新潟駅バスターミナルで始まる、視覚障害者向け移動支援の新たな挑戦
新潟駅バスターミナルで、視覚障害者をはじめとする移動困難者のための画期的な社会実験が始まりました。特定非営利活動法人 障害者自立支援センターオアシスと株式会社メジャメンツが協力し、次世代音声コード「ナビレンス」を活用した移動支援システムの検証を進めています。この取り組みは、新潟県で初の本格的な「ナビレンス」を用いた移動支援社会実験であり、移動の不安を抱える方々に新たな安心をもたらすことが期待されています。

ナビレンスとは? 視覚障害者の移動をサポートする画期的なテクノロジー
「ナビレンス」は、スペイン発祥の移動支援アプリです。施設内や公共交通機関の各所に設置された専用の「ナビレンスコード」をスマートフォンで読み込むと、目的地の情報、方向、距離などが音声で読み上げられ、画面にも表示されます。これにより、視覚障害のある方が一人で移動する際の不安を軽減し、より積極的に外出できるような支援を目指しています。バスや電車の乗り場案内、時刻案内なども瞬時に知ることができ、移動の選択肢が大きく広がります。
ただし、「ナビレンス」はあくまで情報提供ツールであり、障害物や突発的な状況を検出するものではありません。利用者は白杖や盲導犬などと併用し、ご自身の安全に十分注意を払う必要があります。

新潟駅バスターミナルでの社会実験:情報ユニバーサルデザインへの挑戦
今回の社会実験の主な目的は、新しくなった新潟駅バスターミナルにおける視覚障害者の安全かつ円滑な移動を支援することです。音声ガイダンスによる誘導システムの有効性を検証し、既存の点字ブロックなどの物理的インフラを補完する「情報のユニバーサルデザイン」としての定着を目指しています。
当事者の声から生まれた「安心安全な場所」
特定非営利活動法人 障害者自立支援センターオアシス代表理事の小島紀代子氏は、新ターミナルが広大になり、視覚障害者や高齢者が不安を感じやすくなった現状に触れ、「この『広大な空間』を、テクノロジーの力で再び『安心安全な場所』に変えたい」と語っています。かつての『音の目印』が失われた環境で、ナビレンスが新たな『音の目印』となることが期待されています。小島氏は、「社会の環境が優しくなると障害は軽くなる」とし、困ったときに「助けてください」が言える共生社会の実現に向けた大きな一歩と位置づけています。
多様な人々を支援するナビレンスの可能性
株式会社メジャメンツ代表取締役の上濱直樹氏は、新潟駅バスターミナルに1番から18番乗り場まで存在する広大なエリアで、視覚障害者が目的の乗り場までスムーズにたどり着くために「ナビレンス」が有効であると強調しています。さらに、ナビレンスは視覚障害者だけでなく、車椅子利用者や外国人観光客など、多様な移動困難者にとっても有効なツールであり、新潟駅周辺のさらなる発展に貢献することを期待しています。
障害者自立支援とテクノロジーの融合:オアシスとメジャメンツの取り組み
特定非営利活動法人 障害者自立支援センターオアシス
社会実験を推進する特定非営利活動法人 障害者自立支援センターオアシスは、1994年から視覚障害者の自立支援活動を継続しています。「獲った魚を与えるよりも、魚の獲り方を教えよ」の精神で、仕事、勉強、日常生活における不安に対し、伴走者として多角的なサポートを提供しています。
株式会社メジャメンツ
株式会社メジャメンツは、ウェブサイトコンサルティングやアクセシビリティ診断を手がける企業です。2018年には障害者専門のクラウドソーシングサービス「サニーバンク」を開始し、障害者が活躍できる場を創出。2022年10月からは有料職業紹介業も開始し、障害者雇用支援にも力を入れています。
株式会社メジャメンツに関する詳細はこちらをご覧ください: https://www.measurements.co.jp/
未来へ向かう移動支援:誰もが笑顔で歩ける社会を目指して
今回の新潟駅バスターミナルでの「ナビレンス」社会実験は、テクノロジーの力で移動の不安を軽減し、誰もが安心して外出できる共生社会を実現するための大きな一歩です。当事者の声に耳を傾け、継続的な改善を重ねていくことで、「社会の環境が優しくなると障害は軽くなる」という理念が形になるでしょう。新潟駅を皮切りに、このような移動支援の取り組みが全国に広がり、誰もが迷うことなく、笑顔で歩ける社会が実現することが期待されます。



