しておきましょう。そのうえで障害者雇用の促進や職場環境の改善など、具体的な取り組みを計画し、法定雇用率の達成に向けて努力しましょう。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
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