認定NPO法人化で広がる支援の輪:愛知こどもホスピスプロジェクトの新たな挑戦

生命を脅かす病気や障がいのある子どもとそのきょうだい・ご家族に「もうひとつの居場所」を提供する認定NPO法人愛知こどもホスピスプロジェクト(ACHP)は、2026年4月1日付で名古屋市より「認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)」の認定を受けました。2023年4月の法人設立からわずか3年での認定取得となり、東海地方初の地域型こどもホスピス「長久手のおうち」(愛知県長久手市)が同年8月に開設されることを控え、大きな一歩となります。

この認定により、ACHPへの寄附が税制優遇の対象となるため、個人・法人を問わず、より多くの方々が子どもたちの支援に参加しやすい環境が整いました。これは、子どもたちの「存分に生きる」を支える活動の持続可能性を高める上で、非常に重要な意味を持っています。

寄附による税制優遇で、誰もが障害福祉支援に参加しやすく

認定NPO法人への寄附は、税制上の優遇措置の対象となります。これにより、支援したいという気持ちが、より具体的な形で社会貢献につながります。

個人寄附者へのメリット:所得控除または税額控除

個人の寄附者は、確定申告を行うことで「所得控除」または「税額控除」のいずれか有利な方を選択できます。例えば、年間3万円を寄附した場合、税額控除を選択すると最大11,200円の所得税が軽減される可能性があります。また、都道府県や市区町村が条例で指定している場合、個人住民税の寄附金税額控除も適用されます。

  • 税額控除の場合: (寄附金額 − 2,000円)× 40% が所得税額から直接控除されます(所得税額の25%が上限)。

  • 所得控除の場合: (寄附金額 − 2,000円)が課税所得から控除されます(所得の40%が上限)。

法人寄附者へのメリット:損金算入限度額の別枠適用

法人の寄附者は、一般の寄附金に係る損金算入限度額とは別に、特別損金算入限度額の範囲内で損金算入が可能です。これは、企業のCSR(企業の社会的責任)やESG(環境・社会・ガバナンス)活動として子どもたちの支援を行う上で、税務上も有利な条件となります。

「存分に生きる」を支える歩み:活動の軌跡と社会からの信頼

ACHPは2022年10月の準備委員会発足以来、患者家族、医療従事者、そして地域の住民と共に、東海地方にこどもホスピスを設立するための活動を精力的に続けてきました。

  • 2023年4月:NPO法人設立

  • 2023年11月:名古屋市副市長への要望書提出

  • 2024年〜:勉強会、グリーフの会、フォトプロジェクト等を継続実施

  • 2024年8月:欧州こどもホスピス視察

  • 2026年2月:全国こどもホスピスサミット開催、クラウドファンディング開始

  • 2026年3月:クラウドファンディング開始11日で目標300万円を達成

  • 2026年4月:認定NPO法人認定取得

  • 2026年8月:「長久手のおうち」開設予定

認定NPO法人の取得は、ACHPの運営が透明性を持ち、公益性があると所轄庁に認められた証です。寄附を主な財源とする地域型こどもホスピスにとって、この認定は活動の持続可能性を支える重要な基盤となります。

「長久手のおうち」開設へ:クラウドファンディングで想いを繋ぐ

愛知こどもホスピスプロジェクト クラウドファンディング

現在、東海地方初のこどもホスピス「長久手のおうち」の開設資金を募るクラウドファンディングが実施されています。開始からわずか11日で第一目標の300万円を達成し、現在はネクストゴール600万円に向けて挑戦が続けられています。

▶ クラウドファンディングページ:
https://for-good.net/project/1002838

東海地方初のこどもホスピス「長久手のおうち」とは

長久手のおうち

「長久手のおうち」は、愛知県長久手市の一軒家を活用した、生命を脅かす病気とともに生きる子どもたちとそのきょうだい・ご家族のための小さなこどもホスピスです。病院での治療や自宅での生活の間で、安心して過ごせる「もうひとつの居場所」となることを目指しています。東海地方に常設のこどもホスピスが開設されるのは、これが初めての試みとなります。

代表理事の想い:「病院では支えきれない時間」を地域で

愛知こどもホスピスプロジェクト代表理事の畑中めぐみ氏は、認定NPO法人化にあたり、これまでの支援への感謝とともに、活動への強い責任感を表明しています。

畑中氏は約25年にわたり、看護師・研究者として小児がんや難病の子どもとその家族に関わってきました。その中で、「病院では支えきれない時間がある」という現実を常に感じてきたといいます。治療の合間にも、子どもたちには日常があり、家族にはそれぞれの想いがあるにもかかわらず、その時間を安心して過ごせる場所が日本ではまだ十分に整っていない現状に直面してきました。

ACHPは、「存分に生きるを、一緒に。」を理念に掲げ、医療や福祉の枠組みを超えて、地域の中で子どもと家族がその人らしく過ごせる場としてのこどもホスピスの実現を目指しています。今回の認定は、社会からの信頼の証であり、同時に活動を継続していく責任を一層強く自覚する機会であると述べています。

2026年8月の開設を目指す「長久手のおうち」は、この取り組みの小さな一歩であり、その先にある「大きなこどもホスピス」の実現へと繋げていくと語っています。こどもホスピスは特別な場所ではなく、地域の中にある「もうひとつの居場所」として、子どもや家族だけでなく、関わる全ての人々がそれぞれの形で関われる文化を育んでいきたいという強い想いが込められています。

寄附金受領証明書と団体概要

認定日である2026年4月1日以降に寄附された方には、確定申告に利用できる「寄附金受領証明書」が発行されます。詳細については、ACHP公式ウェブサイトをご確認ください。

  • 団体名:認定NPO法人 愛知こどもホスピスプロジェクト

  • 代表者:畑中 めぐみ

  • 所在地:愛知県名古屋市名東区一社4丁目255 3F

  • 公式HPhttps://www.achp.jp/

  • 本件に関するお問い合わせ先:hello@achp.jp

関連情報:設立3周年記念「こどもホスピス写真展」も開催

ACHPの設立3周年を記念し、2026年4月6日(月)から12日(日)の期間、名古屋駅直結の「エスカ地下街 センタープラザ・光の広場」にて「こどもホスピス写真展」が開催されます。4月11日(土)・12日(日)には体験・交流プログラムも予定されており、こどもホスピスの活動について深く知る良い機会となるでしょう。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77