双極性障害(躁うつ病)を抱えながら仕事している方の中には、うまく付き合いながら理想の職場で働いている方もいらっしゃれば、悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

例えば、感情の起伏が激しくてコントロールできない、感情の起伏によって仕事に集中できない、薬の副作用で疲れやすいなど、疾患による特有の悩みを感じることはありませんか?

そんなときは、同じように双極性障害を抱えながら仕事をしている方々の声に耳を傾けてみませんか?今回のコラムでは358人の双極性障害の方のアンケートをもとに

・どのようなことに悩み、どのように解決しているのか
・仕事探しはどのように行ったのか

といったアドバイスをご紹介していきます。
仕事との向き合い方や職場について悩むことや不安に感じることがある方は、ぜひ寄せられた声を、解決のヒントとして役立ていただけますと幸いです。

目次

  1. 双極性障害とは
  2. 双極性障害の特性による仕事の悩みと対策
  3. 双極性障害の方が職場で抱える悩みとその対策
  4. 双極性障害の方が周囲に知っていてほしいこと、伝えていること
  5. 双極性障害をオープンにするかクローズにするか
  6. 双極性障害の方におすすめの仕事
  7. 求人の見つけ方
  8. 企業情報の集め方
  9. 最後に

1.双極性障害とは

双極性障害は、精神疾患の中でも気分障害と分類されている疾患のひとつです。うつ状態だけが起こる病気を「うつ病」といいますが、このうつ病とほとんど同じうつ状態に加え、うつ状態とは対極の躁状態も現れ、これらをくりかえす、慢性の病気です。
昔は「躁うつ病」と呼ばれていましたが、現在では両極端な病状が起こるという意味の「双極性障害」と呼んでいます。なお、躁状態だけの場合もないわけではありませんが、経過の中でうつ状態が出てくる場合も多く、躁状態とうつ状態の両方がある場合とはとくに区別せず、やはり双極性障害と呼びます。
双極性障害は次のように分類されます。
・躁状態:家庭や仕事に重大な支障をきたし、人生に大きな傷跡を残してしまいかねないため、入院が必要になるほどの激しい状態
・軽躁状態:はたから見ても明らかに気分が高揚していて、眠らなくても平気で、ふだんより調子がよく、仕事もはかどるけれど、本人も周囲の人もそれほどは困らない程度の状態
・双極I型障害:うつ状態に加え、激しい躁状態が起こる双極性障害
・双極II型障害:うつ状態に加え、軽躁状態が起こる双極性障害
双極性障害の原因は、まだ解明されていません。

参考:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」

双極性障害にはストレスが大きく関わってきますが、その原因の1つが仕事であるならば、今後の仕事について考えることも必要になってきますね。

2. 双極性障害の特性による仕事の悩みと対策

双極性障害の方は、仕事をする際にどのような悩みを抱えているのでしょうか? 双極性障害といっても、先ほどの説明にもありましたがⅠ型、Ⅱ型などにも分類されるように、症状は人それぞれです。

症状も違えば、悩みも異なることと思いますが、アンブレに寄せられた多くの体験談から悩みの傾向をみてみましょう。

【双極性障害による仕事の悩み、その傾向】
・感情の起伏が激しくコントロールできない悩み
・感情の起伏が原因で派生する様々な悩み
・薬の副作用による悩み

では、これらの悩みへの対策、皆さんはどのようにしているのでしょうか?
ここからは具体的なコメントとともに紹介していきます。

2-1. 感情の起伏による悩みとその対策

双極性障害の方が一番悩んでいることは「感情の起伏」です。そう状態とうつ状態では仕事に対する意欲が全く異なります。またその感情を自分でコントロールすることが難しいことが大きな悩みとなっています。

【悩み】


気分障害の1つで躁と鬱を交互に繰り返し、躁の状態ではハイテンションになり、鬱の状態では気分の落ち込みや身体や精神が重たくなってしまう。また、仕事に対する意欲がなくなり『休みたい』『辞めたい』という気持ちが表れてしまう。
女性、人材

職場環境や人の話声、騒音、天候などにより気分の変調が出やすい。また、薬の副作用で眠気が出る。
女性、サービス・外食・レジャー系

浮き沈みが激しく、薬によってはいきなりハイテンションになったりしてしまうこともある。気持ちをコントロールすることが困難。
女性、物流

朝起きたときにその日の体調がわかるので、当日に電話で『お休みします』と連絡を入れなければならないことがしょっちゅうです。また気分の浮き沈みも激しいので、周囲を困惑させることが多々あります。後々の罪悪感でまた体調が悪くなったりするので悪循環ですね。
女性、団体・連合会・官公庁

自らコントロールすることは難しいことですが、中には自分の傾向を理解しながら少しでも悩みを緩和できるように工夫している方もいらっしゃいます。

【対策や工夫】


出来る限り、自分の今の状態を客観的に把握することに努め、しんどい時には同僚や上司に『〇〇がしんどいです』と具体的に伝えている。
女性、人材

この病気で大切なことは、生活リズムを整えることなので、早寝早起きを心掛けている。昼夜逆転すると深夜に一人になることが多くなり、考えすぎてしまうから。
女性、物流・倉庫

仕事が始まる4時間前には起きるようにしています。4時間あればその日の体調がわかるので。
女性、団体・連合会・官公庁

就職したばかりの時は、自分の状態を理解していませんでしたので、感情のままでした。現在は、苦労も多かったので、主治医にアドバイスをもらうようにしています。
20代、団体・連合会・官公庁

苦しくなりそうな予感があったら、その場からはなれる様にしています。
30代、医療・医薬

うつ状態になるタイミングなどを把握するのは難しいかもしれません。
しかし生活リズムを整えることや、少しの変化を察知できるように自分の症状をよく観察し前もって対策をとることは、症状の緩和や安定につながることもあるようです。
ご自分の傾向を理解することも大切ですね。

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Written by

今井 靖之

findgood編集者、ライター。

大手電機メーカーで半導体電子部品のフィールドアプリケーションエンジニア、インターネットサービスプロバイダのプロモーションやマーケティングに従事。以後フリー。

身内に極めて珍しい指定難病者を抱える。

神奈川県川崎市在住。サブカルヲタク。「犬派?猫派?」と聞かれたらネコ派、猫同居中。