耳が聞こえにくい、ということは想像以上に、仕事において困難を来す場面があります。 例えばこんな悩みはありませんか?
「補聴器をつけると場所や相手によっては会話可能なレベル。外や広いフロア等他の音がする場所では会話が出来ない場合がある。」
「突発性難聴で左耳が聞こえません。会議では相手の話を十分に理解できない事もあります。また、転職しようにも、接客業は対応が難しいと思われ、困っています。」
「右耳が聞こえず、左耳も補聴器をかけないと聞こえません。そのため、電話応対はできません。社員や顧客との会話に不自由し、仕事がスムーズに進められないこともあります。」
聴覚障害の方に仕事に関してお聞きすると、このような声がたくさん上がります。この記事を読んでいる方の中にも、現在難聴と付き合いながらの復職、転職活動で、仕事がなかなか決まらず悩んでいる方がいらっしゃるかもしれません。
本記事では、同じく難聴などの聴覚障害をお持ちの方に実施したアンケートから見えた「向いている仕事」や「オススメの企業」について紹介していきます。またその仕事をどのように探していけばよいのか、多くのアドバイスも届いています。
あなたもぜひ、参考にしてみてください。
目次
- 聴覚障害および難聴とは
- 聴覚障害の方が働く上で悩むこと
- 聴覚障害と付き合いながらでも働きやすい職場
- 聴覚障害の方にオススメの職種・業種
- 聴覚障害の方が自分らしく働ける仕事の見つけ方
- 面接を受けるポイント
- 聴覚障害の方が入社後に心がけていること
- 聴覚障害の方が実際に働いているオススメ企業
- 最後に
1.聴覚障害および難聴とは
音が聞こえない、または聞こえにくい状態を聴覚障害といいます。病気、事故などで生じる場合や、生まれつきの場合、加齢による場合などがあります。 聴覚障害は、障害部位で、伝音難聴、感音難聴とこの両方がある混合難聴に分けられます。 伝音系は、耳介、外耳道、鼓膜、中耳の部分で、内耳から脳の聞こえの中枢までが感音系です。 中耳までに障害がある場合を伝音難聴といい、音が小さく聞こえます。内耳以降に障害がある場合を感音難聴といい、音が小さく、歪んだ状態になり、ことばがはっきりとは聞き取りにくくなります。 ~中略~ 音の大きさをデシベル(dB)という単位で表します。医学的には25dB以上の大きさの音で、ようやく聞こえる場合に、聴覚障害といいます。 聴覚障害になると、会話が分かりにくい、情報が得にくい、コミュニケーションが取りにくいといった不便さが生じます。ただ、個人差が大きいため、その状況はまちまちです。 |
このように、難聴といっても障害のある部位により聞こえ方も異なってきます。
また聴覚障害は、障害の程度により、国が定めた基準に従って身体障害者手帳の交付を受けることができます。身体障害者手帳を取得すると、様々な公的制度を活用できます。 聴覚障害の場合、6級、4級、3級、2級の4段階に等級が分かれています。聴力検査または語音明瞭度検査を行い、その結果で該当する等級の身体障害者手帳が交付されます。 |
■交付基準
・6級:両耳とも平均聴力レベルが70dB以上又は一側耳の平均聴力レベルが50dB以上、他側耳の平均聴力レベルが90dB以上の場合
・4級:両耳とも平均聴力レベルが80dB以上又は両耳による最良語音明瞭度が50パーセント以下
・3級:両耳とも平均聴力レベルが90dB以上
・2級:両耳とも平均聴力レベルが100dB以上
■身体障害者手帳を取得するには
・市町村の障害福祉担当課で、手帳交付の診断書の用紙等をもらいます。
・指定の耳鼻科にて検査を受け、診断書を作成してもらいます。
・この診断書と必要書類を居住地の市町村障害福祉担当課に提出します。
・県の審査を経て、身体障害者手帳が交付されます。(政令市・中核市は独自に認定・交付)
こうした手続きを経るため申請から交付まで、1ヶ月程度かかることもあります。
ではこのような「聴覚障害」をお持ちの方は、仕事をする上でどのような悩みを抱えているのでしょうか?アンケートに届いたリアルな声を見てみましょう。
2. 聴覚障害の方が働く上で悩むこと
まずは、聴覚障害の方が実際に仕事で経験している悩みは、大きくわけて3つに分けられました。
1.言いたくても言えない、聞きたくても聞けない辛さ
2.特に大勢の人のいる場では話が理解しづらい
3.聴覚障害から生じる、めまいや吐き気などの症状
では、それぞれ具体的に見ていきましょう。
2-1 .言いたくても言えない、聞きたくても聞けない辛さ
“ 「感音性難聴4級で10年前から聞き取りが困難になってしまった。感音性難聴とは音が歪んで聞こえるため、ローマ字で言えば子音が判別できない。仕事で困ることは他人の話が聞き取れず、間違った聞き取りをしてしまうこと。3回聞き返すと相手も不機嫌になるので、適当に相槌をしたり返事をしてしまい、後で言った言ってないのトラブルが生じやすい。音も聞こえないので、緊急事態(非常ベルや救急依頼への対応ができなかったり、無駄な時間や手間を取らせてしまう)が発生した時が、自分の対応で取り返しのつかないことになってしまいかねないかが最も恐れていることです。しかし健常者でも犬笛が聞こえないとのおなじように自分が聞こえないことは存在しなていないものと開き直っているのでストレスはためないようにしてます。」 「難聴でお客さんの話しが聞き取りにくいので、二回まではお客さんに聞けるけれど、三度目からは聞くことができない」 ” |
難聴の場合、一度で聞き取ることができないことも多いため、何度も聞き返さざるを得なくなりますが、3回以上聞き返すのは相手に負担を与えてしまうと感じるようです。その結果、聞き取れずに終わらせてしまうことがよくあるようです。
言いたくても言えない辛さ、聞きたくても聞けない辛さが多く寄せられました。
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