災害時の避難における課題

2024年1月に発生した能登半島地震では、多くの住民が地域の避難所に身を寄せました。しかし、発達障害や知的障害のある方の中には、避難所の環境変化がストレスとなり、体調を崩すケースが見られました。その結果、家族が周囲に配慮し、倒壊の危険がある自宅に留まったり、車中泊を続けたりする事例が多数報告されています。こうした状況は、障害のある方本人やその家族の健康状態を悪化させ、災害関連死につながる危険性も指摘されています。

行政、福祉作業所、NPOが連携した先進事例

AAR Japanは、このような課題に対応するため、障害のある方が安心して利用できる福祉避難所の整備を支援しています。今回、七尾市と障害者の就労支援を行う一般社団法人ななお・なかのと就労支援センター(代表理事:瀧川嘉明)との間で、同センターが運営する就労継続支援(A型)事業所「LABO」(七尾市白馬町)を災害時に福祉避難所として利用する協定が締結されました。「LABO」は、普段から障害のある方々が仕事や生活に関する相談を行う場所であるため、災害発生時にも利用者の特性に配慮した支援が期待されます。

快適な避難生活を支える設備

AAR Japanの支援により、「LABO」の作業場は、災害時に寝泊まりできるようフローリングの床に張り替えられました。さらに、避難が長期化した場合に必要となるシャワー室、バリアフリートイレ、自炊可能なキッチンが整備されています。これらの設備整備にかかった総額647万円は、全額がAAR Japanに寄せられた寄付金で賄われました。

バリアフリー対応のバスルーム

キッチン設備

この取り組みは、行政、福祉作業所、そしてNPOが連携することで、理想的な避難環境を早期に実現した先進的な事例として注目されています。災害関連死を防ぐための具体的な解決策として、今後の災害対策におけるモデルケースとなることが期待されています。

福祉避難所「LABO」内覧会のご案内

整備された福祉避難所の内覧会が以下の日程で開催されます。

  • 日時: 1月29日(木)13時30分から
  • 場所: 七尾市白馬町70-1-27 就労継続支援(A型)事業所「LABO」
  • 内容: 施設内覧、施設代表者・AAR担当者へのインタビュー
  • 申し込み: 七尾市健康福祉部福祉課 0767-53-8464(担当・森野)

お問い合わせ先

本件に関するお問い合わせは、以下の連絡先までお願いいたします。

認定NPO法人難民を助ける会(AAR Japan)

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77