2026年4月施行「高次脳機能障害者支援法」で支援強化!「見えない障害」を可視化する「+αサポートカード」と「啓発アイコン」が登場
2026年4月、高次脳機能障害のある方への支援を強化する「高次脳機能障害者支援法」が施行されます。この法律の施行を前に、メンタルヘルスに関する情報発信を行うNPO法人ぷるすあるはと、当事者・家族の団体であるNPO法人いわて高次脳機能障害友の会イーハトーヴが共同で、外見からは分かりにくい「見えない障害」の理解を広げるための具体的なツール「高次脳機能障害+αサポートカード」と「高次脳機能障害アイコン」を公開しました。
2026年4月施行「高次脳機能障害者支援法」で何が変わる?見えない障害への理解促進
高次脳機能障害とは?見えない障害の現状
高次脳機能障害は、交通事故や脳の病気などが原因で起こる障害で、全国で約23万人が罹患していると推計されています。外見からは分かりにくいため「見えない障害」とも呼ばれ、これまで十分な制度が整っておらず、支援につながりにくい状況がありました。
新法が目指す「切れ目のない支援」と共生社会
2025年12月に議員立法で成立した「高次脳機能障害者支援法」は、2026年4月から施行されます。この法律は、どこに住んでいても、医療やリハビリテーションから生活・社会参加まで、その人の状況に応じた「切れ目のない支援」を受けられる社会を目指すものです。支援体制の構築や、障害への理解を広げるための啓発活動も法律に明記されており、高次脳機能障害のある方が安心して生活できる環境づくりが期待されています。
高次脳機能障害者支援法に関する詳しい情報は、以下のページで確認できます。
高次脳機能障害者支援法」解説ページ

外見からは分かりにくい「見えない障害」を可視化する新ツール
「高次脳機能障害+αサポートカード」の誕生
ことばだけでは伝えにくい高次脳機能障害の症状を、見える形で周囲に伝えるためのツールとして「高次脳機能障害+αサポートカード」が制作されました。

このカードは名刺サイズ(約54×85mm)で、既存のヘルプマークと合わせて持つことを想定してデザインされています。カードケースに合わせて縦長、横長の2つのデザインが用意されており、利用者の状況に合わせて選択できます。
カードには、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、気持ちの切り替えが苦手(感情のコントロールの難しさ)といった代表的な症状のチェック欄があります。裏面は自由記入欄となっており、必要に応じて自身の状況や周囲に求める配慮などを具体的に伝えることが可能です。
この「高次脳機能障害+αサポートカード」は、NPO法人ぷるすあるはが運営するサイト「子ども情報ステーション」から無料でダウンロードでき、誰でも活用できます。
高次脳機能障害をひと目で伝える「啓発アイコン」
高次脳機能障害であることをひと目で伝えやすくするためのビジュアルアイコンも、今回あわせて公開・販売が開始されました。

このアイコンは、イラストと言葉、イラストのみ、言葉のみの3種類があり、症状カットとセットで有料提供されます。リーフレットや掲示物、研修資料など、様々な啓発活動で活用できます。アイコンの収益は、今後の啓発活動の継続に充てられるとのことです。
当事者・家族の声から生まれた支援ツール:共生社会への願い
当事者の思いを形に
このサポートカードは、NPO法人いわて高次脳機能障害友の会イーハトーヴの当事者の方々が、「ヘルプマークだけでは自分たちの障害を理解してもらえない」という切実な思いから企画し、岩手県の助成金を得て完成したものです。
会員の阿部類さんは、「高次脳機能障害と言っても、その症状や程度は様々です。当事者・家族の中には、障害そのものだけでなく『受傷前後のギャップ』に苦しんでいる人もいます。このカードが、そう理解するきっかけになれば」と語っています。
代表の堀間幸子さんも、「当事者たちが支援されるだけでなく、自分たちの力を発揮できる社会になることも私たちの願いであり、このカードを手にした方に当事者たちの底力を感じていただきたい」と、ツールの持つ可能性に期待を寄せています。

これまでの啓発活動の延長線上に
NPO法人ぷるすあるはは、これまでもさいたま市高次脳機能障害者支援センターと共同で、イラストを活用した啓発シートやリーフレットの制作、一般市民向けの展示企画などを行ってきました。ことばだけでは伝わりにくい高次脳機能障害を視覚的に分かりやすく伝える取り組みを重ねてきたことが、今回の共同企画へとつながっています。
共同制作団体であるNPO法人いわて高次脳機能障害友の会イーハトーヴの活動については、以下のリンクから詳細を確認できます。
NPO法人いわて高次脳機能障害友の会イーハトーヴ
日常生活で活用できる具体的なツール:法律の理念を現場へ
今回公開された「高次脳機能障害+αサポートカード」と「高次脳機能障害アイコン」は、高次脳機能障害のある方ご本人やご家族だけでなく、医療・福祉・教育の現場、そして自治体職員など、多くの人々が日常生活の中で活用できる具体的なツールです。
これらのツールは、2026年4月から施行される「高次脳機能障害者支援法」が掲げる「切れ目のない支援」「理解を広げること」「地域の支援体制づくり」といった理念を、現場で生きる形にしていくことを目指しています。障害のある方がより暮らしやすい共生社会の実現に向けた、大きな一歩となることでしょう。

