Last Updated on 2024年10月5日 by 菅間 大樹
合同出版株式会社から、長年の療育研究に基づく発達障害の子どもたちのためのワーク&指導法◎「アスペ・エルデの会」ディレクションシリーズ第3弾『発達障害の子の性のルール: からだ・こころ・かんけいを育てる17のワーク』が発売されました。
発達障害のある子どもの親や教育者、支援者にとって、貴重な実践的リソース
子どもの成長に伴う変化を理解し、適切に対応することは非常に重要です。特に発達障害のある子どもたちにとって、〈からだ〉〈こころ〉〈かんけい〉の変化を学ぶことは、健全な成長と社会適応に不可欠です。
『発達障害の子の性のルール: からだ・こころ・かんけいを育てる17のワーク』は、この課題に真正面から取り組む一冊です。岐阜大学の川上ちひろ先生と青森県立大学の田中尚樹先生が執筆したこの本は、長年の研究と実践に基づいた実用的なガイドとなっています。
本書の特徴は、子ども自身が取り組めるワークと、支援者向けの具体的な指導ポイントを組み合わせた構成にあります。自己理解から始まり、体と心の大切さを学び、思春期に起こる変化を理解していきます。さらに、友人関係や性のトラブル予防、インターネットコミュニケーションなど、現代の子どもたちが直面する課題にも焦点を当てています。
従来の性教育本と一線を画すのは、その実践的アプローチです。例えば、二次性徴や月経、マスターベーションといったトピックも、単なる知識の習得ではなく、社会的スキルの一環として扱っています。子どもたち自身が対処できる方法や、周囲の大人がどのようにサポートすべきかを具体的に示しています。
17のワークを通じて、子どもたちは自分の体と心の変化を理解し、他者との適切な関係性を築く方法を学びます。これは、発達障害のある子どもたちの自立と社会参加を促進する上で、極めて重要なスキルとなります。
本書はAmazon、楽天ブックス、全国の書店で入手可能です。
もくじ
はじめに
この本の使いかた
01 「みんな違っていい」を知ろう
02 からだを清潔にしよう
03 身だしなみを整えよう
04 からだの調子を整えよう
05 健康的な食事をしよう
06 よい生活リズムですごそう
07 大人のからだになるって?(女の子)
08 月経中のすごしかたを知ろう
09 大人のからだになるって?(男の子)
10 こころが大人になっていくって?
11 「好き」って?
12 ほかの人との距離って?
13 場面や相手に合ったふるまいかたを知ろう
14 友だちとのよい関係って?
15 インターネットを使ったコミュニケーションを知ろう
16 性のトラブルにまきこまれないためには?(女の子)
17 性のトラブルにまきこまれないためには?(男の子)
著者情報
辻井 正次(ツジイ マサツグ)
中京大学現代社会学部教授(専門:発達臨床心理学)
発達障害児者の発達支援システムの開発、発達支援技法の開発・専門家養成などに取り組み、家族支援のプログラムや、幼児期の早期支援JASPERの普及に務める。
NPO法人アスペ・エルデの会のCEO・統括ディレクター。日本発達障害ネットワーク理事。日本小児精神神経学会理事。厚生労働省、文部科学省、内閣府などで発達障害児への対応プログラムの策定委員も務める。
川上 ちひろ(カワカミ チヒロ)
岐阜大学 医学教育開発研究センター 准教授
公立の小中学校の養護教諭を経て、自閉スペクトラム症がある子どもたちやその家族とかかわり、本人や家族、支援者を対象に「性と関係性の教育」として、性に関する教育方法の開発、実践、普及を専門に行っている。NPO 法人アスペ・エルデの会ディレクター。
●おもな著書
『続・発達障害のある女の子・女性の支援: 自分らしさとカモフラージュの狭間を生きる』川上ちひろ、木谷秀勝 編著/金子書房/ 2022 年、『発達障害のある子どもの性・人間関係の成長と支援──関係をつくる・きずく・つなぐ(ブックレット: 子どもの心と学校臨床2)』遠見書房/ 2020 年、『発達障害のある女の子・女性の支援: 「自分らしく生きる」ための「からだ・こころ・関係性」のサポート』川上ちひろ、木谷秀勝 編著/金子書房/ 2019 年、『性の問題行動をもつ子どものためのワークブック:発達障害・知的障害のある児童・青年の理解と支援』宮口幸治、川上ちひろ 共著/明石書店/ 2015 年など
田中 尚樹(タナカ ナオキ)
青森県立保健大学 健康科学部 社会福祉学科 講師
公立小中学校勤務を経て、日本福祉大学助教や厚生労働省専門官などを歴任しさまざまな障害者支援の現場に立ちながら、発達障害のある人の地域生活や家族支援をテーマに研究と実践をおこなっている。NPO法人アスペ・エルデの会理事。
●おもな共著書
『プライマリ・ケアの求められる発達障害の診かたと向き合い方』斉藤まなぶ 編著/金芳堂、2023年、『福祉職のための精神・知的・発達障害者アウトリーチ実践ガイド:生活訓練・自立生活アシスタントの現場から』吉田光爾、遠藤紫乃、岩崎香 編著/金剛出版/2024年、『不器用・運動が苦手な子の理解と支援のガイドブック:DCD(発達性協調運動症)入門』岩永竜一郎、辻井正次 編著/金子書房/2024年、『ソーシャルワークを学ぶ人のための相談援助実習』日本福祉大学社会福祉実習教育研究センター 監修/中央法規出版/2015年、『発達障害児者支援とアセスメントのガイドライン』辻井正次 監修/金子書房/2014年
NPO法人アスペ・エルデの会
1992年より活動を開始し、2002年法人化。発達障害者の「発達支援」「社会的自立支援」を目的に、子ども、親、専門家で組織している。子どものための発達支援ができるような場をつくりたい、という親たちの動きが中核になって生まれた。専門家が多数加わり、活動の専門性を維持・発展させている。発達支援にかかわるスタッフの養成、支援に必要な専門性を高めていく調査研究機関としての機能をもつ。支援の場、自助会、専門家養成、啓発、情報発信、研究機関を統合した「生涯発達援助システム」をめざす。
書誌情報
『6歳児から使えるワークブック 発達障害の子の性のルール からだ・こころ・かんけいを育てる17のワーク』
https://www.godo-shuppan.co.jp/book/b650454.html
辻井 正次 【監修】
NPO法人アスペ・エルデの会【編】
川上ちひろ【著】
田中 尚樹【著】
□定価=本体1,700円+税
□B5判並製/96ページ
□ISBNコード:978-4-7726-1519-8