謎のだるさ、不安感、焦燥感、感情の起伏の異様な激しさ…etc. 幼い頃から心身ともに不調を抱えてきた漫画家、遠藤一同さんが自身の病気のこについて描いたコミックエッセイが株式会社イースト・プレスより出版されました。

もっと早く病院へ行けばよかった…。そのきっかけは友人の「変わった」の一言だった。

幼い頃から心身ともに不調を抱えてきた遠藤さん。ある日友人から「発達障害の薬を飲んだら生活が変わった!」という話を聞きます。

自身の性質にも思い当たることがあった遠藤さんは、好奇心から病院を受診することに。

しかし、その診断結果は「発達障害」ではありませんでした。

謎のだるさ、不安感、焦燥感、感情の起伏の激しさ…。ずっと遠藤さんは困っていた。

「どうして発達障害かと思ったか」…医師に聞かれた遠藤さんでしたが、「病気」だとは思っていなかったけれど、そもそもずっと不調を抱えてきました。

まず「謎のだるさ」

朝起きてから、夜寝るまで、ずっとまるで登山後の体のようなだるさに悩まされていました。でも、これは自分の生活環境(不摂生など)のせい、もしくは多少の差はあれど、みんなもそうなんだと思っていました。

そして、被害妄想

電車の中などで笑い声が聞こえると、自分が笑われているんじゃないか? そう思うこともしばしば。

その他にも、物事に集中できなかったり、先のことを思い悩んだり、不安感や焦燥感に悩まされていました。音や刺激にも過度に敏感でした。

でもこれは、「誰にでもあること」そう思っていたのです。

けれど、毎日のように過度な感情の起伏に苛まれていたことは、やはり「普通」ではありませんでした。

「普通」が突然やってきた。

お医者さんから処方された薬を飲んだら、次の日、驚くことが起こりました。

もっと早く病院へ行けばよかった…!

遠藤さんには「統合失調症の一部」という診断名が告げられます。

今まで病気だと思っていなかったことに、病名がつき、治療が始まったことで、ままならなかったことが改善されていきます。

それと共に、統合失調症の「一部」とは何か、心の病気って何なのかについて、興味をもち始めます。

「もしかしたら私以外の人も病気だと気づかなくて困っている人がいるかもしれない」

そう思い、自身の劇的な体験を赤裸々に描くことを決意。

そして、日本で活躍するイタリア人精神科医、パントー・フランチェスコ先生と、Q&Aにて心の病気について紐解いていきます。

まだまだ解明されていないことも多い「心の病気」。けれど、自分の生きづらさを無視しないで、我慢しないで、病院を受診することで開ける未来があることを、この漫画は教えてくれます。

2023年9月20日発売です。

トークイベントのお知らせ

2023年10月8日(日曜日)13:00〜

青山ブックセンター様にてトークイベント&サイン会を行います。

2023年10月21日(土曜日)13:00~

梅田ラテラル様にてトークイベントを行います。

●書誌情報

書名:発達障害かと思ったら統合失調症の一部でした
著者:遠藤一同
発売日:2023年9月20日
発行:株式会社イースト・プレス
判型:A5判
価格:1100円+税
ISBN:978-4-7816-2239-2

〇イースト・プレス作品ページ

https://www.eastpress.co.jp/goods/detail/9784781622392

〇Amazon作品ページ

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77