医療的ケア児・障がい児に映画鑑賞の喜びを!「AYAインクルーシブ映画上映会」が全国47都道府県で開催を達成

AYAインクルーシブ映画上映会2026冬開催報告

認定NPO法人AYAは、2026年1月18日から2月22日にかけて、病気や障がいのある子どもたち・医療的ケア児とその家族を対象とした映画上映会「『ズートピア2』~AYAインクルーシブ映画上映会2026冬~」を開催しました。全国22会場で合計5,973人を動員し、2023年4月のイベント開始以来、ついに全国47都道府県での開催を達成しました。

誰もが安心して映画を楽しめる環境を

この上映会では、医師や看護師などの医療従事者がすべてのイベントに帯同しました。これにより、医療的ケアが必要な子どもたちや、急に声を出してしまう、じっとしていられないといった特性を持つ子どもたちも、周囲を気にすることなく安心して映画を楽しめる環境が実現しました。参加者からは「この機会を知らなければ映画館に来るのは一生諦めていたと思います」「大声を出して騒いだとしても、それでもいいんだよという雰囲気が、本当にありがたかったです」といった感謝の声が寄せられています。

NPO法人AYAのミッションと上映会誕生の背景

認定NPO法人AYAは、「医療的ケア児や障がい児とそのご家族に、スポーツ・芸術・文化を通じて世界観が広がる機会を提供する」というミッションのもと、2023年6月29日に設立されました。日本には約2万人の医療的ケア児、約90万人の障がい児、約25万人の難病児が存在し、彼らは日常生活において様々な制約を受けています。

医療的ケア児とは、人工呼吸器による呼吸管理や喀痰吸引など、恒常的な医療的ケアが不可欠な子どもたちのことを指します。これらの子どもたちや障がいのある子どもたちは、映画館での鑑賞において、じっと座っていられないことや急に声を出してしまうこと、医療機器のアラーム音などが周囲に迷惑をかけるのではないかという懸念から、高いハードルを感じていました。

上映会は、そうした子どもたちのお母さんからの「映画館で映画を鑑賞したい!」という声がきっかけで始まりました。資金や会場確保といった課題を乗り越え、映画館のシアターをまるごと貸し切ることで、音や声が出ても、じっとしていられなくても、医療的ケアが必要でも、安心して映画を鑑賞できる環境を作り出しました。医療従事者の見守り体制は、映画館側の受け入れ障壁を下げる上でも重要な役割を果たしました。

医療的ケア児者とその家族の生活実態調査報告書
令和5年版厚生労働白書 資料編 「9 障害者保健福祉」
日本財団 難病の子どもと家族を支えるプログラム

多様な活動を楽しむ子どもたち

全国22会場でのべ5,973人が参加、そして47都道府県達成へ

「『ズートピア2』~AYAインクルーシブ映画上映会2026冬~」では、徳島・島根・沖縄での初開催が実現し、沖縄での開催をもって念願の全国47都道府県での上映会開催を達成しました。この実現には、配給会社であるウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社や各映画館、そして多くの関係者の協力があったとのことです。

2026年冬の開催劇場と参加者数の一部は以下の通りです。

  • 1月18日(日):イオンシネマ徳島(167名)、TOHOシネマズ ファボーレ富山(142名)、TOHOシネマズ 熊本サクラマチ(225名)、MOVIXつくば(326名)、109シネマズ湘南(261名)
  • 1月25日(日):T・ジョイ出雲(138名)、TOHOシネマズ ららぽーと福岡(380名)、TOHOシネマズ 橿原(276名)、TOHOシネマズ錦糸町(364名)
  • 2月1日(日):シネマQ(344名)
  • 2月8日(日):TOHOシネマズ 秋田(138名)、MOVIE ON やまがた(208名)、109シネマズ佐賀(223名)
  • 2月15日(日):大阪ステーションシティシネマ(413名)、イオンシネマ白山(305名)、イオンシネマ草津(224名)、MOVIX伊勢崎(210名)
  • 2月22日(日):109シネマズ二子玉川(511名)、イオンシネマワンダー(228名)、イオンシネマ岡山(199名)、MOVIX宇都宮(417名)、イオンシネマ各務原(274名)

参加者からの感動の声

上映会に参加した子どもたちとその家族からは、多くの温かいコメントが寄せられました。

  • 「普段の生活ではとにかく周りに迷惑をかけないよう、暴れず静かにさせなければならないと常に気を使う毎日です。(中略)心の底から気を使わずリラックスして映画を観ることができました。賑やかな映画鑑賞楽しかったです。」(神奈川県在住の参加者)
  • 「家族全員で参加できないものだと、行こうと考えもしなかった映画鑑賞に行けて、自分は思っていた以上諦めていることがあったのだと気付けました。みんなが普通に出来ていることが出来ることがこんなに幸せなことなのだと気づかせていただきありがとうございます。」(沖縄県在住の参加者)
  • 「大声を出して騒いだとしても、それでもいいんだよという雰囲気が、本当にありがたかったです。」(山形県在住の参加者)
  • 「この機会を知らなければ映画館来るのは一生諦めていたと思います。素晴らしい活動だと思います。」(滋賀県在住の参加者)

今後の展望:「インクルーシブ映画Day」の設立へ

認定NPO法人AYA代表の中川悠樹氏は、2026年冬の開催で47都道府県の目標を達成できたことに対し、多くの関係者やボランティア、参加者への深い感謝を述べました。

AYAは今後、「住んでいる地域によって受けられる支援や体験の機会に差がない社会」を目指し、新たな挑戦へと踏み出します。それは、2027年5月に全国47都道府県で同時にインクルーシブ映画上映会を開催する「インクルーシブ映画Day」の設立です。日本中のどこにいても、子どもたちと家族がワクワクする“体験”を共有できる未来に向け、活動を続けていくとのことです。

認定NPO法人AYAの詳細については、以下の公式サイトおよびSNSをご覧ください。


Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77