支援現場の8割以上が、支援方法に課題を実感
「お勤め先における支援方法について、課題を感じることがありますか」という問いに対し、「かなりある」が30.9%、「ややある」が50.0%となり、合わせて80.9%の支援員が現状の支援方法に課題を抱いていることが判明しました。

課題の要因は「対応の一貫性のなさ」と「基準の曖昧さ」
支援方法に課題を感じている支援員に具体的な内容を尋ねると、「支援者によって対応が異なり、一貫性がない」が51%で最多となりました。次いで「支援の基準が曖昧で、何が正しいのか分からない」が44%、「特定の支援者しか対応できない状況がある」が35%と続いています。

自由回答からは、支援方法そのものだけでなく、組織体制や環境面に起因する多様な課題が寄せられました。
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「まだまだ完全に障害者支援を行うための環境が整っていないと感じる。」
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「支援者の知識や経験、考え方の差が大きく、一体的な支援が難しい。」
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「いつ何処で大きいミスをしてしまうか常に緊張がある。」
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「家族の協力が得られないケースも多い。」
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「支援方法の前に、マッチングミスの可能性がかなりあると感じています。」
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「支援方法に関しては日々工夫を重ねアップデートしています。」
約8割が「改善したくてもできない」組織の壁に直面
「支援を改善したいと思っても、職場の体制や方針により実現できないと感じることがありますか」という問いに対しては、「かなりある」が30.0%、「ややある」が45.5%という結果が出ています。実に約8割の支援員が、現場の改善意欲を持ちながらも組織的な制約により足止めされている実態が浮き彫りとなりました。

改善を阻む要因は「属人化」と「リソース不足」
改善が困難な理由を尋ねると、「支援が属人化しているから(50%)」と「予算や人員の問題(50%)」が同率で最多となりました。

まとめ:障害者雇用エバンジェリストによるコメント
株式会社スタートラインの障害者雇用エバンジェリストである吉田 瑛史氏は、今回の調査結果を受けて次のようにコメントしています。

吉田 瑛史氏(株式会社スタートライン 障害者雇用エバンジェリスト)
「今回の調査により、障害者就業支援の現場では、8割を超える支援者が『支援のバラつき』や『基準の不明確さ』に直面している実態が明らかになりました。特に、支援が個人の経験やスキルに依存する『属人化』が進んでいることで、組織として一貫したクオリティを維持することが困難な状況にあります。また、現場の支援員が改善の必要性を感じていても、予算や人員の不足、さらには『経営層・管理職の理解不足』といった組織的な壁が阻害要因となり、理想的な支援体制の構築に至っていない現状が伺えます。こうした環境下では、支援員の負担が増大し、支援の質の低下を招くリスクも否定できません。今回の調査結果は、障害者就業支援の領域において、支援方法の標準化や組織的な支援体制の重要性がいっそう高まっていることを示唆しています。スタートラインとしても、こうした現場の課題やニーズを踏まえ、企業・支援機関が安定的かつ質の高い支援を実現できるよう、必要とされる仕組みづくりを支援してまいります。障害者雇用が拡大する中で、支援者一人ひとりが本来の力を発揮し、持続可能な就業支援を提供できる環境づくりに、今後も貢献してまいります。」
この調査結果は、障害者就業支援における支援方法の標準化や組織的な支援体制の確立が急務であることを示しています。支援員が抱える課題を解決し、誰もが自分らしく働ける社会の実現に向けて、今後も取り組みが期待されます。
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調査概要
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調査対象:現在障害者就業支援業務に従事している方110名
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調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
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調査期間:2026年1月7日〜同年1月7日
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
株式会社スタートラインについて
株式会社スタートラインは、ABA(応用行動分析)やCBS(文脈的行動科学)、第三世代の認知行動療法に基づいた効果的で専門的な支援を通じて、障害者雇用の新しい「場」づくりから定着支援までをワンストップで実現する企業です。「自分をおもいやり、人をおもいやり、その先をおもいやる。」の企業理念のもと、2009年の創業以来、障害者の「採用」と「定着」に重きを置き、多岐にわたるサービスを展開しています。

サポート付きサテライトオフィス「INCLU」の運営をはじめ、屋内農園型障害者雇用支援サービス「IBUKI」、ロースタリー型障害者雇用支援サービス「BYSN」、企業や障害当事者向けのカスタマイズ研修、在宅雇用支援、障害者採用支援など、サービスメニューを拡充しています。同社は、一つでも多くの選択肢を作り、多様な人々の可能性を拡張することで、誰もが自分らしく生きる社会を目指しています。

出典元:株式会社スタートライン




