導入の背景と期待される効果
これまで、広島市の病児・病後児保育施設では、保護者が各施設へ電話で個別に空き状況を確認し、予約を行う必要がありました。この手続きの煩雑さが、保護者にとって利用しづらい要因となっていました。また、施設側も予約確認やキャンセル対応といった電話業務に多くの時間を費やし、保育以外の業務負担が増大するという課題を抱えていました。
これらの課題を解決するため、広島市は株式会社グッドバトンが提供する「あずかるこちゃん」の導入を決定しました。このサービスによって、保護者の利便性向上と利用率の増加、施設の業務負担軽減、そして保育の質の向上が期待されています。
広島市幼保給付課の担当者も、「病児・病後児保育事業は、子育て世帯にとって重要な事業であると認識している。今回の導入で、空き状況の確認や利用予約がシステムで可能となり、これまで利用したことがない方も『使ってみようかな』と思えるような事業になることを期待している」とコメントしています。
「あずかるこちゃん」で変わる病児保育の利用体験
今回の導入により、広島市内の全13か所の病児・病後児保育室で、空き状況がリアルタイムで確認できるようになります。保護者はLINEやウェブを通じて病児保育室を検索し、時間や場所を気にすることなく、いつでもスマートフォンから予約申込やキャンセルが行えます。さらに、これまで施設に提出していた紙の登録用紙もデジタル化され、スマートフォンでの登録が可能となります。

この取り組みは、病児保育の「使いづらさ」と「認知不足」という二つの課題を解決することを目指しています。病児保育事業自体の周知強化のため、パンフレットやポスターも制作され、広島市内の保育園などで配布・掲示される予定です。

「あずかるこちゃん」は、アプリのダウンロード不要でブラウザから利用できるため、保護者にとって手軽なサービスです。施設のスタッフも煩雑な事務作業から解放され、より保育に集中できる環境が整います。また、導入自治体は、地域にある委託先の病児保育室の情報を一元的に管理することが可能になります。
現在、「あずかるこちゃん」は全国で425施設、45自治体で導入されており、登録児童数は255,046人、累計予約数は927,415件を突破しています。このサービスは無料で利用できますが、病児保育の利用には各自治体または病児保育室が定めた料金がかかります。

病児保育の現状と未来への期待
2018年に実施された全国の就労女性300人を対象としたアンケート調査では、「病児保育の利用経験がない」と答えた方が88%に上りました。さらに、病児保育を利用したことがない方に認知度を尋ねると、75%が「知らない」もしくは「名前しか知らない」と回答しています。この調査からは、手続きの煩雑さが利用を遠ざけていることも明らかになりました。
「あずかるこちゃん」は、このような病児保育利用のハードルを下げ、誰もが使いやすいサービスを提供することで、病児保育を必要とする保護者と空きのある病児保育室が、時間の制約なくスムーズにつながる社会を目指しています。これにより、子どもの急病時にも安心して預けられる環境が広がり、子育てと仕事の両立支援に大きく貢献することが期待されます。
「あずかるこちゃん」の詳細については、以下のリンクをご覧ください。
株式会社グッドバトンは、産婦人科医の園田正樹氏により2017年に設立され、「それぞれの子育てを歓迎する社会へ。」をビジョンに掲げています。病児保育事業にとどまらず、子育てに関わる領域を包括的に支援することを目指し、社会に貢献しています。

