特別支援学校の生徒が体験した本格コーヒー焙煎実習の全貌

将来の働くイメージを育む!「BYSN ISEHARA ROASTERY」での特別な一日

株式会社スタートラインは、障害者就業支援を通じて「誰もが自分らしく生きる社会」を目指しており、その一環として今回の職場実習プログラムを実施しました。参加したのは特別支援学校の高校1年生18名と教員5名の計23名です。

講義を受ける生徒たち

プログラムでは、「BYSN ISEHARA ROASTERY」の事業内容紹介から始まり、「どのような人が働いているのか」「働くために学校で準備できること」についての講義が行われました。その後、施設見学を経て、コーヒー豆の選別、焙煎、パッケージングといった実際の作業体験に挑戦しました。

真剣に筆記作業に取り組む生徒

参加した生徒たちは、真剣な表情で説明を聞き、メモを取るなど、働くことへの関心の高さがうかがえました。特にコーヒー豆の選別作業では、集中して不良豆を見分ける繊細な作業に取り組みました。

コーヒー豆のハンドピック作業

また、プロ仕様の焙煎機が並ぶ現場では、その規模と専門性に触れ、働くことの多様性を肌で感じることができたでしょう。

焙煎機について説明を受ける生徒たち

「自分にもできそう!」生徒と教員が語る職場実習の価値

実習に参加した生徒からは、アンケートを通じて以下のような声が寄せられました。

  • 「話を最後まで聞き、わからないままにしないようがんばります」

  • 「ルールを守ることをがんばります」

  • 「自分のことは自分でできるようにしたいと思った!」

  • 「体験できてよかった」

  • 「コーヒー豆のせんべつがむずかしかった」

また、引率した教員からは、今回の実習について次のようなコメントがありました。

「参加した生徒はまだ高校1年生で、就職について具体的なイメージを持てていない段階です。企業での実習機会そのものが限られている中で、今回のような場をご提供いただけたことを、大変ありがたく感じています。普段から仕事に必要な力は学校でも伝えていますが、実際に働いている方から直接話を聞き、現場を見ることには大きな価値があります。仕事は“難しそう”という印象を持っていた生徒も、今日の体験を通して『自分にもできそう』と話しており、将来につながる非常に貴重な機会になりました。」

この実習が、生徒たちにとって将来の可能性を広げ、働くことへの意欲を高める大きな一歩となったことがうかがえます。

障害者雇用の未来を拓く「BYSN ISEHARA ROASTERY」とは

コーヒーを通じて一般就労を支援するロースタリー型拠点

「BYSN ISEHARA ROASTERY」は、2025年6月に神奈川県伊勢原市に開設された、コーヒーの焙煎業務を通じて障害者の一般就労を支援するロースタリー型の障害者就業支援拠点です。ここでは、利用企業に雇用された障害者が、BYSN専用のプロ仕様焙煎機を使用し、高品質なコーヒー豆の焙煎・加工業務に携わっています。

完成したコーヒーは、企業オリジナルブレンドとして開発され、社員への提供やノベルティ、記念品など、さまざまなシーンで活用されています。BYSNでは、日々の業務に加え、コーヒーマイスターなどの資格取得支援も行い、一人ひとりの適性や目標に応じたステップアップをサポートしています。

現在、「BYSN ISEHARA ROASTERY」では管理者約10名、障害者約60名が働いており、今後は段階的に採用を進め、将来的には管理者約30名、障害者約100名規模の雇用創出を目指しています。

株式会社スタートラインが目指す「誰もが自分らしく生きる社会」

多様な選択肢を提供する障害者雇用支援サービス

株式会社スタートラインは、「自分をおもいやり、人をおもいやり、その先をおもいやる。」を企業理念に掲げ、2009年の創業以来、障害者雇用支援の領域において、障害者の「採用」と「定着」に重きを置いています。

ABA(応用行動分析)やCBS(文脈的行動科学)に基づいた専門的な支援で、障害者雇用の新しい「場」づくりから定着支援までをワンストップで実現しています。同社は、サポート付きサテライトオフィス「INCLU」をはじめ、屋内農園型障害者雇用支援サービス「IBUKI」、そして今回の「BYSN」など、多岐にわたるサービスを展開しています。

これらのサービスを通じて、企業への総合コンサルティング、企業/障害当事者向けカスタマイズ研修、在宅雇用支援、障害者採用支援など、サービスメニューを拡充しています。同社は、一つでも多くの選択肢をつくり、多様な人々の可能性を拡張することで、誰もが自分らしく生きる社会の実現を目指しています。

支援技術の循環モデル

まとめ:特別支援教育と社会をつなぐ、職場実習の重要性

今回の特別支援学校の生徒によるコーヒー焙煎体験は、障害のある若者が社会とつながり、具体的な職業観を育む上で非常に重要な意味を持ちます。実際に職場で働く人々の姿を見て、作業を体験することで、「自分にもできそう」という自信と、将来への希望が芽生えることは、何物にも代えがたい経験です。

株式会社スタートラインは、今後も特別支援学校や地域と連携し、若い世代が「働くこと」を具体的にイメージできる機会づくりに取り組んでいくと述べています。このような実習や見学などを通じた学校教育と社会の連携は、障害のある方々が自分らしく生きる社会の実現に向けた、確かな一歩となるでしょう。

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Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77