心臓に持病を持ちながら、転職活動や仕事復帰をすることになった時、様々な不安を抱えることと思います。
例えば、「無理なく働ける職場は見つかるだろうか?」「持病がある場合でも採用してくれる企業はあるのだろうか?」「もし就職できたとしても仕事が続くだろうか?」といった不安や悩みをお持ちではないですか?
「心疾患」といっても、人により症状や重さの度合いも様々ですが、昨今は医療の進歩もあって、継続的に心疾患治療を受けながらアクティブに活動されている方は大勢いらっしゃいます。
しかしながら、仕事に就くとなるとさまざまな不安が押し寄せてくることでしょう。仕事がなかなか決まらないことで落ち込むこともあるかもしれません。
そんな時は、心疾患の治療を受けながらも実際に働かれている方々の声に耳を傾けてはいかがでしょうか。
このコラムでは、心疾患の治療を受けながら実際に働かれている方へのアンケートをもとに、転職活動や仕事復帰に成功するポイントから、就職後に気をつけたいことまでを詳しくまとめています。
寄せられた沢山の声から、失敗談や対処方法、成功例などをお伝えすることで、これから就職、転職、復職を考えている方に少しでもお役に立てればと幸いです。
目次
- 心機能障害とは
- 心疾患のある方が語る、不安や辛さ
- 心疾患を持っていても働きやすい職場環境
- 働きやすい職場に出会うために必要なこと
- 心疾患を持っていても働きやすい企業・職種
- 心疾患がある方も働きやすい企業の探し方
- 職場見学の重要性
- 転職活動を成功させるためにあらかじめ知っておきたい面接のコツ
- 入社後に心がけたこと
- 最後に
1.心機能障害とは
心臓病には、不整脈、虚血性心疾患、先天性心疾患、心不全、弁膜症、心筋症、心筋炎、など様々な病名があり、症状も異なります。
心臓にペースメーカや除細動器などを植え込んだ場合などは、心臓機能障害と認められ、身体障害者手帳が交付されます。
■障害程度等級表
- 1級 心臓の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの
- 3級 心臓の機能の障害により家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの
- 4級 心臓の機能の障害により社会での日常生活活動が著しく制限されるもの
- ※さらに細かく設定されていますので、下記サイトをご参照ください。
参考:東京都福祉保健局「身体障害者と身体障害認定基準について」
仕事における過重な負担やストレスは、心臓に負荷をかけることにもなります。また治療を行いながら仕事を続けるとなると、通院時間の確保などの心配もでてくることでしょう。
実際、心疾患のある方は、どのような悩みに直面しているのでしょうか?
2. 心疾患のある方が語る、不安や辛さ
まずは、心疾患を持つ皆さんが症状によってどのようなことに不安や辛さを感じて、悩んでいるかを見てみましょう。
2-1 心疾患の症状がもたらす身体への影響はさまざま
“ 「心機能障害で常に疲れやすいです」 「心房細動のため、ワーファリンを服用していて出血等に細心の注意が必要です」 「心臓に人工弁がはいっているので、風邪をひいたりしないように気をつけています」 「ICDを装着しているため、走ったり重いものを持ち上げることは避けたい」 「拡張型心筋症と診断され、投薬治療で小康を保っていたのですが、数年前に心筋梗塞で倒れ、カテーテル手術を受けて回復しました。しかし、それからずっと狭心症であり、投薬治療を続けています。仕事などあまり長時間に極度の集中力を使うと苦しくなることがあります」 「先天性大血管転位のため手術を受け、腹部にペースメーカーを挿入しています。瞬間的・持続的に力を出すような作業は避けなければなりません」 ” |
心疾患の症状はその方によってさまざまですが、やはり心臓という重要な部位に疾患を抱えているために、無理をするとたちまち体調が悪くなってしまうことが悩みの特徴です。
瞬発的な負荷を避ける必要があることや、長時間の勤務は身体への負担がとても大きい、といったことを皆さん共通して感じています。
また、薬を服用していることで出血等に細心の注意を払わなければならないなど、仕事内容だけでなく日常生活にも常に気をつかう必要があるようです。
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