発達支援ニーズの高まりと支援機会の地域格差

近年、発達に特性のある子どもたちへの支援ニーズは増加傾向にあります。療育や発達支援サービスの利用者は年々増えていますが、地域によっては支援施設の不足や専門人材の不足が指摘されており、必要な支援にすぐにアクセスできない状況が見られます。また、保護者が子どもの発達に不安を感じても、どこに相談すればよいか、適切な情報にアクセスしづらいといった課題も存在します。

こうした背景から、ICTやAIなどのテクノロジーを活用し、地域や時間の制約を超えて支援を届ける取り組みが広がりつつあります。しかし、発達支援領域におけるテクノロジー活用はまだ発展途上であり、知見の共有や社会実装を推進するための横断的な連携が求められていました。

療育・支援の課題を示すイラスト

協議会発足の目的と主な活動内容

発達支援テクノロジー推進協議会は、発達支援における地域や環境による支援機会の格差という社会課題の解決を目指し、テクノロジーの活用を通じて子どもや家庭が適切な支援にアクセスできる環境の実現を目的としています。本協議会では、発達支援に関わる企業や団体、研究機関などが連携し、それぞれの知見や技術を持ち寄ることで、テクノロジーを活用した新たな支援の可能性を広げていきます。

主な活動内容は以下の通りです。

  • 政策提言・アドボカシー

    • 発達支援・療育領域におけるテクノロジー活用の推進に向け、現場の知見や実証データをもとに、行政・関係機関への提言活動を行います。
  • 広報・啓発活動

    • 発達支援に関する正しい理解の促進と、テクノロジー活用の可能性について、メディア発信やコンテンツ制作を通じて社会に広く伝えていきます。
  • イベント・関係機関との協力

    • 専門家・関係機関・自治体などと連携し、勉強会やシンポジウム等のイベントを開催するとともに、実践的な学びの場づくりを推進します。
  • 調査・報告書の発行

    • 発達支援の現状や課題、先進事例に関する調査を実施し、レポートとして発信することで、業界全体の知見蓄積と発展に貢献します。

多様な分野から15組織が参画

本協議会には、発達支援事業者、研究機関、テクノロジー企業など、発達支援領域に関わる多様な事業者が参画しています。各分野の知見や技術を持つ企業・機関が連携し、発達支援領域におけるテクノロジー活用の可能性を広げていきます。

<参画企業・団体・組織一覧/敬称略>

  • 主幹事

    • PAPAMO株式会社
  • 参画企業・団体(五十音順)

    • 株式会社AiCAN

    • エフバイタル株式会社

    • 株式会社オキュラボ

    • 株式会社すららネット

    • トランスコスモス株式会社

    • 株式会社ナポレオンフィッシュ

    • 株式会社ナーシング

    • 株式会社ハンズオン

    • 株式会社弘前子ども発達支援センター

    • 株式会社リィ

    • リハビリ・フューチャーズ

    • 一般社団法人ことばサポートネット

    • 一般社団法人Coco-on

  • アカデミア

    • 弘前大学大学院保健学研究科

テクノロジーは「人と支援の可能性を拡張するインフラ」

主幹事を務めるPAPAMO株式会社 代表取締役の橋本咲子氏は、発達支援におけるテクノロジーの役割について次のようにコメントしています。

「子どもの発達は、本来とても個別性の高いものです。しかし現実には、地域や施設、人材の不足などによって、必要な支援にアクセスできない子どもや家庭が多く存在しています。支援の機会が環境によって左右されてしまう『発達支援の機会格差』は、日本社会がこれから向き合うべき重要な課題の一つです。

私たちは、テクノロジーは発達支援の可能性を大きく広げる力を持っていると考えています。ICTやAIを活用することで、地理的な距離を超えて支援を届けることや、データを活用した個別最適な支援を実現することが可能になります。しかし、テクノロジーは決して人の代わりになるものではありません。子どもの発達において本当に重要なのは、人との関わりや身体を通じた経験です。だからこそ、テクノロジーは『人と支援の可能性を拡張するインフラ』として活用されるべきだと考えています。

本協議会では、発達支援の現場とテクノロジーの知見をつなぎ、子ども一人ひとりの可能性を広げる新しい支援の仕組みを社会に実装していきます。すべての子どもが、住んでいる場所や家庭環境にかかわらず、自分らしく育っていける社会を実現する。その未来に向けて、本協議会を通じた新しい挑戦を進めてまいります。」

発達支援テクノロジー推進協議会 概要

発達支援テクノロジー推進協議会のロゴ

  • 名称: 発達支援テクノロジー推進協議会

  • 発足: 2026年3月(2026年3月19日 記者会見にて公表)

  • 主幹事: PAPAMO株式会社 代表取締役 橋本 咲子

  • 公式サイト: https://hattatsu-shien-tech.jp/

主幹事 PAPAMO株式会社について

PAPAMO株式会社は、運動とテクノロジーを組み合わせた発達支援サービス「へやすぽアシスト」の開発・運営を行っています。

PAPAMOのロゴマーク

運動×テクノロジーによる発達支援サービス「へやすぽアシスト」

「へやすぽアシスト」は、運動による発達支援をテクノロジーを活用して提供するサービスです。累計3万件以上の指導データを蓄積し、レッスン前にヒアリングした課題、実施したレッスン、その成果までをデータベース化しています。この知見をもとに1,000以上のプログラムから最適なレッスンが提案されます。

レッスンプログラムの開発は、発達支援のプロである理学療法士・作業療法士が中心となって行い、データに基づいて一人ひとりに合わせた質の高い支援を実現しています。レッスンはオンラインでマンツーマンで行われるため、家庭にいながら安心して受けられることが特長で、会員継続率は97%と多くの家庭に支持されています。

へやすぽアシストのサービスを紹介する画像

へやすぽアシストの体験申し込みはこちらから:https://papamo.net/official/

発達支援テクノロジー推進協議会の発足は、発達に特性を持つ子どもたちが地域や環境に左右されず、自分らしく成長できる社会の実現に向けた大きな一歩となるでしょう。テクノロジーと専門家の知見が融合することで、支援の可能性がさらに広がり、多くの子どもたちとその家族に希望が届けられることが期待されます。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77