潰瘍性大腸炎を抱えながら仕事している方の中には、うまく付き合いながら理想の職場で働いている方もいらっしゃれば、悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

例えば、トイレへ行くたびに周囲に気をつかい行きづらさを感じたり、食事制限があるので昼食に困っていたり。外からわかりづらい疾患であるからこそ理解を得にくいなど、疾患による特有の悩みを感じることはありませんか?

そんなときは、同じように潰瘍性大腸炎を抱えながら仕事をしている方々の声に耳を傾けてみませんか?今回のコラムでは152人の潰瘍性大腸炎の方の口コミをもとに

・どのようなことに悩み、どのように解決しているのか
・仕事探しはどのように行ったのか

といったアドバイスをご紹介していきます。
仕事との向き合い方や職場について悩むことや不安に感じることがある方は、ぜひ寄せられた声を、解決のヒントとして役立ていただけますと幸いです。

目次

  1. 潰瘍性大腸炎とは
  2. 潰瘍性大腸炎の特性による仕事の悩みと対策
  3. 潰瘍性大腸炎のある方が職場で抱える悩みとその対策
  4. 潰瘍性大腸炎のある方が周囲に知っていてほしいこと、伝えていること
  5. 転職や就活では潰瘍性大腸炎をオープンにするかクローズにするか
  6. 転職や就活の参考に、潰瘍性大腸炎のある方におすすめの企業・業界・職種
  7. 求人の見つけ方
  8. 企業情報の集め方
  9. 最後に

1.潰瘍性大腸炎とは

潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる大腸の 炎症性疾患 です。特徴的な症状としては、下血を伴うまたは伴わない下痢とよく起こる腹痛です。病変は直腸から連続的に、そして上行性(口側)に広がる性質があり、最大で直腸から結腸全体に拡がります。この病気は病変の拡がりや経過などにより下記のように分類されます。

1)病変の拡がりによる分類:全大腸炎、左側大腸炎、直腸炎
2)病期の分類:活動期、寛解期
3)重症度による分類:軽症、中等症、重症、激症
4)臨床経過による分類: 再燃 寛解 型、慢性持続型、急性激症型、初回発作型

原因は明らかになっていません。これまでに腸内細菌の関与や本来は外敵から身を守る免疫機構が正常に機能しない自己免疫反応の異常、あるいは食生活の変化の関与などが考えられていますが、まだ原因は不明です。

症状としては、下痢(便が軟らかくなって、回数が増えること)や血便が認められます。痙攣性または持続的な腹痛を伴うこともあります。重症になると、発熱、体重減少、貧血などの全身の症状が起こります。また、腸管以外の合併症として、皮膚の症状、関節や眼の症状が出現することもあります。

原則的には薬による内科的治療が行われます。しかし、重症の場合や薬物療法が効かない場合には手術が必要となります。

▼参考: 公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センター

潰瘍性大腸炎特有の辛い症状があらわれ、時には全身に及ぶこともあるようです。原因ははっきりわかっていませんが、薬や手術による治療で症状を和らげる可能性もあります。

治療を行い症状が和らぐことで仕事に復帰している方や、治療と仕事を両立している方も多くいらっしゃいます。口コミには潰瘍性大腸炎と付き合いながら働いている方のリアルな声が届いていますので、参考にしてみましょう。

2.潰瘍性大腸炎の特性による仕事の悩みと対策

潰瘍性大腸炎のある方は、特有の悩みを抱えています。そして仕事にも少なからず影響を与えます。 同じ悩みを持つ方が心掛けていることを知ることで、その悩みは解決できるかもしれません。

まずは口コミから、悩みの傾向を見てみると下記の悩みを持つ方が多くいらっしゃいました。

・腹痛や下痢が頻繁に生じる
・疾患が見えないので理解を得づらい

早速、悩みの詳細とともに対策について解説します。

2-1.腹痛や下痢が頻繁に生じるという悩みと対策

潰瘍性大腸炎は突然腹痛や下痢、出血などに見舞われます。外出の際は常にトイレの位置を確認するなど、不安を抱えながら生活する方が多いようです。

【悩み】


病状が悪化している時はトイレに頻回に行くため、外出する仕事内容の時はトイレの事を常に考えて行動する必要がありました。
医療・福祉・介護、女性

前触れもなくお腹が痛くなったり、頻繁にトイレに行かなければならないことがあり、会議など離席しずらいときに困りました。
コンサルティング・専門サービス系、女性

ストレスや食べ物でお腹を壊してしまう トイレの往復で1日が終わるくらい
食品・化粧品、調理スタッフ、男性

では、それらの症状を緩和するための対策や、常に気になるトイレについての対策、みなさんはどうしているのでしょうか?詳しくみてみましょう。

【対策1:トイレに対する安心感を確保する】


常にトイレに行く。出ようが出まいがこころがけています。
専門商社、技術系

通勤中に腹痛が起きる事が怖かったので各駅(停車の電車)にしたり乗車前に必ずトイレに行くなど工夫していました。
不動産、女性

出来るだけ商談前にはトイレに行くように心がけています。あとは13時とかに商談があると、昼ごはんを食べるのをズラしたりしてなるべくお腹に刺激をあたえないように心掛けています。水分も取りすぎると吸収されずに出てしまうので、取りすぎないようにしています。
住宅・建材・インテリア・エクステリア、男性

トイレに行かなかったことが余計に不安をあおり、本当に腹痛が起きてしまうこともありえます。そうならないよう便意がなくてもトイレに行く習慣をつけると、気持ちに余裕がもてそうです。
またトイレを済ませておくだけでなく、用事の前に食事や水分補給を避けることで、お腹への刺激を減らしている方もいます。

どちらも気持ちを落ち着かせること、余裕を持つことが、便意を和らげることにつながっているようです。

次は、実際に症状が起こりやすいシチュエーションを避けることで、症状を和らげる方法を紹介していきます。
症状がおこりやすいシチュエーションとして多くコメントが見られたものは以下でした。

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Written by

今井 靖之

findgood編集者、ライター。

大手電機メーカーで半導体電子部品のフィールドアプリケーションエンジニア、インターネットサービスプロバイダのプロモーションやマーケティングに従事。以後フリー。

身内に極めて珍しい指定難病者を抱える。

神奈川県川崎市在住。サブカルヲタク。「犬派?猫派?」と聞かれたらネコ派、猫同居中。